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24.03.12

クオータ制導入の是非
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「クオータ制導入の是非」

吉田:政治分野の男女格差を是正するため、「クオータ制」の導入を訴える団体が先週、国会内で集会を開きました。神庭さん、「クオータ制」について、改めて教えて下さい。


神庭さん:クオータとは、ラテン語で「分担」「割り当て」を意味する言葉です。クオータ制というのは、男女格差の是正のために、役職の一定の比率を女性に割り当てることをいいます。政治の分野で言えば、議席の一定数を女性に割り当てる方式、候補者段階で性別の割合を一定にする方式、政党の自主ルールに委ねる方式など様々なやり方があります。内閣府男女共同参画局の資料によると、世界196の国と地域のうち、6割にあたる118カ国の国政レベルでクオータ制が導入されています。欧米やアフリカではクオータ制をとっている国が多く、アジアは少ない傾向です。


ユージ:クオータ制が導入されていない日本の政治の世界では、女性の割合が少ないことが前々から課題として挙げられていますよね?


神庭さん:衆議院に占める女性の割合は10%、参議院は少し高くて26%。ニュージーランド48.3%、スウェーデン47%、フランス39.5%、こういった国々と比べるとかなり低いということで、衆院だけの数字でみると190カ国中165位、衆参合わせても140位にとどまります。


吉田:地方議会はどうなのでしょうか?


神庭さん:似たようなものです。都道府県議会の女性比率は11.8%、市区町村議会は15.1%。都道府県議会レベルで女性が1人もいない県はさすがにありませんが、市町村議会だと全体の15.8%にあたる275の議会が「女性ゼロ議会」となっています。


ユージ:ゼロ。結構びっくりですね。


神庭さん:有権者の半分が女性だと考えると、かなり寂しい数字です。こういったお寒い状況もあって、クオータ制導入を求める声があがっているわけです。


吉田:そういった現状に対して、各政党はクオータ制の導入についてどう考えているのでしょうか?


神庭さん:少し古いデータですが、2022年参院選に際してビジネスインサイダーが主要政党にアンケートしたところ、公明・立憲民主・国民民主・共産・れいわ、社民がクオータ制に賛成。自民、日本維新の会、NHK党が反対と回答しました。自民党はクオータ制には反対していますが女性議員を増やしたくないわけではなく、足もと11.8%の女性議員比率を10年後に30%まで増やすことを目指しています。また、自民党内も一枚岩ではなく、野田聖子議員、稲田朋美議員、石破茂議員らクオータ制に前向きな発言をしている議員もいます。


ユージ:一方で、反対している人達の意見としては、どういった声がありますか?


神庭さん:よくある批判意見としては「性別に関係なく、能力実力で登用するべき」「男性に対する逆差別になりかねない」「女性に下駄を履かせるのは不公平」といった声があります。また、クオータ制導入の前に、女性が立候補しやすくなるような環境整備をまずやるべきだといった意見もあります。


ユージ:日本でなかなか女性議員が増えない理由は何かあるのでしょうか?


神庭さん:票ハラスメント、票ハラといって選挙活動中に体を触られる。握手をしたまま手を離してくれない。卑猥な言葉を投げかけられる。連絡先を教えろと迫られる。一緒に飲みに行けば票を入れると誘われるといったハラスメント被害を受けた経験を持つ女性は少なくありません。クオータ制以前の問題として、こういうものは撲滅していかないといけない。安心して立候補もできませんよね。


ユージ:それはそうですよね!すごいハラスメントですね。


吉田:女性議員が立候補しやすい環境にするためにはどうしたらいいのでしょうか?


神庭さん:例えば、自民党は女性を増やすための施策として選挙区では原則公募で候補者を選ぶ、衆院比例代表の上位に女性を置く、女性候補者の支援金制度を創設する、ベビーシッターや一時保育利用料の負担をする、ハラスメント、ストーカー対策の強化などの対策を掲げています。非常にいい取り組みなので、どんどんやったらいいと僕は思います。


ユージ:女性議員を増やす対策の1つとして、クオータ制があるわけですがクオータ制について、神庭さんはどう思いますか?


神庭さん:女性の衆院議員はたった10%。有権者の半分の50%に近づけていくためには、一定の強制力としてクオータ制が必要じゃないかなと思います。圧倒的に女性が少ない状態で、まだ「逆差別」を議論するような段階にもきてないと思います。男女の話でも政治の話でもありませんが、アメリカのハーバード大学で黒人を優遇して入学者を選抜してきたことでアジア系の受験生は長年、不利な立場に置かれてきました。アメリカの連邦最高裁は昨年、法の下の平等に反する判断をしました。これは典型的な逆差別で、始めた当初は一定の意義があった制度でも、何十年経って制度疲労を起こして役割を終えるということはあると思います。クオータ制に関しても、将来的に女性の候補者が増えすぎて男性が圧倒されるような事態になったら、真剣に逆差別について議論すればいいし、クオータ制も廃止すればいいと思います。政治の世界以外に目を向けると、自衛隊や警察が男性ばかりなのは不平等じゃないかとか、イスラエルやスウェーデンでは女性も徴兵しているぞ、とか色々言いたい人もいると思います。それがいいのか悪いのかということも含めて、平等とは何なのか?どういう社会を目指すのか?タブーなく議論していくことが大切ではないかと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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