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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.03.14

離婚後の"共同親権"は家族関係の多様化につながるのか?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「離婚後の"共同親権"は家族関係の多様化につながるのか?」

吉田:離婚後にも父親、母親、双方が親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案が先週、国会に提出されました。今日の衆議院本会議で趣旨説明をし、質疑を行う予定です。そこで今朝は、「離婚後の"共同親権"導入」について、塚越さんに解説いただきます。


ユージ:まずは、塚越さん「親権」について教えてください


塚越さん:親権は、成年に達していない子どもの世話や教育、子どもの財産管理を行うために、父親、母親に認められる権利および義務のことを指します。親権は子どもの利益=幸せを最優先に考えて行使すべきとされ、子どもが18歳の成人になるまで行使できます。基本的には、婚姻関係が成立している両親は共同親権になります。


ユージ:その親権を、両親が離婚した後にどうするのか?というのが、今回の改正案の話ですね。


塚越さん:今の日本の法律は両親が離婚したり、あるいは事実婚のような場合は、父親か母親の一方が親権を持つ単独親権しか認められていません。今回は両親が離婚しても、協議してどちらも親権が持てるようにするということになっています。改正案では、協議離婚の場合に親権を単独か共同にするか決めるのですが、合意できない場合は家庭裁判所が一方の親に虐待やDVがないかなど、「子どもの利益」を考慮して単独か共同親権かを判断するということです。また法の施行前に離婚が成立していても、裁判所に親権変更を申し立てて認められれば、単独から共同に変更も可能になります。


吉田:離婚後の”共同親権”導入のメリットは何でしょうか?


ユージ:この問題は賛否が分かれているのですが、まずメリットは親権争いによる子どもへの精神的負担を軽減できることです。離婚後もお互いが協力して子育てするので、負担が偏らなくなります。どちらか一方と生活を共にしても、離婚後の面会交流のトラブルが少なくなると言われています。基本的に共同親権は子どものことを父と母で話し合うのですが、進学を公立か私立かといった重要事項では、両親の意見が折り合わないと裁判所が判断することになります。ただ日常生活のようなこととか、緊急手術のような急ぎの場合は一方の親だけで判断できるようにするとのことです。養育費については、取り決めがなくても子どもと同居している親が別居している親に養育費を請求できる「法定養育費制度」を創設し、支払いが滞った場合は財産差し押さえなどができるようにするということです。


ユージ:そんな共同親権ですが、導入反対の声も上がっていますね?


塚越さん:DVなどで離婚したケースは単独親権でDVした側は関わらない方がいいわけですが、現在の日本では、密室で起きるDVは証拠を出せないことや暴言だったり精神的なDVの場合は、裁判所が判断できない場合もあります。そんな中で共同親権が認められてしまうと、加害者に住所等を知られたり、あるいは引っ越しひとつとっても許可制になって、一方の親から反対されることもあります。離婚を第三者(裁判所)が裁くので、どうしても円満にはならないことが多くなるのですが、こういったリスクも考える必要があります。また共同親権になった場合、一緒に住んでいない親が異議申し立てをすることが増えて、家庭裁判所の業務が圧迫されることも予想されます。アメリカでは一方が法的な申し立てを連発することが問題にもなっています。legal abuse(法的虐待)があると言われています。両親の関係が悪い場合、やはり対立が多くて子どもについての決定がこじれる可能性があり、賛成派の意見である「協力した子育て」が、むしろ難しくなるという意見もあります。さらに言うと、調停や親子の面会をサポートする民間の第三者機関にも、運用面で混乱することが考えられます。


ユージ:塚越さんは、離婚後の共同親権の導入についてどう思いますか?


塚越さん:私は、今の状況で適切に運用できるかというとやはりマイナス面の方が多いと思いますね。未成年の子がいる夫婦の離婚件数は年間およそ10万件で、子どものことを考えば非常に重要な問題です。例えば、共同親権を導入しているドイツだと養育費の支払いには刑事罰が課されるなど、払わないと刑事罰になるとかもっと厳しくしています。日本も厳しくしていると話していますけど、もっと厳しくする必要があります。アメリカの場合は、離婚する時に養育計画書を裁判所に提出する必要があり、細かく厳しく決めます。そういうことをしないと、共同親権のマイナス面が大きくなってしまう懸念の方が僕は強いかなと思います。逆に言うと、最初から両親が円満離婚で合意した場合にのみ「共同親権」を与える方法もあります。実際は対立したり、DVなどで離婚する人も多いので、そういう人達にとってはむしろマイナス面が強くなる可能性があります。あとは、この法律は子供の意見を尊重することが大事になっています。どこまで子供の意見を尊重できるのかということもありますし、家庭裁判所の人員ももっと増やさなければいけませんし、その辺り子どもの意見を尊重することを念頭に議論するならもっとやらないといけない問題だと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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