24.01.04
2024年 注目の“AI”

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「2024年 注目の“AI”」
吉田:2023年は、「ChatGPT」「生成AI」がトレンドになった1年。生成AI”元年”とも言える年だったのではないでしょうか?その進化は、2024年も進んでいくと思われます。
ユージ:というわけで、塚越さん、ズバリ!今年注目の”AI”は、何でしょうか?
塚越さん:2024年は、『AIを利用した音声分野に注目です』
ユージ:早速、注目のAIについて教えてください
塚越さん:Googleの社内スタートアップ部門が、YouTube動画の言語をAIで自動的に吹き替える機能を、2024年に搭載すると発表しています。どういうことかというと、まず日本語で話して、その言葉を別の言語に自動で音声翻訳してくれます。私が、今話している言葉が勝手に英語になります。字幕ではなく、音声になります。さらに動画内の口元だけ吹き替え言語に合わせる(リップシンク)だけでなく、元言語の声色やイントネーションなども学習し、吹き替え言語も元言語の調子に合わせることができるというものです。
ユージ:ボクのYouTubeチャンネル「ユージずチャンネル」があるのですが、いま完全に日本語です。世界に向けて発信していないのですが、世界で見てくれた方が翻訳ボタンを押すと僕のこの会話が全て英語になるということでしょ?
塚越さん:そうですね。いわゆる日本語しかできない方でも、英語も含めていろんな言語に発信できるという意味ではこれはすごいかなと思います。
ユージ:世界デビューしちゃう時代が来ているってことですね!ユージ第二章本格的にスタートです!
吉田:では、そんな音声分野での”AI”問題点はありますか?
塚越さん:この技術を使って悪いこともできるということで、去年は特定の人の声をAIで学習させた合成音声(ボイスクローン)で、電話詐欺なども多く生じました。アメリカでは、子供の声のボイスクローンで「ママ、助けて」と電話をかけてきた事例がありました。いわゆる「オレオレ詐欺」にも合成音声が利用される危険性も指摘されています。他にも、特定のアーティストの声のボイスクローンをつくって、別のアーティストの歌を歌わせることが、アメリカで問題になり、YouTubeから削除されたことなどもあって、これは2024年も悪用されて規制や著作権の問題になるのかなというところです。
ユージ:すごい技術ではあるんですけどね。やはり、詐欺に悪用されるという事例が懸念ですね。それと、去年のハリウッドのストライキでもAIの使い方が焦点の1つでしたが、音楽業界でもAIの規制について議論する必要がありますね。そして、今年はアメリカ大統領選挙も注目されていますが、前回の大統領選挙では、フェイクニュースが問題になりました。今回は、AIによるディープフェイクが問題になりそうですか?
塚越さん:これも引き続きという感じですが、先程もご紹介した通り、やはりフェイクも顔を変えるだけでなく音声を変えられるということで、SNS企業も常に対策はしていてイタチごっこ状態になります。今年は生成AIによる動画生成がさらに簡単にできるようになることが予想され、選挙の時に生成AIの動画版で色々フェイクが出るんじゃないかと気を付けなければいけない所です。
ユージ:AIの政治利用、さらなる問題も出てきそうですね。
塚越さん:そうですね。今言ったように、素晴らしい意味での音声翻訳ですが、逆に問題にもなるのかなと思います。例えば去年の10月に、英語しか話すことができないニューヨーク州の知事が、こうした技術を使って、中国語やスペイン語で、自動音声による電話(ロボコール)をかけていたことがわかっています。ロボコール自体は違法ではないのですが、英語しかできない人がまるで中国語やスペイン語を喋るように話す。中国語やスペイン語が第一言語の人は、市長が外国語を話せると勘違いした人も多く、それだけで親近感が湧いたということで、ある意味で政治家として選挙に影響を及ぼしたり、支持率が変わってしまったりします。
ユージ:色々な人種が暮らしている国だと、この市長は自分たちの言語に寄り添っているから投票しようかなっていう気持ちになるかもしれません。
塚越さん:逆に言えば、単に混乱することもあるので、この辺り規制しなければいけません。翻訳で嘘を入れちゃうと、外国語に人は騙されることもあります。いいこともあるのですが、こういったところが問題かなと思います。
ユージ:できないようなことがあたかも出来たことのように見せるというのは法的に問題なくても、ある意味良くないなと思います。「AIによる翻訳を使っています」ときちんと言って欲しいですね。これ、詐欺に近い行為にもなりますか?
塚越さん:詐欺に近いと思われちゃうので、規制が必要です。また、今回の能登半島地震でも、色々な寄付を募った詐欺や、3.11東日本大震災の画像や動画を、今回の地震のものだと嘘の投稿をしたものなど、様々な被害が生じています。この辺も、難しいですが対応しなければなりません。
ユージ:取り締まりがかなり必要になってきますね。
塚越さん:2024年も大変です。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 4, 2024
『2024年注目のAIトピックス』について
塚越さんが今朝紹介してくださった今年注目のAIは「音声分野に特化したAI」でした。
感心したのは、YouTube動画の音声を、AIで元言語のトーンやその人の声の特徴のまま自動的に吹き替えしてくれる機能です。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 4, 2024
ただし懸念点として、これが映画の吹き替えなどに使われた場合、音声の仕事をしている人に大きな影響を及ぼす可能性があります。昨年のハリウッドのストライキでもAIの使い方が焦点のひとつだったので、AIの規制について慎重に議論する必要があると思いました。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 4, 2024
もう一つ懸念しているのは、オレオレ詐欺などの電話詐欺です。自分の身内そっくりな音声をどうやって見抜けばよいのか、今後AIの進化につれて偽の情報との見極めが非常に難しくなると思います。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 4, 2024
電話詐欺などの取り締まりの強化も重要ですが、より強く厳罰化することによって抑止するといった法整備が急速に求められると思います。
AIの進化の楽しみな点、不安な点の両方を感じました。#ワンモ