23.09.20
コロナ対策の検温カメラから顔画像が流出 政府が注意喚起

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「コロナ対策の検温カメラから顔画像が流出 政府が注意喚起」
吉田:新型コロナウイルスが「5類」に移行した後、検温に使うサーマルカメラの撤去が進んでいます。こうした中、サーマルカメラに大量の顔画像が保存されたまま転売されていることが問題になっています。政府の個人情報保護委員会は先週水曜、サーマルカメラを使う事業者や製造販売業者に対し、注意喚起を行いました。塚越さん、サーマルカメラの顔画像が流出してしまっているのですか?
塚越さん:「サーマル=熱の」を意味しています。サーマルカメラは、文字通りカメラを通して検温ができるものです。カメラに体温が表示されたり、声で「正常です」と言ったりするものもあります。コロナ禍で一気に増えたのですが、コロナの「5類」移行に伴い、企業や飲食店などで撤去が進んでいます。ところが、このカメラには顔画像が記録されているものが多かったということで、それを消去しないまま廃棄したり転売すると個人情報保護法に抵触する恐れがあるということです。サーマルカメラの国内市場は2020年以降、年間4~5万台売れており、そのうちの7割は顔画像を取得しているとされています。コロナ禍に入り、カメラの横に「検温にご協力ください」という張り紙がされていたのですが、実はあのカメラの多くは顔画像を取得していたということです。コロナが収まりつつある中で廃棄したり、あるいはフリマアプリ、オークションサイト等で中古のものが販売されることが増えてきたということです。もともとは20万円?30万円で売られていたものが、中古だと現在は数万円~物によっては数千円で売られるケースもあります。報道によれば、それらを購入したところ、おそらく企業や子供関連施設などで利用されたとみられる数千の顔データが残っているものが多くあったということです。
吉田:顔画像が悪用されると、どういったリスクが考えられますか?
塚越さん:専門家によれば、リスクとしては大きくわけて2つあります。1つ目が、個人が特定されること。撮影時刻等のデータもあるので、そこから行動パターンが推測され、つきまといなどの被害につながるリスクがあるということです。2つ目が、ネット上での顔データが悪用されることで、顔データをネットの別の画像と組み合わせた「フェイク画像」がつくられるということと、ネットに流れてしまうと顔データだけで個人を判明するリスクも増えてしまうということです。さらに言えば、現在は顔データから感情や体調など、精度にもよりますが色々な情報が取得できてしまうということが問題です。さらに問題なのは、顔データを収集するサーマルカメラの機能を、設置事業者がよく理解していないということです。サーマルカメラに顔データが保存されるという記述があっても、よく考えずに廃棄したり転売してしまう企業がいることの問題があります。もう1つは、販売業者の問題で説明書の中で顔データに関する記述が少なかったり、場合によってはデータを保存しているのに、保存や消去の方法について説明書に書かれていないケースもあったということで、設置事業者や販売業者の問題もあり、我々の一般市民にリスクが大きくなってしまったりという感じです。
ユージ:この問題について、政府はどのような注意喚起を行ったのでしょうか?
塚越さん:政府の個人情報保護委員会は先週、サーマルカメラを利用する事業者や、販売製造業者に対して注意喚起を行っています。顔データを取得するカメラを利用する「事業者」は、その事実を掲示して説明することだったり、あるいは廃棄や転売の際にはデータを消去することも求めています。同時に「製造販売業者」には、顔データを取得することやデータの消去方法を説明書でしっかり記載することを要請したということです。
ユージ:この問題、塚越さんは、どうご覧になりましたか?
塚越さん:コロナで色々大変だったと思うのですが、最初にルールをきっちり出来なかったのが大きいのかなと思います。
ユージ:スピードを求めていましたからね。
塚越さん:そうですね。例えば、「IoT推進コンソーシアム」という所があるのですが、2021年に事業者向けに「配慮事項」というものをまとめて、顔データを収集することを明記することが「望ましい」としたルールにしました。しかし、望ましいという表現は義務ではないので、結局は「検温実施中」と書いてあるだけで、顔データについてはほとんどの方が知らないまま進められてしまったということです。実際、フランスではコロナ禍の2020年に学校や役所に入る際に利用するサーマルカメラの違法性が問われて、フランスの最高裁判所にあたる国務院で個人情報保護法に違反すると判断されています。データ保護の観点から厳しい判断がされたのですが、日本ではなかなかそうならなかったということです。今は、事業者としても売ってしまったり転売したり回収できないですよね。なかなか厳しいのですが、今あるものは何とかしてもらうことだったり、これを機にということではありませんが我々の個人情報は国全体として社会全体として気を付けていくということは、これからも必要になってくるかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 20, 2023
『コロナ対策の検温カメラから顔画像が流出 政府が注意喚起 』について…
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 20, 2023
その検温機の中に、顔の画像データが記録として残っていることが多くあり、そのまま売られると、個人が特定されてしまったり、ネット上で悪用されてしまうなど非常に大きな問題の要因になってしまいます。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 20, 2023
しかし、売却する際には 中身のデータをリセットするなど、しっかり確認をすることも重要で、最後に手放す側にも大きな責任が伴います。悪用を防ぐためにも、注意して処分していくことが最善の策だと考えます。#ワンモ