21.05.24
東京オリンピック・パラリンピック、中止の場合の交渉と賠償金

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan News 副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『東京オリンピック・パラリンピック、中止の場合の交渉と賠償金』
吉田:いよいよ、東京オリンピックの開幕まで2か月となりました。開会式は7月23日を予定しています。そんななか、日本国内では、「オリンピック中止を」という声が日増しに大きくなっています。それと同時に、なぜ政府やIOCは中止の判断を下せないのか?様々な憶測も飛び交っているんです。そこで今朝は、『東京オリンピックが中止の場合の交渉と賠償金』をテーマに神庭さんにお話を伺っていきます。
ユージ:東京オリンピック組織委員会の武藤事務総長は今月13日、「仮に大会が中止になった場合、IOCから違約金などを請求される可能性があるのか?」という報道陣からの質問に対して、「考えたことはない。あるのかどうか見当もつかない」と回答しています。実際問題、払わないといけないんですか?
神庭さん:その可能性は高いと思います。ネット上で公開されている『開催都市契約』という文書がありまして、それを読むと、“戦争や内乱、ボイコットなどの状況にある場合、IOCは自分の裁量で大会を中止することができる”と書いてあるんですけど、“IOCは~”とあって、“開催都市は~”というふうには全然書いていないんですね。IOCが中止や契約解除を決めた場合、開催都市である東京都やJOC(日本オリンピック委員会)、大会組織委員会は補償や賠償の権利を放棄しないといけないんです。逆に、スポンサーなど第三者からIOCに対して訴訟や請求があった場合、東京都やJOC、組織委が被って補填しないといけないんですね。
ユージ:すごいIOCにとってはリスクの少ない契約ですね。
神庭さん:そうです。IOCにとってはめちゃめちゃ有利で、一応ですね、「本契約の締結日には予見できなかった不当な困難が生じた場合、組織委はその状況において合理的な変更を考慮するようにIOCに要求できる」という条文はあって、なんとなくコロナが該当しそうにみえるんですけれども、この条文には但書きがあって、「当該変更が、本大会またはIOCのいずれに対しても悪影響を与えず、IOCの行使する裁量に委ねられることを条件とする」というふうに書かれてあって、実際にそういう変更が生じたとしても、IOCはそれに対応する義務を負わないというふうに書かれているんですね。非常に一方的にICOに有利な内容なので、『不平等条約』というふうにも言われていて、私もおかしいと思うんですけれども、この条件を知ったうえでサインしてしまった以上はこの契約に拘束されることになるんですよね。
ユージ:これはあれですよね…、ものすごいちっちゃい字で書かれているとかじゃないですもんね?
神庭さん:ちゃんと大きい文字で書いてありました。
ユージ:だから、日本側もそれにちゃんと目を通したうえでサインしちゃってるということですよね。
吉田:でも、IOCは中止できる権限があるわけですよね?
神庭さん:そうですね、一応、あるんですけれども、IOCにとっても中止で収入が断たれたら大打撃ですよね。なので、日本側が中止を言い出してきて、スポンサーとかテレビ局の賠償金を肩代わりしてくれた方が好都合なんですよね。逆に日本側は莫大な賠償金を支払いたくないので、IOCに決めてほしいと思っていて、不良漫画とかでよく断崖絶壁に向かって車を走らせて、ギリギリで止める『チキンレース』というのがありますよね?
ユージ:ありますね!
神庭さん:まさにその状況で、お互いがギリギリまで我慢を競い合って、金縛り状態になっているんですよね。ダチョウ倶楽部で言ったら、「じゃあ俺が…」と言い出した瞬間に「どうぞ、どうぞ」と言われて、上島竜兵さん役にさせられて、“賠償金という名の熱湯風呂”に入れられちゃうという状況です。
ユージ:(笑)。そういう状況ね…。
神庭さん:IOCのコーツ副会長も「緊急事態宣言下でも問題なく開催できる」というようなことを言ってましたけど、こういう強気な発言ができるのもIOC有利な『不平等条約』があればこそ。日本の足元を見るじゃないですけど、そういう事が言えちゃうということですよね。
ユージ:いやぁ…、サインしちゃった方もしちゃった方と言われちゃったら仕方ないんですけど、ただ、結構な金額じゃないですか?実際、賠償額はどれくらいになりそうなんですか?
神庭さん:アメリカのYahoo!スポーツの報道では専門家の意見として、40~50億ドル程度になる可能性、日本円で4300億円~5400億円程度ですね。シンガポールの新聞では、放映権料だけでも15億ドル、約1600億円を見込んでいて、これを補填しなければいけないだろうと…。実際には、放映権料以外のスポンサーへの補填が必要になるので1600億円以上必要ではないかというふうに試算されていますね。
ユージ:ここで話ししているのって、IOCに対する賠償金の話ですよね?開催できなかったら、こっちにももちろんダメージがあるし、IOCにもダメージがあるのもわかるけど、お互いそこは、「できませんでしたね…」で終わりじゃないんですね。さらにIOCに賠償しないといけないんですね。
神庭さん:そういうことになりますね。実際には、各スポンサー企業、報道局は保険に入っていますから、そこで賄われる部分もあると思いますけど、それでも、かなりの額になることは間違いないですね。
ユージ:なるほどね。
吉田:ただもう迫ってますからね…。
神庭さん:そろそろ、いかに莫大と言えども、チキンレースと言っても、ここらで腹を括らないといけないですよね、日本もね。ただ一方でですね、数千億円という額を法的に請求できるということと、実際に政治的に請求するかどうかというのは別問題なんですよ。なぜかというと、コロナみたいなこういう不幸な事態が起きて、中止になってもIOCはガンガン請求してくるんだよ、ということで国際社会で悪評が立ってしまうと次から開催地に名乗りを上げる国が出てこなくなっちゃいますよね。もう怖くて手を挙げられなくなっちゃいますよね。
ユージ:そうか!手を挙げる国がなくなりますよね。
神庭さん:ということでいくと、泥沼の法廷闘争みたいなことは、多分、ならないんじゃないかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 24, 2021
「東京オリンピック・パラリンピック 中止の場合の交渉と賠償金」について
そもそも東京オリンピック開幕まであと2ヶ月の中、
まだ延期なのか中止なのかが決まってない。
もし中止になった場合、誰がお金払うの?どこの責任なの?という話題です。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 24, 2021
IOC側の契約書には、IOCの裁量で大会を中止することができると書いてあり、
日本側が”今回開催出来ません。”と言うと賠償金を IOC に払わなくてはいけなくなる可能性がある。
日本は契約書にサインをしている。
なので賠償金の問題が発生するのではないかという話。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 24, 2021
何れにしてもあと2ヶ月しかありません。
お金の問題も重要ですが、
選手達のモチベーションや、観戦したい人達の事も考えて、
もうそろそろ、"やる"か"やらない"か、決断しても良いのではないかと思いました。#ワンモ