24.04.08
相続登記の義務化スタートで何がかわる?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「相続登記の義務化スタートで何がかわる?」
吉田:先週もご紹介しましたが、この4月から暮らしに関係する制度や仕組みがいろいろ変わっています。その中から今朝は、不動産の相続登記について取り上げます。私たちの生活にどんな影響があるのか、私たちが知っておくべきことを神庭さんに解説してもらいます。
神庭さん:まずは、どんな風にルールが変わったのかですが、親や親族が亡くなって土地や建物などの不動産を相続した場合、相続した人の名義に変更します。これまではこの相続登記は任意でした。それが、不動産を取得したことを知った日から「3年以内」に相続登記をしないといけなくなりました。正当な理由もないのに相続登記を怠った場合、10万円以下の過料が科されます。不動産の登記というと「この土地は俺のものだ!」「ここは私の家ですよ」という感じで権利としての側面が強調されてきたのですが、「ちゃんと相続登記をしなきゃダメだよ」という義務の部分が前面に出てきたという形です。
ユージ:義務化の狙いは何でしょうか?
神庭さん:「所有者不明土地」といって、適切な登記がなされず所有者が分からない土地や、分かっていても所有者がどこにいるかわからず連絡がつかないような「迷子の土地」が全国的に増えています。政府はここに危機感を持っています。所有者不明土地の割合は全体の24%にもなり、全部足し合わせると九州よりも広いと言われています。
神庭さん:不明地がそんなに広いんですね。
神庭さん:空き家リスクの温床でもあります。空き家が放置されれば周辺に危険が及んだり、美観を損ねる、治安が悪化するといったネガティブな影響もあります。公共工事や防災対策をしたくても、所有者がわからなければ立ち退き交渉もできないということになります。
吉田:そんな弊害があるんですね。
神庭さん:東日本大震災では、津波被害を受けた沿岸部から高台に集団移転する際に所有者不明土地が問題化しました。移転や区画整理をしたくても、所有者がわからないので用地取得が滞り、公営住宅の整備など復興が遅れてしまいました。問題は災害時に限りません。相続登記や遺産の分割協議をしないまま時代が経っていくと、相続する関係者がネズミ算式に増えていきます。中には相続人が100人以上いて、処分も売却もできないような物件もあります。
ユージ:だから、義務化ということですね。
神庭さん:そういうことです。政府は、所有者不明土地が生まれる原因として1つ目は、土地の相続の際に登記の名義変更が行われないこと。2つ目は、所有者が転居したときに住所変更の登記が行われないことの2点を挙げています。このうち1つ目の相続登記に関しては、この4月1日から義務化の制度が始まりました。2つ目の住所変更の登記についても、再来年2026年4月から義務化され住所変更から2年以内に登記をしないといけなくなります。正当な理由なく申請を怠れば、5万円以下の過料。引っ越す度に登記が必要となると、転勤族の方は大変です。再来年から始まる住所変更の登記義務化の方がより影響範囲が大きいかもしれませんね。
ユージ:住所変更の登記も義務化になるんですね。ちなみに、相続でモメて相続登記がなかなかできないケースもあると思いますが、それでも10万円取られますか?
神庭さん:そういう場合は救済措置もあります。争う方の「争続」になってしまって、なかなか遺産分割の協議が進まない場合や、先ほど言ったように適切な登記がなされていなかったせいで、相続人が多数にのぼり1人1人とコンタクトがとれないケースもあり得ます。こういったケースでは、「相続人申告登記」という手続きをすることで、ひとまずは義務を果たしたことになり、10万円の過料を科されることはなくなります。ただし、遺産分割協議が成立したら、その後3年以内に相続登記をする必要があり、結局2度手間になってしまいます。相続人申告登記をしたからといって、将来の相続登記まで免除されるわけではないので注意して欲しいなと思います。
吉田:相続登記の義務化でDV被害者などに影響は出ないのでしょうか?
神庭さん:不動産登記は公的な情報なので、氏名や住所が記載され誰でも閲覧できるようになります。ただ、そうなるとDVやストーカー、虐待の被害者などで身元を隠したい人からすると不安だということです。産経新聞などによると、以前もそうしたケースでは閲覧を制限する対応をとっていましたが改正後は書類に弁護士や被害者支援団体の住所、法務局の所在地を記載してもOKになったということなのでそこは安心してください。
ユージ:今回の「相続登記の義務化」について課題はありますか?
神庭さん:不動産が負ける方の「負動産」となり、資産というよりは負債扱いで処理に困るケースが増えています。だからこそ国は権利というより義務として考えましょう、「守らなければ10万円な」という「北風」的な政策を打ち出しています。それはそれでいいですが、北風だけじゃなくて太陽も必要かなと思っています。相続にあたっては、亡くなった人の生まれてから死ぬまでのすべての戸籍を集める必要があり、これがすごい大変です。最近最寄りの役場でまとめて取得できるようになるなど、少しずつ便利にはなってきているのですが、まだまだ手間がかかります。負担が大きすぎるから、登記を敬遠して所有者不明土地が増えるというのがこれまででした。住所変更の登記にしても、マイナンバーと紐付けて自動で変更できるようにするなど、もっと手続きを簡略化して国民の負担を減らしていただきたいなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 8, 2024
テーマは「相続登記義務化スタート」
現在日本では、所有者が不明の土地や持ち主と連絡の取れない土地が全国的に多くあります。
所有者不明土地による空き家増加のリスクの軽減や、治安の悪化を防ぐために今月から、相続登記の義務化が始まりました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 8, 2024
今までは任意だったものの、義務化されたことによって
「不動産を取得したことを知った日」から3年以内に
相続登記をする必要があります。
罰則もあり、正当な理由もなく相続登記を怠った場合、
10万円以下の過料が科されてしまいます。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 8, 2024
しかし登録手続きや名義変更など「相続登記」の手続きは大変です。
そのため少しでも手続きをしやすくなるようにマイナンバーの紐付けなどを活用して簡略化できるといいと思いました。#ワンモ