24.03.27
Apple、生成AI専門の人材を年収4,500万円で採用 その背景は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「Apple、生成AI専門の人材を年収4,500万円で採用 その背景は?」
吉田:アメリカのAppleが生成AIの分野で巻き返しに動いています。生成AI専門の人材には、年4,500万円近い基本給を提示して、獲得に力を入れているということです。塚越さん、まずはこの「年収4,500万円の人材」について、詳しく教えてください。
塚越さん:日経新聞の記事では、Appleは生成AIに詳しい技術者に年17万〜30万ドル、およそ2,550万〜4,500万円の基本給を示してライバルの引き抜きにも力を入れると報道しています。アメリカのIT業界とはいえ、やはり高額ですよね。実はApple、2月28日の株主総会で生成AIに力を入れると強調しています。Appleは秘密主義で開発中のプロジェクトを公に口にすることはないので、珍しいことです。逆に言えば、「焦っている」とも言えます。というのも、MicrosoftやGoogleといった大企業が生成AIの開発を進める一方、Appleはこの分野で一歩遅れています。音声検索のsiriに生成Aiの機能をつけたなど聞かないですよね。
ユージ:確かに、siriという機能だけでみると速かったなという気はありますけど、そこからの広がりがあんまりですよね。
塚越さん:例えば最近の生成AIの開発は、文章だけでなく画像や音声、動画といった複数のデータを同時に処理できる「マルチモーダル」という技術が注目されています。例えば生成AIに料理の画像をみせて「レシピを教えて」と言うと料理のレシピを教えてくれたり、またいわゆる「ちょいたし」するとおいしい調味料を教えてくれるなど、画像から色々と考えてくれるのがマルチモーダルです。こういった機能は、生成AIに求められている機能ですが、Googleが発表した「Gemini(ジェミニ)」という生成AIモデルは、まさにこのマルチモーダルをアピールしています。
吉田:Appleが生成AIの分野で巻き返しに動いているのは、どういった背景があるのでしょうか?
塚越さん:さきほどのマルチモーダルもそうですが、とにかく昨今はAIを利用した新しいサービスを搭載したスマホも多く、Appleの牙城である「iPhone」を追撃しています。例えばAIの分野では、Appleと世界シェア首位の座を争っている「Galaxy」で有名な韓国のサムスン電子が今年1月、通話中の会話をリアルタイムで翻訳する機能を搭載した、新型スマホシリーズをアメリカで発売(Galaxy S24)。精度が高ければ海外旅行などで特に需要があるかなと思います。あるいは、Googleが自社でつくる「Google Pixel」というスマホに、カメラで撮影した写真に写っていない部分を自動で生成したり修正ができる「マジックエディター」という生成AIを利用した機能を搭載しています。生成AIはかなり勢いがあり、香港の調査会社によるとスマホ市場全体に占める生成AI対応機能の割合は、2024年は8%ですが3年後の2027年には40%になるのではないか。出荷台数も年間5億台を超えると予想しています。そうすると、他社が生成AI機能を打ち出す中で、ブルームバーグの報道では、iPhoneにGoogleの生成AIモデル「Gemini(ジェミニ)」を搭載することを協議しているということです。Appleでもつくるけど、Googleとも提携するかもしれません。
ユージ:スマホに生成AIを搭載する動き、塚越さんは、どうご覧になっていますか?
塚越さん:スマホは世界市場で飽和状態になっています。スマホも10万円以上する高価格帯から2~3万円の低価格帯で出ています。利益率の高い高価格帯を売るには新たな機能が必要ということで、生成AIが注目されているということです。Appleは最初iPhoneがすごかったということで、2007年の初代発売から圧倒的な新しさでシェアを取って、その後はiPadやMacBookといったパソコンと連動してApple経済圏をつくってきました。それだけだと、ちょっと厳しいということになってきています。新しいものがあまり搭載されていない、VisionProというゴーグルを出しましたが、値段も50万円くらいで普及するにはまだまだ時間がかかります。さらには、Appleは長年「Apple Car」という自動車開発プロジェクトがありましたが、これも修了する方針という報道もあります。スマホに代わるデバイスがないので、Appleであれ他社であれ、スマホに力を入れるのは必然かなと思います。
ユージ:生成AIが搭載されることによって、今後スマホはどうなっていくのでしょうか?
塚越さん:生成AI色々言われていますけど、どう使うかは先ほど話したマジックエディタもありますが、もっと新しくて面白い使い方をAppleもそうですし他の会社もみんな考えています。そうしないと、購買意欲が生まれない。スマホを買ってくれないということになります。Appleは「Think different(発想を代えろ、違う考え方をしろ)」を掲げて、違う考え方をして新しいものをつくれと言われてきました、そういったものをどんどん出していかないといけません。消費者には、そういうことが求められていると思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 27, 2024
「アップル、生成AI専門の人材を年収4500万円で採用 その背景は?」について…
#ユジコメ②…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 27, 2024
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 27, 2024
仮にアップルが優秀な人材を確保できたとして、今後 生成AIによってどういうことが実現可能なのか非常に興味深いです。どこまで新しい切り口で、どこまで我々にとって「これはあって良かった!」という機能やシステムが生まれるのか注目です。#ワンモ