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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.03.13

日産自動車の下請法違反 中小企業の賃上げへの影響は?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「日産自動車の下請法違反 中小企業の賃上げへの影響は?」

吉田:日産自動車が、下請けの部品メーカー30社余りに対し、納入する時に支払う代金を合わせておよそ30億円、一方的に引き下げていたことが下請法に違反するとして、公正取引委員会は先週木曜、日産自動車に対し再発防止などを求める勧告を出しました。塚越さん、この下請法違反について、教えてください。


塚越さん:公正取引委員会によると、日産は2021年1月〜2023年4月の間で、タイヤホイールやエアコンといった部品をつくる全国36の下請け業者に納入代金を支払う際に、発注時に決めた金額から支払いを3〜5%減額していました。この減額分は「割戻金」や「一時金」といった名前にして、日産側が決定していました。36の下請け業者のうち、6社の減額分は1億円を超えていて、中にはおよそ11億円も減らされた業者もいたということです。日産は、日産本体の収益向上が目的でこうしたことを行っていて、前年度の納入価格を基に減額割合の目標値を設定するだけでなく、社員ごとの目標の達成状況もチェックしていました。つまり、違法な減額を最初から組織ぐるみで行っていたことになります。下請け業者は、減額要求を断ると「それはありえない」と圧力をかけられた業者もあったとのことです。また、強く出ると取引が打ち切られる可能性もあり、減額は拒めない状況でした。同時に、日産の担当者は「長年続いてきた手法で、違法性の認識はなかった」と述べています。これは、違法な減額が習慣化=当たり前になってしまっていたということが読み取れます。今回のおよそ30億円の違法な減額は、1956年に下請法が施行されたから認定額としては最高とのことです。日産は違反を認めて、今年1月末に各業者に減額分を全額支払いました。ただ違法と認定されたのは2年程度ですが、同様の行為は遅くとも1990年代から続いていたとみられているので、こうした違法行為が常態化していたことがうかがえます。


吉田:読売新聞は「大企業による下請けいじめは横行している」と報じていまして、日産以外の会社でも問題になっているようですね?


塚越さん:そうですね。読売新聞によると、自動車業界では他にも、マツダが2008年と2021年に違法減額で公正取引委員会から勧告を受けて、2022年度の自動車業界に対する指導件数はおよそ200件ありました。また、全業種への勧告指導件数は過去最多の8,671件となっています。政府は高騰する材料費等を価格転嫁、つまり適正な価格に引き上げる取り組みを進めて、中小企業の賃上げを狙っています。なので、公正取引委員会もこうした大企業と下請けの取引をチェックしており、去年11月には労務費(製造コスト)の適切な転嫁に向けた指針も、内閣官房との連名で作成しています。そうした中で2022年12月、下請け業者と協議しないで取引価格を据え置く、つまり値上げ交渉等をしなかったとして、佐川急便やデンソーといった13の企業団体を公表する異例の措置も実施しています。また昨日のニュースですが、コストコホールセールジャパン株式会社も2021年11月~2023年12月にプライベートブランドのケーキや総菜をつくる下請け業者、計23社に3,550万円の支払代金を下げていたということもあって、公正取引委員会から勧告を受けているとのことです。公正取引委員会は、有利な立場で下請け業者に不利益を与えていないかを調べる「優越Gメン」も2022年に設立しました。最初は16人だったのが現在は67人、来年度は100人に増員するとのことで公正取引委員会の幹部は、習慣化している下請けいじめを一掃する必要があるので、不当な圧力を受けた中小企業は情報提供をして欲しいと述べています。


ユージ:この問題、塚越さんはどうご覧になりましたか?


塚越さん:まずは、日産だけの話ではありません。すべての業種に関わる問題です。商習慣の中に、こういったものができてしまっています。日経新聞は、こうした不正が長期的なデフレ状況をつくり、賃上げを抑止してきたのだと指摘しています。つまり、下請けに我慢してもらうことで低価格を維持して、それがデフレだったり、賃上げになっていないとのことです。とにかく変えましょうということで、先ほど挙げたデンソーや佐川急便は、社内で価格転嫁に関して監視する社内の組織を立ち上げています。価格協議を行って、取引先からの要請を金額ベースで85%受け入れたということになっています。違法な商習慣を止めましょうということで少しずつ価格転嫁、つまり下請け業者が価格設定を上げることができるようになってきたということです。こういうのは、短期的な業績や社員の成績を意識させすぎると不正が生じやすくなるので、人を追い詰めないということが大事です。宅配便などゆっくりいいですよね。そういうことで、納期なども急ぎすぎないことが大事です。違法に価格を下げることは良くないと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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