24.03.21
政府が”中堅企業”の成長を後押し

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「政府が”中堅企業”の成長を後押し」
吉田:政府は、今の通常国会に従業員が2,000人以下で中小企業には該当しない企業を新たに「中堅企業」と定義することを盛り込んだ、産業競争力強化法などの改正案を提出しました。持続的な賃上げの実現に向けて、中小企業より規模が大きく、雇用の受け皿になっている「中堅企業」の成長を後押ししようと、補助金や税制優遇などの支援パッケージを取りまとめました。そこで今朝は、”中堅企業”について塚越さんに解説いただきます。
ユージ:塚越さん、大企業と中小企業は、分かります。「中堅企業」は、あまり耳馴染みのない言葉ですが何でしょうか?
塚越さん:法令の定義では、大企業は従業員が2,000人以上で中小企業は300人以下。新しく定義される「中堅企業」はこの間の300人以上2,000人以下というものです。中堅企業は大企業と比べると規模は小さいですが、独自の技術や製品をもっていることも多く、上場はしていないけど特定の業界では競争力をもっているのが特徴です。対象となるのはおよそ9,000社で、海外向けというよりは地域に根ざした企業が多いとのことです。例えば「ガリガリくん」で有名な赤城乳業等が該当するということです。
ユージ:専門的な技術や人気のオリジナル製品を持った地方の企業や、新たなイノベーションを打ち出すスタートアップ企業も中堅企業に入ってきそうですね。
吉田:政府は、なぜ「中堅企業」を定義して支援を打ち出したのでしょうか?
塚越さん:一言で言えば、支援対象になることが少ないということです。中小企業は社員300人以下で資本金3億円以下。それ以外は大企業とされています。中小企業向けにはコロナ禍でも実質無利子無担保の融資などがあったのですが、中堅企業はそうした政策には当てはまらないかといっても、大企業ほどの力はないということです。中堅企業から大企業に成長する割合は多くないのですが、政府としても法律や政策面で中堅企業を支援して、日本経済を牽引して欲しいと考えています。これによって賃上げや地方の人手不足解消、地域経済の底上げを狙うということです。
ユージ:番組でも、地方の人手不足の問題を取り上げたりしましたが、その解消と地域経済の活性化というのは、これからの日本経済にとって重要な鍵になってきそうですよね。
吉田:では、今回まとめられた支援パッケージの内容はどうなっていますか?
塚越さん:色んな支援パッケージがありまして、190の制度があって包括的なものがあります。大きく分けると4つあります。1つ目が、投資に関するもので工場整備といった大規模な投資に対する最大50億円の補助です。地域課題の解決やデジタル化への支援もあります。2つ目が、雇用に関するもので賃上げを4%以上行った場合、大企業を上回る税制優遇(大企業は7%以上が対象)だったり、非正規雇用の労働者を正規雇用にする場合の助成など、リスキリングや地域における人材育成の支援などもあります。3つ目は、グローバルやインバウンドといった外需獲得に関するもので、海外輸出に関わる設備などへの支援などもあります。4つ目が経営基盤の強化整備に関するもので、新事業展開に関する支援などです。非常に多くの支援策があります。
ユージ:塚越さん、今回の中堅企業の支援、経済の活性化に繋がると思いますか?
塚越さん:昨今の賃上げのニュースは基本的に大企業のものが多く、それでも日本全体の実質賃金は下がっているという課題があります。また大企業は大きいからこそ、俊敏な動きが難しいところもあります。そういう意味では、「中堅企業」が果たす役割に着目して支援するのは良いかなと思います。特定の業種に特化して数百億の売上があって、場合によっては海外シェアも持っているなど。そういったところが支援によって伸びれば結果的に、地元の企業も多いのでそういったところの雇用にも貢献できます。一方で、中小企業への支援も引き続き必要になります。そして支援は限りある財源で行うので、今回のパッケージでどのくらい効果があったかをきちんと測定して、大中小の企業支援のあり方をみていく必要があります。今回は、「中堅企業」を定義することで私たちにとっても分類が分かりやすくなるということ。そして、同時に政策としても検証していき、どういう支援のものだと、この効果があるなどそういうものを検証していって効果的なものをうつために今回は分類をきっちりして我々にとっても見やすくしたと考えることができます。
ユージ:塚越さんの言う通りで今まで大企業と中小企業とざっくりした分け方で、すごい開きを感じていました。間にもう1つ設けるとか、僕からすると中堅企業は300人以上、2,000人以下それでも幅広いなと思います。今後は、もっと分類されていってもいいのかなと思いました。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 21, 2024
『政府 が”中堅企業”の成長を後押し』
これまでは「大企業」と「中小企業」の2通りに分けられていました。
賃上げのニュースは大企業が多く、中小企業と比較すると、成長を後押しするための支援策などにも大きな違いがありました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 21, 2024
今回、大企業と中小企業の間に「中堅企業」という区分が追加されたことで、大企業には及ばないものの、地域を支える大きな会社や重要なポジションを担う可能性を秘めた会社などを後押しするための支援策が設けられたことは良いことだと思いました。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 21, 2024
ただし中堅企業の定義は、従業員数が300人以上2000人以下とされており、これでもまだ幅が広いと僕は思うので、今後は事業内容などに応じて区分をさらに細分化することで、それぞれに合わせた支援策ができたら良いなと思いました。#ワンモ