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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.02.05

新卒採用で急増する“オヤカク”
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「新卒採用で急増する“オヤカク”」

吉田:このところ「売り手市場」と言われている就職活動ですが、そうしたなか、企業側が学生の内定辞退を防ごうと「オヤカク」というものが広がっているそうです。


神庭さん:就職活動で、企業が学生の「親」の意向を「確」認することを「オヤカク」といいます。面接段階で「親御さんは賛成していますか?」と質問することもあれば、企業が保護者に直接確認をとる場合もあります。マイナビの調査によると、2022年度の就活で子どもの内定先の企業から連絡があった保護者は48.3%と約半数を占めました。2018年度は17.7%でしたので、この4年ほどで2.7倍に増えているということになります。


ユージ:やはり内定辞退者が増えているから、その対策ということですか?


神庭さん:そうなんです。根本の要因は、学生の売り手市場で内定辞退が増えていることです。ダイヤモンド就活ナビによると、今年卒業する学生の内定数は平均2.94社。1人の学生が3社近くから内定をもらっているということです。10年前が平均1.81社だったことを考えると、今の学生は選びたい放題。企業の側からすると、貴重な戦力になるはずの内定者に辞退されてしまうとダメージが大きいです。学生が離れるリスクは1つでも潰しておきたいですよね。単に親に連絡するだけでなく、内定式や入社式に親を招待する、保護者向けの説明会を開くなどつなぎ止めに躍起の企業もあります。


吉田:学生のみなさんからすればいい時代ですね。(企業側は大変ですが)そこで親を味方につけようということですね。


神庭さん:そうなんです。「知名度が低い」「設立間もないベンチャーなので心配」「ブラックな働き方をさせられないか不安」など、親の不安は尽きません。安定やブランド感を求めて、誰もが知る大企業や公務員を目指して欲しいと考えている親も少なくありません。マイナビの調査によると、「子どもの内定先が自分の知らない企業の場合、どのような対応をするか」という質問に対する答えは「本人に任せているので特に何もしない、50.9%」、「自分で該当企業の情報を調べるが意見はしない、25.2%」、「どんな会社か本人に確認する、30.9%」、「本当にその企業で良いのか問う、18.3%」、「就職活動を続けるよう説得する、2.9%」、「内定を辞退させる、0.4%」「グッとこらえて何もしない。あるいは黙っている人が合計7割ほど」「思わず本人に口出ししてしまう人が3割ほど」。少数ではありますが、内定辞退までさせる強硬派もいます。


ユージ:これはすごいなー。内定を辞退させるって結構すごいですね。


神庭さん:そうですね。子どもの将来が気がかりな気持ちも分かりますが、正直そこまで気にしなくてもいいのでは?と思う部分もあります。同じマイナビの調査ですが、子どもが全国転勤のある会社に就職を希望した場合どうするか?という問いに、29.6%が反対。息子を持つ保護者の場合22.6%なのに対して、娘だと36.6%まで跳ね上がっています。ジェンダーの格差もうかがえる結果です。知名度に関しても、消費者の目に触れやすいBtoCの企業に比べて、企業間取引が中心のBtoB企業だと知名度が不利になります。実際には世界レベルの技術を持っているような企業がゴロゴロあります。そういう企業は、就活生や親の目にも触れるようにCMを打ったりして、知名度アップに励んでいます。


ユージ:「オヤカク」という言葉自体、今日初めて聞いたのですが、この広がりについてどう思いますか?


神庭さん:人手不足にあえぐ採用担当者の気持ちは痛いほど分かりますが、あまりいいことだとは思いません。学生とはいえ、21~22歳のいい大人ですから。まずは就活生本人の意向をベースに考えるべきかなと思います。例えば、本人は心から就職したがっているのに毒親が猛反対で妨害しているケースなどをどう扱うのか気になります。「実は親が反対してまして」と体のいい言い訳に使っているパターンも結構あるのではと思います。


ユージ:なるほど、そのため企業側が「親の確認を取っているか」と聞いているのかもしれませんね。


吉田:確かにありそうですね。


神庭さん:親が就活していた時代と、今では就活生の人気企業も移り変わっています。ダイヤモンド・ヒューマンリソースの就職人気企業ランキングで20年間の変化を比べてみると、2002年は、1位、JTB。2位、全日空。3位、日本航空。という顔ぶれですが2022年は、1位、伊藤忠商事。2位、東京海上日動火災保険。3位、丸紅。と観光系から商社に人気が移ってきています。GAFAだって20年前は今ほどの勢いはなかったわけですから、親の時代の感覚で下手にアドバイスをすると、しばらくして業界ごと沈んでしまうということだってあり得るかなと思います。


ユージ:どんな心構えで就活に臨めばいいですか?


神庭さん:親は干渉しすぎないということです。私立芝中学・高校校長の武藤道郎さんは「手を離して抱きしめる」という言葉を教育方針として大切にされています。どんなに可愛くても、我が子の面倒を手取り足取りずっと見続けることはできません。手を離すけれど、心では抱きしめる。そんな心構えが大切かなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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