24.04.11
2024年度から1人1,000円徴収される”森林環境税”

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「2024年度から1人1,000円徴収される”森林環境税”」
吉田:2024年度から新たに「森林環境税」が住民税に上乗せされる形で徴収されます。対象者は日本国内に住所がある個人であり、一律1人あたり年額1,000円となっており税規模は約620億円が見込まれています。そこで今朝は、“森林環境税”について塚越さんに解説いただきます。
ユージ:塚越さん、「森林環境税」とはどんな税ですか?
塚越さん:今年度から自治体の森林整備などに必要な財源を確保するためということで、1人につき年額1,000円が徴収されます。納税義務者は、約6,200万人ということで、税収は1年で約620億円にのぼるといわれています。この「森林環境税」で集められた税金は、全額が国から都道府県市町村に「森林環境譲与税」として配分されます。各自治体はその税金を使って、間伐や林道の整備、林業の担い手の育成、木材利用の促進などを行います。簡単に言えば、森林環境税で国民から年1,000円を徴収して、それを「森林環境譲与税」として自治体に配分するということになります。
ユージ:似た名前の”税”が2つ並びますが、その「森林環境譲与税」とは、どういうものですか?
塚越さん:もともとは2015年のCOP21で採択された「パリ協定」にあります。ここで温室効果ガスの排出削減目標などが設定され、そこから2019年に森林環境税と森林環境譲与税が創設されました。ただし、森林整備は緊急の課題ということで2019年度からすでに国庫からの交付金として「森林環境譲与税」の配分は始まっています。前倒しで、国がお金を出しています。日本は、国土面積の約7割が森林を占める森林大国です。最近、木材価格が低迷したり、所有者がわからない森林の増加、林業の働き手不足が深刻な課題になっているので、国土の保全や水源の保護など非常に重要ということで導入されました。
吉田:では、森林環境譲与税の現在の使い道はどうなっているのでしょうか?
塚越さん:都道府県や市町村では、使い道を公表しなければなりません。実際に総務省のHPに掲載されている活用例として青森県西目屋村で、木質バイオマスを利用して道路の雪を溶かす、融雪の実施だったり高知県仁淀川町では、林業の研修制度による担い手の確保などがあります。他にも、人材確保のため防護ズボンや安全靴、ヘルメットといった物品購入費用の支援などに使っている自治体もあります。
ユージ:ただ森林が多い自治体は使い道がありそうですが、森林の少ない都市部では、どうでしょうか?
塚越さん:そうなんです。東京新聞が関東7都県や東京23区など、合計38ある自治体の2019〜2022年度までの使用状況を調べたところ、東京都や川崎市などは資金を100%使用する一方、さいたま市や東京の板橋区、豊島区といった10の自治体は半分も使っていませんでした。さらに、4年間で支出が0円だった大田区や渋谷区、台東区は約3億6,000万円の全額を基金として積み上げていて、今後の事業に使うということです。総務省の担当者は基金への積立も自治体の判断でOKだと言っているのですが、特に森林が少ない都市部で、使い道がないまま溜め込むのはいかがかということもあります。全国でみても2019〜2022年の4年間の予算使用率は、速報値で61.4%とあまり使われていません。自治体は、人材不足なのでお金を貰っても林業の担当者が色々やることが出来ない人材不足もあると思われます。
ユージ:自治体ごとの使い方に大きく差が出る「森林環境税」について、どう思いますか?
塚越さん:まずは配分の仕方に課題があるかなと思います。今年度からは自治体への配分基準も見直すということで、人口に応じた割合よりも森林面積の比重をより重視し、山間地により多く配分されるようにするとしてます。今は、森林面積の50%の比率を55%引き上げて、人口を5%下げるだけなので、根本的な解決にはなりません。山岳地に送ろうというのは、課題なのかなと思います。先ほども申し上げましたが、森林が多いところは自治体としても人材不足があるのでお金だけ渡してもなかなかそれで何をするかというのも実際2022年のNHKの報道でも担当者が人材が足りないと言っています。国からの支援もないのでありがたいけれども、どうして使っていいか分からないという話があります。そういった中で、実は我々1,000円年額払うということになります。この税金の使い道、これでいいの?と思います。だったら、もっと良い使い道があると思いますよね。税金を取るだけではなくて、実際どういう使い方をするのか我々もチェックしてこういった行動も含めて言っていかないといけない。それで圧力かけていくこともあって良い使い方をして欲しいなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 11, 2024
『2024年度から1人1000円徴収される”森林環境税”』…
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 11, 2024
外国から安い木材が大量に輸入されるようになったことで、国内で森林の放置が目立つようになったそうです。
とは言え、これらの森林を伐採するにも、林業は低賃金、重労働といったネガティブな印象が持たれているため人手不足に陥っていると考えられています。…
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 11, 2024
森林環境税の分配方法も重要だと思いました。
山間地と都市部では、森林面積と人口比によってどうしても費用にバラツキが生まれてしまいます。…