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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.01.25

新年度の年金支給額 2.7%引き上げ
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「新年度の年金支給額 2.7%引き上げ」

吉田:2024年4月からの年金額の例が、先週、厚生労働省より公表されました。国民年金の満額は6万8,000円。夫婦2人分の標準的な年金は23万483円で、前年度より6,000円以上の増加、2.7%の引き上げとなっています。物価高がまだ続いている中、年金の増額は助かると思いますが実際はどうなのでしょうか?塚越さんに解説いただきます。


ユージ:2024年度の年金支給額2.7%の引き上げですが、この数字どうみますか?


塚越さん:簡単には喜べない話です。年金支給額は、物価や賃金の変動に応じて、毎年4月に改定するされるものです。2024年度は、物価賃金上昇を受けて2.7%引き上げ。2年連続の引き上げで、伸び率は1993年度以来で最も高くなりました。実際の手取りは、個々の状況によりますが、数千円増えると考えていいかと思います。ただ、支給額は増えて良いと思うのですが物価などを考慮すると、実質的には目減りになるのでここが大事です。これには理由があり、2004年の年金改革で導入された「マクロ経済スライド」という、年金の給付水準を物価や賃金上昇率より低く抑える仕組みが発動されるからです。細かくいえば、年金を受け取る人が67歳以下か68歳以上か、などで計算方法が異なるのですが、今回は過去3年間の名目賃金上昇率3.1%から0.4%低く抑えて、支給額は2.7%の増加にとどまることになりました。つまり、手取りは増えるわけですが、社会的には賃金や物価はそれよりも高くなっているので、実質的には手取り額が目減りするということです。


ユージ:なぜ、マクロ経済スライドを発動する必要があるのでしょうか?


塚越さん:マクロ経済スライドが年金の給付額を物価や賃金上昇率よりも抑えるというものです。年金財政が長期的に安定することを目的にしています。日本は少子高齢化の影響で、年金受給者は増える一方で現役世代が減ります。その中で、現役世代の負担が大きくなりすぎないように、厚生年金の保険料の上限を18.3%に固定して、給付水準を財源の範囲内に抑えようというものです。そうしないと、将来の年金支給額が下がってしまうからです。一方、マクロ経済スライドは物価や賃金が伸びないデフレ状態では発動されず、実際に発動したのは2015年度、19、20、23年度、そして2024年度は5度目の発動ということになります。2年連続になります。1年だけなら何とかなるのですが、さらに続くと特に年金受給層には厳しいと思います。すると、年金受給層は手取りが下がることで不満がある一方で、現役世代は様々な社会保険料が増えていくなかで、さらに負担が増えるのも厳しいという状況です。また、保険料を支払う現役世代も今後は減っていくので、今後も年金は実質的に目減りしていく見通しです。そこで厚生労働省は、今年5年ぶりに「財政検証」を行うので、その結果を踏まえ、年金の給付水準の低下を抑える制度改正の検討を進めているといいます。


吉田:少子高齢化の今、老後の資金対策をそれぞれ考えていく必要がありそうですね。


塚越さん:国の財政政策は重要な議題ですが、個人としてはまず「自分のこと」を考えないといけません。会社員だと一般的には60歳〜65歳で定年を迎えて年金生活になるわけですが、年金だけに頼るのはなかなか厳しいです。例えば2019年には、65歳以降で30年生きるには、夫婦で年金以外に2,000万円の資金が必要と金融庁が試算した「老後2,000万円問題」が話題になりました。最近ではさらに、ある程度余裕のある暮らしのためには、定年後夫婦で3,000万円以上が必要と言われるようにもなってきました。物価高や年金が減ったり、コロナのような様々な疫病など、不安を挙げればきりがないとも言えます。


ユージ:政府は、個人所得を増やすために「貯蓄から投資へ」というのも打ち出していますが、投資は老後の資金対策になりそうですか?


塚越さん:このスローガンがありまして、例えば非課税投資額が1,800万円となる新NISAが今年1月から始まっています。個人での投資も増えてくるわけで、日経平均株価も高くなってきているかなと思います。それは色々考えるべきだと思います。自分で守るための投資も必要だと思うのですが、株価が下がることもあるのでリテラシーが必要になるわけです。やるやらないは別にして個人がある程度勉強していくこと。勉強しないにしても、こういう選択肢もあるということを知っておくことで金融リテラシーをこれから個人の資産防衛ということでもやらないといけないと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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