network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.01.09

神庭さんが注目している今年の経済トピックス
null

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【神庭さんが注目している今年の経済トピックス】

ユージ:今年の経済にまつわる注目トピックスを、神庭さんに取り上げていただきます。さっそく1つ目のトピックは何でしょうか?


神庭さん:「金利のある世界」です。発売中の週刊ダイヤモンド2024年「総予測」号で詳しく紹介しているのですが、1999年にゼロ金利政策が導入されて以来ずっと続いてきた「金利のない世界」から、いよいよ今年「金利のある世界」に突入すると言われています。ダイヤモンドのアンケートに対し、専門家5人全員が年内のマイナス金利解除を想定しています。最速で1月にも解除するとみる専門家もいたのですが、少し先延ばしになるかもしれません。


吉田:「金利のある世界」になると、どんなことが起きると考えられていますか?


神庭さん:プラス、マイナス様々な影響があります。まず、インフレは抑制される方向になります。金利を上げるのは、蛇口を閉める方に回して市中に出回るマネーの供給を減らすことです。景気は冷えて、物価は下がる方向に働きます。為替への影響もあります。去年まではアメリカが利上げする一方で、日本は金融緩和を継続してきたことで、日米の金利差が拡大し、円安ドル高につながっていました。アメリカは今後、日本と逆に利下げに動くことが予想されており、そこで日本がマイナス金利をやめればさらに金利差は縮まって円高ドル安に動きます。円のパワーが増せばそれだけ輸入物価は下がるので、こちらもインフレを抑える方向に作用します。家計にとっての分かりやすいメリットでいうと、銀行預金の金利が上がる、学資保険や一時払い終身保険の予定利率が上がる(=保険料が下がる)といったことが考えられます。


ユージ:そういう意味ではウェルカムな影響ですが、もちろん、良いことばかりではありませんよね?


神庭さん:はい。預貯金など個人の金融資産の6割超を60代以上の高齢者が持っています。つまり、金利上昇の恩恵は相対的に高齢者に出やすいです。一方で、現役世代は住宅ローン金利の上昇で家計が圧迫されることになります。固定金利で借りていれば特に影響はないのですが、日本は変動金利で借りる人が7割以上と多くを占めるので、金利上昇のダメージは出やすいです。バブル時のように短期金利が8%超まで急上昇するような事態は考えづらいので過度に恐れる必要はありませんが、心配なら金利上昇に備えて貯蓄しておく、繰り上げ返済で利払い負担を抑えるといった対策を検討してもいいだろうと思います。また、金利が上がれば企業は支払い利息の負担が増えます。不動産業や宿泊業など借入金月商倍率が高い業種にとっては負担増につながります。大企業に比べると中小企業の方が負担が大きく出そうです。


吉田:さて今年注目の経済トピックス、2つ目は何でしょうか?


神庭さん:「新NISA」です。去年も何度か取り上げましたが、1月から少額投資非課税制度(NISA)が大幅に改善され、新NISAが始まりました。改めて特徴をまとめます。株式や投資信託の売買では通常、運用で得た利益に20.315%の税金が課されますが、NISA口座では非課税になります。従来は非課税になる期間が、一般NISAで5年、つみたてNISAで20年に限定されていました。ですが、新NISAでは無期限になります。年間の投資枠も拡大しまして、つみたて投資枠が3倍の年120万円。成長投資枠が2倍の年240万円。合計で年360万円まで投資が可能になります。生涯で1人1,800万円まで非課税で保有できます。新NISAを機に投資を始める人は増えており、日経新聞によると、ネット証券5社を合わせた積み立て投資の予約額は12月20日までに月2,300億円に達したといいます。


ユージ:これは凄い人気ですね。


神庭さん:政府が推進する「資産運用立国」を荒く翻訳すると「老後2,000万円とか正直面倒見きれないからNISAやiDeCo使って自分たちで何とかしてね」ということです。NISA、iDeCo、ふるさと納税の3つは、税金やら社会保障費やら負担が増えるばかりの日本にあって、国民に許された数少ない節税手段でもあるので、老後の資産形成も見据えて、ぜひとも有効活用して欲しいと思います。


ユージ:ただ、あくまで「投資」ということが大事なポイントですよね。


神庭さん:投資は自己責任です。ゼロリスクはあり得ません。米国株のインデックス投資に突っ込んでおけば安心だろうとタカを括っている人もいるかもしれませんが、ウクライナやイスラエルのような地政学リスクは絶えずあります。アメリカ経済も完全無欠というわけではなく、景気が減速する兆しも見られます。クレジットカードの延滞率が2011年以来の高水準に達し、貯蓄が減少。年末商戦も盛り上がりに欠けるなど消費にかげりが見られます。財政悪化を懸念する声も出ています。上手にソフトランディングできればいいですが、ハードランディングもあるかもしれないということを頭の片隅に置いてください。


吉田:プラスの面、マイナスの面どちらもしっかり見ることが大事ですね。


神庭さん:靴磨きの少年が株に投資し始めたら大暴落したという有名なエピソードがありますが、新NISAで投資を始めた人に靴磨きの少年のようになって欲しくありません。株は上がったり下がったりします。積立投資では、長期間にわたって毎月同じ額をコツコツ投資することで、時間の分散によるリスクヘッジを図ることができます。ドバッと大きな額を一括投資するよりも初心者向きと言えます。ダイヤモンドの「総予測」号では、【完全保存版】新NISA徹底活用術と銘打って新NISAの30の疑問と50の誤解を徹底解剖しています。ぜひチェックしてみてください。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。







過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top