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24.01.16

自民党の派閥を巡る問題
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【自民党の派閥を巡る問題】

吉田:自民党は11日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、「政治刷新本部」の初会合を開き、派閥解消の是非を巡り議論しました。神庭さん、改めてですが、自民党の派閥の役割を教えて下さい。


神庭さん:先週、塚越さんからも解説がありましたが、簡単におさらいします。派閥にはいくつかの役割がありますが、1つ目は政策集団としての機能になります。経済政策から外交安全保障まで自民党のなかでもスタンスに違いがあり、基本的には考えの近い人同士が集まっています。2つ目が集金装置としての機能です。パーティーなどでお金を集めて、所属議員に政治活動費として配る。冬に配るお金を「餅代」、夏に配るお金を「氷代」と言ったりします。3つ目は人材供給源としての機能です。選挙互助会としての役割があり、選挙の際に派閥から秘書団を派遣したりします。自派閥の議員を総裁選に立てて応援したり、大臣ポストや党役員に送り込んだりして、人事にも影響を及ぼしています。


ユージ:やっぱりメリットがあるから派閥を作るわけですよね。


神庭さん:1つの大きなメリットとしては、派閥同士が競い合うことで政策が磨かれていくことです。いやらしい言い方をすると「権力闘争」。互いに牽制し合い、時に主流派と非主流派が入れ替わることで自民党内で「擬似政権交代」を繰り返します。ある派閥の総裁が批判を浴びて倒れても、また別の派閥からニューフェイスが現れる。そうやって自民党は戦後、長期政権を築いてきました。党内に多様性と豊富な人材を抱えていることは、自民党の大きな強みと言えます。


ユージ:そして今批判されているのは、負の部分、デメリットですよね。


神庭さん:お金と権力が集まれば腐敗します。裏金問題はその典型です。これまでよく言われてきたのが「ダーティーなハト」と「クリーンなタカ」という言葉です。保守本流の旧田中派や旧経世会は、外交安保では穏健なハト派政策をとる一方、ロッキード事件やリクルート事件などお金にまつわるスキャンダルが絶えませんでした。だから「ダーティーなハト」になります。それに対して、小泉さんや安倍さんを輩出した清和政策研究会(安倍派)は、安保政策がタカ派路線でお金にはキレイな「クリーンなタカ」と言われてきました。ところが、今回の裏金問題で、なんだやっぱり「ダーティーなタカ」だったじゃないか、と指摘されています。結局、ハト派かタカ派かの政策の中身とは関係なく、支配が長く続けば、それだけ腐敗しやすくダーティーになりやすいという話です。


吉田:自民党の派閥問題、他にも課題はあるのでしょうか?


神庭さん:組閣や内閣改造、党人事の際に派閥への配慮が働くこともデメリットです。特に岸田さんのように母体となる派閥が弱いと、党内の求心力を得るために派閥均衡型の人事になりがちです。せっかくの「聞く力」も民意ではなく、各派閥の言い分を聞くことに使われてしまうと内向きな論理が横行することになります。今回の政治刷新本部のメンバーは38人いるのですが、このうち安倍派が最も多い10人を占めていて、しかも10人中9人に裏金疑惑がある。近く政治資金収支報告書を修正する予定だといいます。神奈川新聞は「泥棒に防犯策の指南を受けるようなものだ」という閣僚経験者の厳しい声を紹介しています。こんなことで本当に政治を刷新できるのか?派閥政治の良くない部分が出てしまったかなと思います。


ユージ:やっぱりそこですよね。派閥問題って、内向き過ぎて国民の方を全然向いてないのが1つ大きな問題としてあって、ここでどういう対応が求められていると思いますか?


神庭さん:経済界や学識者らでつくる令和臨調は、いまだに政治とお金の問題が騒がれ続ける状況を「政治における失われた30年そのもの」と批判しています。リクルート事件を受けて自民党が1989年にまとめた政治改革大綱を「記念碑的文書」と評価したうえで、令和版の新たな大綱を作成することを訴えました。では「記念碑的」と言われた、1989年の政治改革大綱には何が書かれているか?というと、派閥解消への決意や派閥などによるパーティー開催の自粛、総裁や党幹部は在任中派閥を離脱すると記載されています。あれ、これって今つくった大綱ですか?と勘違いしちゃうような内容です。逆にいうと35年前からほとんど進んでいない、変わってないじゃんということの裏返しでもあります。


吉田:神庭さんは自民党の派閥を巡る問題、どう見ていますか?


神庭さん:政策集団としての派閥の役割はあってもいいし、完全になくしてしまえ、とまでは思いません。野党や民間企業も含めて、ある程度の大きさの組織には、派閥的なグループがつきものだと思います。あくまでも問題はお金であって、仮に派閥が消滅したとしても自民党全体として政治とお金の問題を払拭できなければ意味がない。そこは注意が必要です。何をやらないといけないかというと、派閥からお金と権限を引っぺがす。1円単位で政治資金の開示を義務付ける。政党交付金と企業からのパーティー券収入の「二重取り」になっている現状を改める。問題を起こした政党には政党交付金を返還させる。会計責任者だけのトカゲの尻尾切りにならないように政治家本人にも連座制で処罰や公民権停止が及ぶように厳罰化するということも大切だと思います。こういった法改正や制度改正を進めていくことが大切だと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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