24.02.07
ネット炎上、2023年度は330件。最近の傾向は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「ネット炎上、2023年度は330件。最近の傾向は?」
吉田:企業のインターネットでの風評被害や誹謗中傷を解決するサービスを提供するネクストリンクは、2023年下半期の炎上事例データなどをまとめ、先月30日に発表しました。2023年度の炎上件数は330件だったということです。塚越さん、この炎上事例データから「ネット炎上」についてどのような傾向が読み取れますか?
塚越さん:このネクストリンク社は、2015年からネット炎上に関するデータを収集してきました。炎上の定義ですが、この会社では「国内ニュースSNS掲示板にてネガティブな発言がされた」としています。炎上のメカニズムは、これまでと変わらず、問題となる発言や投稿が行われ、それがSNSなどで拡散。拡散された情報に他者からの賛否を含めたものが、ネットニュースやメディアに取り上げられて、さらに炎上というものです。ただし、近年はSNSの拡散からメディア(要するにテレビ等)で取り上げられることが増えて、炎上までのスピードが早くなってきました。また、炎上発生はやはりXが多く、全体の37%がXの発信です。続いてテレビが19%、YouTubeが18%とこの3つがほとんどでとりわけXに良くも悪くも注目が集まっていることが分かります。
吉田:「ネット炎上」の最近の傾向、他にもありますか?
塚越さん:炎上の内容ですが、まず全体のおよそ3割は「不適切発言・行為、失言」で、炎上する理由といえば分かりやすいですよね。ただ、もっとも多いのは全体のおよそ7割を占めている「顧客のクレームや批判」です。例えば、あるスポーツ選手が試合に負けた次の日に夫婦で笑顔の写真をアップして、「空気読め」とか「浮ついているから試合に負けるんだ」といった批判で炎上するというケース。明らかな失言とかではなく、ある意味問題を粗捜しするユーザーなどからのクレーム批判が炎上原因として目立つと、この会社は分析しています。
ユージ:すごい分かる!ありますね。
塚越さん:「不謹慎」という言葉はよく聞きますが、それこそよく考えると定義が難しいですよね、人によって違うので。だからこそ、一回空気がつくられると予想以上に大きな炎上になってしまうということです。
ユージ:ネット炎上は色々な種類や業種があると思いますが、どのような業種が多いのでしょうか?
塚越さん:上半期と同様に、娯楽業がおよそ6割とダントツに多いです。芸能人やユーチューバーといった「有名人」が多く、目立つということもありますが、有名人への批判は仕方ないなど、いわゆる「有名税だ」といった解釈をしてしまうユーザーも多いです。本当はそんなことはないですよね?
ユージ:関係ないですよね。同じ人間ですから、我慢しろっていうのはおかしな話です。
吉田:傷つくときは、傷つきます。
塚越さん:他にも政治家が関連している炎上も上半期は10件だったのが、下半期は24件と増加傾向にあります。特に去年の下半期は色々ありましたけど、全体的に政治に対する不信感や不適切な発言からくるものが多かったのかなと思います。
ユージ:ネット炎上の件数と傾向について、塚越さんはどうご覧になりましたか?
塚越さん:有名人などに比べると多くありませんが、企業の炎上も去年多かったかなと思います。初動の対応がその場しのぎだったり、記者会見でも誠実さに欠けていたものも多かったです。(旧ジャニーズ、ビッグモーター、宝塚、吉本など)企業はやはり問題対応と同時に、人からどう見られるかも考える必要があります。一方、ユーザーのクレームや批判からくる炎上もやはり問題かなと思っていて、先ほど「不謹慎だ」と例をあげましたが、明確な基準のない「人の心」からくる炎上はやっかいです。よく言われることですが、例えば「安全」と「安心」は違います。「安全」は、何を何%上げましたとか、安全対策ってこれをここまでやりましたと尺度で測れます。でも、安心は心の問題です。例えば、「99%答えは出ません」といってもやっぱり1%あるじゃんと思うと安心できないと言われてしまえばどこまでいっても安心できない。これと同じでどこまでも粗を探そうと思えば、やっぱりこうじゃん!と1%でも疑問に思った時に発言してしまうとそこから炎上になっていくということがあります。そうしてみると、数値で測れないのにどこまでいっても批判が止まらないケースもあるということなので、企業も有名人も誠実であれということは正論だし正しいと思いますが、一方でどこまでも粗探しされて批判されるのは不健全かなと思います。求められているのは、「健全な批判」ということです。炎上は、ネガティブなので健全に批判して社会を変えるための良い批判になって、ただ誰かを追い詰めるためにダラダラと炎上してしまうのであって健全な批判が社会に求められていると私は思います。
ユージ:思いますね。僕も車を買っただけで、「どこからそのお金が出てきたんだ」「お前ごときがそんな車に乗って」など、色々言われたことありますから。好きなもの買わせてくれって思いますよね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 7, 2024
「ネット炎上、2023年度は330件 最近の傾向は?」について
1日1件 炎上することが起きていて、僕も以前、車を買い換えた時に「似合っていない」など書かれたことがあり、プチ炎上のような経験を過去にしました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 7, 2024
世の中で何かが起こっているタイミングでの結婚発表に「不適切だよ!」と、書かれたりしているのを見たことがありますが、これは切り離して考えて良いと思います。各々がしっかり判断して決めたことに対して、ネガティブなコメントするのは、どうなんだろうなと思います。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 7, 2024
誹謗中傷の書き込みも、どんどん厳しくなっている時代ですが、受け手側は確実に傷くため、内容や表現によっては、今後投稿ができなくなるなど、書き込む側のハードルがもう少し上がっても良いんじゃないかと、個人的には思います。#ワンモ