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24.04.29

転職エージェントの倒産が急増
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


「転職エージェントの倒産が急増」

吉田:東京商工リサーチによると人手不足にもかかわらず、去年の人材関連サービスの倒産件数が、コロナ前の2019年を4年ぶりに上回りました。転職エージェントなど職業紹介業の倒産は、2000年以降でコロナ前の2019年の4倍に急増しています。


ユージ:人手不足と時代的に言われていますよね。こういった時代になぜ、転職エージェントの倒産が増えているのですか?


神庭さん:気になりますよね。「職業紹介業」と一口に言っても、テレビCMをバンバン流しているような大手の転職エージェントやスカウトサービスから、中小までピンキリです。全ジャンルを網羅しているところもあれば、ITや医療、飲食、宿泊など特化している会社もあります。転職エージェントは候補者を企業に紹介して実際に入社が決まったら、年初の年収30%程度をもらうという形が一般的です。逆に言えば、クライアントの期待に応えるようないい人材を確保して安定的に転職に結びつけることができなければ商売は立ち行きません。東京商工リサーチは「クライアントの条件に見合う候補者を確保できない中小の職業紹介業は多い」「大手より体力の劣る小規模事業者は、難航する人材獲得の目途が立たずに、倒産に追い込まれるだろう」と分析しています。


ユージ:なるほど。CMに沢山出てるので勢いあるかなと思っていたのですが、好調なところばかりではないんですね。


神庭さん:ただし、データの見方で注意が必要な部分もあります。「職業紹介業の倒産件数が2019年から2023年は4倍に増えた」これは確かに事実ですが、件数ベースでみると4倍と言っても「4件」から「16件」に増えただけ。働き方改革総合研究所の新田龍代表は「転職エージェントの倒産が急増」というニュースに対して、民間の有料職業紹介所が全体で2万8,740件あることに比べるとわずか「0.05%」くらいの話だと疑問を呈しています。新田さんの持論は「マスコミが数を持ち出してきたら割合を見る、割合を出してきたら数を見る」というもので、今回も「4倍」という割合に対して「2万8,740件」という全体の数を見るとだいぶ印象が変わります。そこは冷静な分析が必要かなと思います。


ユージ:転職サービスの倒産について神庭さんはどう考えていますか?


神庭さん:僕が気になっているのは、なぜそういうニュースが受けるのか?というネットの空気感の方です。「転職エージェントの倒産が急増」というYahoo!ニュースのコメント欄には1,000件以上のコメントがつき、SNSでもかなり拡散されています。コメントを見ていくと、転職サービスに対する批判や不満の声がかなり多いです。そういう「それ見たことか」という気分も手伝って、この話題に注目が集まった面もあると思います。私自身、採用する側・採用される側、両方の立場で転職エージェントを使ったことがありますが、これはどうなんだろう?と思う部分も結構ありました。


吉田:例えばどんな点ですか?


神庭さん:採用する側で言えば、この方は確かにすごく優秀だけど明らかに今回の求人にマッチしてないよね?とか、あとはやはり費用感の問題もあります。採用される側で言うと「カジュアル面談」って何やねん!とイラついている人は結構いるかもしれません。企業側からすると、本格的な選考に進む前に自社のカルチャーにフィットするか見たい。そのために、まずはざっくばらんにお話ししましょうという狙いがあります。ただ、その辺りの事情を知らずに「ちょっとお話ししませんか」と企業に声をかけられて、まあ選考とかじゃなくてカジュアルに話すだけならみたいな軽い気持ちで行ったら、実際はほぼ面接。終わった後にあなたは不採用です」みたいなメッセージが届いたら、さすがに腹が立つし、傷つきますよね。企業にとっても転職候補者にとってもいいことがないので、「カジュアル面談」という言葉は変えた方がいいのではと思います。


ユージ:他に転職サービスの注意点はありますか?


神庭さん:転職サービスに登録すると、企業や転職エージェントの人からスカウトメールがたくさん届きます。それで「自分のところにもついにヘッドハンターが!?」と舞い上がってしまう人もいるかもしれませんが、そうとは限りません。なかには経営幹部が直接メッセージをしたためているケースもありますが、判で押したように同じ内容を一斉送信しているケースも多いです。クライス&カンパニー代表の丸山貴宏さんはダイヤモンド・オンラインの「転職で幸せになる人、不幸になる人」という連載で《誰にでも当てはまる内容の「ひな形メール」と、スカウト対象者の職務経歴書を読み込んだ上で書かれた「渾身メール」のどちらなのか》を見破る重要性を解説しています。スカウト内容をよく読んで、ダイレクトメール的な大量送信なのか、より真剣な内容なのかをしっかりジャッジした方がミスマッチが起きなくて良いと思います。


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