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24.01.23

第一生命ホールディングスが新卒初任給を32万円に引き上げへ
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【第一生命ホールディングスが新卒初任給を32万円に引き上げへ】

吉田:第一生命ホールディングスが、今年4月に入社する新卒の初任給を32万1,000円に引き上げる方針を明らかにしました。神庭さん、初任給32万円というのはすごい額だと思いますが改めて、このニュースの概要を教えて下さい。


神庭さん:共同通信などによると、第一生命は2024年度から約5万人の社員に7%の賃上げを実施する方針です。なかでも手厚いのが若手です。優秀な人材を確保するため、新卒初任給を現在の27万6千円から16%アップの32万1,000円に引き上げます。初任給の引き上げは4年ぶりということです。他にも転勤一時金を引き上げたり、上位2割の高い評価を得ている社員の年収を最大46万円引き上げたりといった賃上げ策に取り組むそうです。


ユージ:こういう方針は、第一生命だけですか?他の保険会社はどうですか?


神庭さん:ANNや日刊工業新聞のまとめでは、日本生命は基本給が3万円アップの24万1,000円。残業代も含めると30万1,000円。明治安田生命は25万7,970円から29万4,820円へ14%アップ。住友生命は基本給21万円から23万5,000円に。残業代込みだと28万5,000円になります。生保各社、競うように新卒の待遇改善に動いている状況です。


吉田:この動きは生命保険以外だけなのでしょうか。他の業界の賃上げは広がっていますか?


神庭さん:三井不動産は全正社員2,000人を対象に、平均10%の賃上げをする方針です。横浜銀行は入社2〜4年目の若手に対して最大14.5%のベースアップをする見込みです。若手優遇は広く共通する傾向で、野村証券も入社3年目までの社員を対象に平均賃金を16%引き上げる。世代を限ったとしても、10%超えはかなりインパクトがある数字です。


ユージ:やはり、優秀な若手人材を確保したいという狙いでしょうか?


神庭さん:人材獲得のためだが、元をただせば物価高の影響が大きく、昨年の消費者物価指数は、変動が大きい生鮮食品を除いて3.1%上昇しました。3%を超えるのは、第2次オイルショックの影響があった1982年以来41年ぶりです。生鮮食品を除く食料は8.2%上がっています。こちらも1975年に次ぐ高水準になっています。物価が3%上がっているのに給料が変わらずだったら、3%価値が下がったのと同じことです。3%上がってやっとトントンになるわけです。さらに少子化で新卒社員は減る一方で、売り手市場になっています。優秀な人材を確保しようと思ったら、給料をアップして惹きつけるしかないということです。


吉田:ただ、いわゆる大手企業は賃上げに対応できると思いますが中小企業にとっては厳しいですよね。


神庭さん:その通りです。中小企業のなかには業績的には苦しいが、人手不足だと事業が成り立たないので、どうにかこうにか踏ん張って「防衛的賃上げ」をしている会社も少なくありません。日本企業の99.7%が中小企業です。大手だけでなく中小企業にも賃上げを波及させていかないと岸田総理の言う「物価上昇を上回る賃上げ」も絵に描いた餅になってしまうかなと思います。「大手も自社の社員の待遇アップのために、ひたすら下請けや外注先のコストをカット!」みたいな自己中心的な振る舞いをしていてはダメです。商売は「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の三方よしが大事ですから、取引先の企業が燃料費や資材の高騰に苦しんでいるなら、価格転嫁を受け入れなければいけないです。価格転嫁をはね付け、下請けいじめのようなことをしている企業があれば、公正取引委員会はガンガン取り締まって欲しいなと思います。


ユージ:今回の初任給アップのニュースを受けて、神庭さんはどんなことを思いましたか?


神庭さん:岸田総理は経団連に対して春闘での賃上げを要請しています。ここ数年はすっかり「官製春闘」の趣きですが、本当に賃上げしたいなら、政府にはもっと先にやるべきことがあります。


ユージ:それは何でしょうか?


神庭さん:現役世代の税や社会保険料を少しでも軽くして、手取りを増やさないといけない。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんはダイヤモンド・オンラインの記事『あなたの「手取り年収」、2024年はこうなる!』に、2002年から24年の手取り収入の変化を詳細に計算しています。40歳以上で、専業主婦の妻と15歳以下の子どもが2人いる会社員の場合だと、この22年の間に額面年収500万円の人は、手取りが429万円→393万円に36万円ダウンしています。額面年収700万円なら、587万円→536万円で51万円のダウン。原因は社会保険料の引き上げに加えて、減税や控除の廃止、増税などあります。つまり政府が率先して、一生懸命「官製賃下げ」をして現役世代から搾り取ってきたわけです。経済界に賃上げを要請する前に「官製賃下げ」を改めることの方が先決です。そうしないと、いくら給料を上げても保険料や税金に吸い取られて終わってしまいます。


ユージ:本当ですね。いくら給料が上がっても手取りが重要ですよね。


神庭さん:そこが一番大事です。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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