24.01.15
能登半島地震による観光業への影響

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「能登半島地震による観光業への影響」
吉田:能登半島地震の発生から今日で2週間。被災地支援も本格化してきています。そうしたなか、先週末、激甚災害指定に伴い、林官房長官は被害を受けた観光業などにも支援を行うことを明らかにしました。そこで今朝は、今回の能登半島地震の観光業への影響について神庭さんに解説してもらいます。
ユージ:石川県は日本有数の観光地で、海外の方にとっても日本の方にとっても本当に行きたい場所の1つではありますが、心配ですよね。
神庭さん:まず、直接的な観光地への影響について。産経新聞によると、世界のガラス作家の作品を集めた七尾市の「石川県能登島ガラス美術館」では400点近い収蔵品の一部が粉々になってしまった。また、石川・富山・新潟の3県で、国や県の指定文化財のうち、1,500件近くが被災した可能性があるといいます。
吉田:文化財も被害を受けているんですね。
神庭さん:それ以外の観光地にも被害が出ています。毎日新聞によると、『マジンガーZ』などで知られる漫画家・永井豪さんの記念館が輪島市にあるのですが、貴重な原画なども含めて全焼してしまいました。珠洲市の「見附島」は船が浮かんだような形で知られ、能登のシンボルとして親しまれていましたが、一部が崩落して痩せ細ってしまいました。七尾市の「のとじま水族館」は、飼育していたジンベエザメが死ぬなどの被害を受け、臨時休業を余儀なくされています。
ユージ:宿泊業などへの影響はどうでしょうか?
神庭さん:東京商工リサーチによると、石川・富山・新潟・福井の被災地に本社を置く宿泊業は839社。従業員数は9,821人、売上高は1,279億円になります。能登は観光業が盛んですから、地域経済全体へのダメージも懸念されるところです。冒頭のニュースにもありましたが、七尾市の和倉温泉はほとんど全ての旅館やホテルが休業に追い込まれています。地下から温泉をくみ上げる配管が傷んだためか温泉が出なくなってしまうなど、2007年の地震の時よりも深刻な被害に悩まされています。ここまでお話ししたのが、地震による観光面への直接的な被害です。ただ、被害はそれだけにとどまりません。
ユージ:どういうことでしょうか?
神庭さん:ホテルや旅館を営業できないほどの被害が出ていない地域でも、自粛ムードなど心理的な影響による損害が発生しています。観光客の側からすれば配慮とも言えますが、「今は行くのを控えよう」とすでに入っている予約をキャンセルしたり、旅行先の候補から被災地周辺を外したり、といった動きが広がっています。
神庭さん:北日本新聞によると、富山県内のホテル・旅館では5日までに、37施設で宿泊客約5,000人分、宴会は約1,000人分のキャンセルがあり、損失額は1億円に達しました。福井県のあわら温泉でも、1~4日までに3,852人の宿泊キャンセルが出て、被害総額は9,800万円にのぼると中日新聞が報じています。NHKの報道では、新潟市でも設備に被害のない宿泊施設で1〜8日までに850件あまりの宿泊キャンセルが出たとのことです。
ユージ:宿泊業者の方には、本当に申し訳ないし可哀そうだけど旅行者の気持ちも分からなくありません。被災地のホテルが問題なくても、そこに行って旅行するってどうなの?という気持ちは分かります。心理的な影響も大きいと思います。
神庭さん:そうですね。北國新聞によれば、金沢市内のホテルは一時キャンセルが相次いだものの、自衛隊や電力会社、行政、医療従事者など復興支援の人たちの予約が増えてきているという話もあります。金沢市内の観光地は、閑散としてしまっているというような話も出ています。
吉田:政府の対応はどうでしょうか?
神庭さん:観光業も含む被災した中小企業に対する資金繰りの保証するなどの対応が俎上に上がっています。もう1つ重要なのが、二次避難所の確保になります。
ユージ:二次避難、先週あたりからよく耳にしますよね。
神庭さん:震災直後の一次避難で避難所に移ったとしても、その場所が断水状態でなかなかインフラの復旧が進まなかったり、感染症拡大など衛生面の心配があります。そこで政府は、ホテルや旅館の空き部屋を自治体が「みなし避難所」として借り上げ、そこに避難する「二次避難」を呼びかけています。ホテルや旅館ならプライバシーも確保できますし、雑魚寝で密になることもありません。一義的には被災者のためですが、間接的に宿泊業の支援にもなるので一石二鳥だと思います。すでに石川・富山・新潟・福井の4県で、合計9,300人分の二次避難の施設を確保しているということです。
ユージ:観光への支援、どんな対策が必要だと思いますか?
神庭さん:二次避難は、地元コミュニティーが崩壊しないように集落ごとにまとめて避難する配慮をした方がいいと思うのですが、それ以外にも必要なのがきめ細かな情報発信かなと思います。被災地では依然道路が寸断されていて、石川県は事故や渋滞の防止のため「能登への不要不急の移動は絶対に控えて」と呼びかけています。一方で、北陸全体が危険地帯かのように捉えてしまうのは過剰反応ですから、石川県内でも比較的被害が軽微な地域もあります。ただ、遠方の観光客からすると、上手く区別できていないということがあると思います。ここには、絶対来て欲しくないけどこっちには来てね、という形で解像度の高い情報発信ができると無用な自粛を防ぐことができますし、観光振興にも繋がるかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 15, 2024
テーマは「能登半島地震による観光業への影響」
地震による観光業への影響はもちろんあり、
被災によって営業できないところがほとんどですが、
営業ができるところも多くあるということです。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 15, 2024
ただ、営業を続け予約も受け付けているところはあるものの、
旅行を予定していた人の自粛モードやメンタル的な問題などがあり、
キャンセルが多く出ています。
それにより地震による補償を受けることができない可能性のある宿泊施設への影響も出ています。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 15, 2024
難しい判断にはなりますが、宿泊施設側が、
宿泊に来ても問題ないことを発信しているのであれば、
しっかりと情報を得た上で行くのは問題ないのではないかと思いました。#ワンモ