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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.03.18

春闘、満額回答が相次ぐ中での初任給アップと金融政策決定会合
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「春闘、満額回答が相次ぐ中での初任給アップと金融政策決定会合」

吉田:2024年の春の労使交渉「春闘」は先週、集中回答日を迎え、大手企業で満額回答が相次ぎました。そうしたなか注目なのが、初任給引き上げのニュースです。そして、今日から始まる金融政策決定会合です。まずは、今回の春闘の総括から神庭さんお願いします。


神庭さん:春闘とは、企業の労働組合が経営側に賃上げを求めて交渉することです。毎年2月頃に労組が要求を出し始めて、3月に会社側の回答が出ます。労働組合の中央組織である「連合」が最新のデータをまとめています。15日午前10時までの中間集計によると、経営側から回答があった771の組合の定期昇給分も含めた平均は月1万6,469円アップ。賃上げ「率」で見ると5.28%の上昇です。このまま最終集計でも賃上げ率が5%を超えれば、1991年以来、実に33年ぶりのことです。


吉田:そうした賃上げの動きが広がるなか、TOKYO BASEなどの初任給引き上げもニュースになっていましたね。


神庭さん:衣料品のセレクトショップ「STUDIOUS」などを展開するTOKYO BASEは、今年4月以降に入る新入社員について初任給を30万円から40万円に引き上げると発表しました。谷正人CEOは、ファッションスナップのインタビューで「日本一の給与にしないと、日本一の会社にはなれない」「グローバル基準に合わせて考えると、40万円は決して高くはない」などと語っていました。以前に番組でも取り上げた通り、人手不足で就活生にとっては強烈な売り手市場になっています。企業からすると優秀な人材を確保するためには新卒の待遇をドンドン良くしていかないと学生に振り向いてもらえないという背景があります。


ユージ:僕は、これを見た時にいいじゃないと思いました。こういう企業がどんどん出てくるといいなと思っていました。新卒初任給40万円はすごいですよ。


神庭さん:当初は好意的な意見も多かったです。ちょっとミソがついてしまって、40万円の内訳を詳しく見ると基本給20万3,000円、月80時間分の固定残業代17万2,000円含まれていました。求人広告には一応「固定残業代は残業がない場合も支給し、超過する場合は別途支給」と書かれてはいますが、月80時間というと残業の過労死ラインにもなるため、ネット上では「ブラックだ」と批判を浴びてしまったわけです。


ユージ:なるほど、残業代込みの40万円だったんですね。


神庭さん:そういうことです。J-CASTニュースは、労働問題に詳しい深井剛志弁護士に取材し、こんなコメントを掲載しています。「そもそも法律で45時間までしか働かせてはいけないと決まっているのに、それ以上働かせることを前提にした固定残業代を設定して、実際には80時間働かせないから有効です、というのはおかしい話」と話していて、それはそうだよね、という感想です。今後も賃上げのニュースなど多く出てくると思いますが、「基本給」ベースの部分がどれくらいの金額なのか?という点はしっかり確認していただきたいなと思います。


ユージ:この春闘の賃上げの動き、今日から始まる金融政策決定会合にも、影響ありそうですか?


神庭さん:ありますね。金融政策決定会合というのは、日本銀行の政策委員たちが名前の通り、金融政策の方向性を話し合う会合です。これまでマイナス金利でじゃぶじゃぶの金融緩和を続けてきた日銀が、いよいよ今回マイナス金利を解除するのではないかと報じられています。日銀の植田和男総裁は原油・原材料高などコストプッシュ型の輸入物価の上昇を「第一の力」、賃金の上昇を「第二の力」と位置付け、第一の力から第二の力へと徐々にバトンタッチを進めることがメインシナリオだと考えていきました。国会でも春闘の動向が「大きなポイント」だと答弁していたので、春闘の中間結果を受けて、「第二の力」への移行、賃金と物価の好循環を進める環境が整ったと受け止めているのではないかと思います。会合が始まる前から、ほぼすべてのメディアが「マイナス金利解除へ」と報道しています。こんなに情報ダダ漏れでいいのかという話もありますが、もともと年内解除は織り込まれていたので、マーケットが動揺して株価が急落したりしないようにアドバルーン的に情報を小出しにしているのではないでしょうか。


ユージ:この一連の動き、神庭さんはどう見ていますか?


神庭さん:いつも言っているように、日本企業の99%は中小企業です。大企業の賃上げ良かったね、めでたしめでたしではなくて中小企業が賃上げできるように価格転嫁しやすい環境をつくっていかないといけません。公正取引委員会は最近、下請け業者などからの価格転嫁の交渉に適切に対応せず価格を据え置いたままにしたということで、10社の社名を公表しました。その10社のなかには、京セラやダイハツ工業、三菱ふそうトラック・バス、イオンディライトといった大企業も含まれています。賃上げが良いこと・偉いというふうになりがちですが、自分の会社だけ待遇を良くすればいいよということではなくて、自社の取引先も含めた環境改善というか、賃上げに貢献できるように日本全体の経済の好循環を考えていくことが大切じゃないかなと思います。


ユージ:先ほどの初任給40万円の例でいうと残業代もなく純粋に40万円からスタートするところが出てきたら、それはそれでいい流れが生まれてくるんじゃないかなという気がしますね。


神庭さん:そういう企業がどんどん出てきて欲しいですね。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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