21.03.24
『時短命令をめぐり、東京都を提訴』
今知っておくべき注目のトレンドをネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します!!今日は、元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也さんにお話を伺いました。
宇佐美さんに伺う話題はこちら!
【時短命令をめぐり、東京都を提訴】
エリザベス:東京都による営業時間の短縮命令は『営業の自由』を保障した憲法に違反するなどとして、 飲食チェーン『グローバルダイニング』が一昨日、東京都に損害の一部として、104円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。時短命令をめぐる訴訟は初めてとみられます。
鈴村:まずは、これがどのような訴訟なのか、改めて教えていただけますか?
宇佐美さん:一言でいえば、「適切な補償なく飲食店の営業を制限することは憲法違反だ」という訴訟ですね。東京都は今月18日に、営業を午後8時までとする緊急事態宣言下の要請に応じない27店に時短命令を出したんですね。このうち26店が『グローバルダイニング』という今回、訴訟を起こした会社が営業する、『モンスーンカフェ』、『カフェ ラ・ボエム』、『権八』などです。この会社が「適切な補償もなく要請に応じれば経営維持は困難になる」と指摘して、「営業の自由への過剰な制約だ」ということで訴えました。グローバルダイニングは、もう一つの事業者とも相談しましたが、そちらは「罰金を払っても営業をする」ということで、単独の訴状となったみたいですね。すごく問題視しているのが“適切な補償”。と、あと、今回、“緊急事態措置に応じない旨を強く発信”ということで、それに対して東京都の命令書に書いてあったので「見せしめではないか」、「狙い撃ちではないか」ということで、そういった観点からも「表現の自由の侵害だ」とも主張していますね。
鈴村:請求額が104円なんですよね、意味としては、どういうものがあるんでしょうか?
宇佐美さん:聞いた時にはびっくりしましたよね。これは、損害賠償の請求が主目的ではないということで、一番の目的は、“国の政策のあり方を問うこと”なので、請求額を104円にとどめたということです。18日から4日間、26店舗でということで、26×4で104になったということでした。ただ、この裁判は、今、クラウドファンディング行っていて、いろんな方からの支援を募っていて、1000万円以上集まっているので、裁判費に関してはそちらで募っているということですね。
鈴村:提訴を受けで東京都はどのようなコメントを出しているのでしょうか?
宇佐美さん:東京都は粛々としたコメントでして、小池百合子都知事は「特措法にのっとり、丁寧に手続き通りの流れでやってきている」と話しているということで、今のところは、淡々とコメントを発しているにとどまっていますね。
鈴村:今回の提訴、宇佐美さんはどのようにご覧になっていますか?
宇佐美さん:まず、今回の訴訟に関しては、すごく必要だなということは感じています。やっぱり、一番重要な論点は、“適切な補償はどれくらいなのか?”ということですね。今は店舗の規模に関係なくて、一律で同じ額の協力金を支払う方式なんですけど、これは、ちょっと、適切とは思えないので、これを機に見直しのきっかけになることを望んでいます。アメリカなどですと、『PPP(Paycheck Protection Program)』といって事業規模に応じた支援をしているんですね。あともう一つは、東京都の時短要請に対しては、98%の店が従っていて、逆に言えば、2%の店が従わなくて、2000店舗強あったということなんですけど、その中で見せしめ的に、この27店舗が選ばれたことは、“公平性に反する”ということで、こういう運用でもいいのかな?ということで、いい問題提起だと思います。
鈴村:2000店舗ある中で27店舗、しかも、それがグローバルダイニングだというのは、確かに、どうして何だ?というのは思いますもんね。東京都が時短命令を出したのは、今月18日、緊急事態宣言の解除が決まった日なんですけど、そもそも、なぜ、このタイミングで時短命令を出したのでしょうか?
宇佐美さん:東京都としても“出さざるを得なかった”ということだと思うんですよね。東京都は「時短要請に従わないことを公に発信した」ということを問題視しています。確かにこれを放置すると、次に時短要請が出ても「堂々と無視してもいいのか」と思われて、次の時短要請には従ってくれなくなるので、時短命令を出さざるを得なかったということだと思いますね。
鈴村:時短命令は、特措法に基づく措置なんですけど、今回の訴訟を踏まえ、どのように使っていけばよいと思われますか?
宇佐美さん:まず、大前提として、“感染拡大時の時短要請は必要なこと”だと思うんですよね。ただ、先ほど言った通り、適切な補償基準というものがどういうものなのかということを考え直すのは必須で、今回の裁判がそのきっかけになることが望ましいですね。次に時短要請を出すときには、きちんと規模に応じた補償を実現していくことがいいのではないかなと思いますね。
鈴村:一律補償になってしまって、そうじゃないやり方ができない理由というのは、どういったところにあるんですか?
宇佐美さん:日本だとマイナンバーみたいな制度が普及していなくて、すぐに、サッとお金を支給することができないので、あとは、税の情報なんかもきちんとデータ管理されているわけではないので、そういう意味では情報の集約化というのができていないということですね。
鈴村:なるほど。そこが肝になってくると。今後、そういう情報が集約されるようになってくれば、変わるかもしれないということですね。情報の集約化はやっていかなければいけないかもしれないですね。
そして、今日の #スズコメ はこちら。
"#リポビタンD TREND NET"
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 24, 2021
#スズコメ ① #ワンモ
『時短命令をめぐり、東京都を提訴』
時短命令が憲法に違反するとして
104円の賠償を求めるという訴訟を
起こしたという話題。
お金が欲しいという話ではなく、
営業自粛に対しての提案としての
この動き。
#スズコメ ② #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 24, 2021
原因は適切な補償がうまく機能していないのではないかと。実際不思議に思っていた部分もあって、協力金が一律なのはなぜだろう、協力金だけでやっていけないとなると、罰金を払ってでも営業を続けてしまう人は出てくるだろうなと思っていました。
#スズコメ ③ #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 24, 2021
こういう動きが出てくるのなら、適切な補償をしなければいけない。それでもなぜできないのか。お店の売り上げや税金のことを国が管理できていないというお話がありました。
これが管理されていれば、適切な金額をマイナンバーを使って振り込むことができる。
#スズコメ ④ #ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 24, 2021
そういうものがあれば、適切な補償につながるのではないかと。
今後こういうものをどう調整するかを議論して欲しいし、今後のために準備をしていくきっかけになってほしいなと。
訴訟をきっかけに建設的な話ができる社会であってほしいなと思います。