23.08.24
ライドシェアサービス解禁

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「ライドシェアサービス解禁」
吉田:今月19日、自民党の菅義偉 前総理は長野市内で講演を行い、一般の方が自家用車を使ってタクシーのようなサービスを行う「ライドシェアサービス」の解禁に向けて、議論をスタートさせる考えを明かしました。外国人観光客が増えている一方、タクシードライバーが人手不足で、タクシーの台数が足りていない状況を解消するためという、今回の提案です。今後、議論が進んでいくなかで検討すべき課題は何なのか?塚越さんに解説いただきます。
ユージ:そもそも「ライドシェア」とは、どのようなサービスを指すのか?まずは、そこから教えていただけますか?
塚越さん:簡単に言えば、スマホアプリ等を通して移動したい人と車を運転するドライバーをマッチングさせて、「相乗り」ができるようにするサービスです。有名なのはアメリカの「Uber」になります。移動したい利用者がスマホで簡単に車を手配できて、ドライバーも隙間時間に移動して報酬を得られることから近年急速に発展したサービスです。
ユージ:日本でも一時期、Uber上陸!と騒がれていた記憶がありますが、今「Uber」といえば「UberEATS」のイメージが強いかなと思います。なぜ普及しなかったのでしょうか?
塚越さん:「UberEats」が有名ですが、なぜかというと「国土交通省が認めなかったから」です。そもそも2015年に福岡市でUberがライドシェアサービスの実証実験を行いました。ですが、国交省は「営利目的で無許可の一般車両が送迎を行うことは、道路運送法違反の可能性がある」と指摘したことで実験は終了しました。日本では有料で客を運ぶ場合、相応の免許を持ち、車のナンバープレートも営業用の緑の自動車で運転しなければいけませんが、先ほどの実験で白いナンバーは、つまり自家用車がタクシー行為を行う「白タク行為」になるからダメということです。そういうわけで、現在日本にあるのはライドシェアではなく、Uberもタクシーの配車サービスとなっています。
吉田:営利目的ではない「相乗り」「白タク行為」は問題ないのですか?
塚越さん:地方では、公共交通機関がちょっと衰退していることから2006年に自家用有償旅客運送が制度化されています。例えば過疎地でバスの本数が少ないところで高齢者の移動を行うことがあるのですが、市町村や非営利団体が公共交通機関の空白地を埋める目的だったり、福祉目的で利用する場合は、許可を得たりドライバーが講習を受ければ、自家用車で有償サービスの提供が可能になっています。
ユージ:今回、菅さんが「ライドシェア」の必要性を提言した理由は何でしょうか?
塚越さん:コロナで大幅に需要が少なくなってタクシードライバーを辞める方がいます。ここに来て観光客を含め、移動のニーズが増えているにもかかわらず、少子高齢化等でタクシードライバーが不足し、タクシー業界としても高まる需要に応えられない状況になっています。ですが、海外からの観光客を狙って、海外製のライドシェアアプリを使って、日本では許されていない白タク行為が横行する懸念がすでに指摘されています。日本がインバウンドに力を入れているにもかかわらず、特に外国人観光客のニーズに応えられなければ、こうした行為が横行するのに拍車をかける可能性があります。だったら、国として今一度ライドシェアの解禁に向けた議論をした方がいい、ということです。
ユージ:今後、国会で議論が始まるとして検討すべき課題は何でしょうか?
塚越さん:やはり利便性もさることながら、安全性の確保が重要です。海外ではライドシェアのドライバーが、女性客に暴力を働く事例などが大きな問題になったこともあり、ドライバーの身元確認の徹底や、罰則規定などを含めて、法整備はしっかり行う必要があります。そういうとタクシーはきっちりしていますよね。もう1つは、UberEatsなどのフードデリバリーサービスでも問題となった、いわゆるギグワーカーと呼ばれる労働者側の保証問題です。業務中の事故の責任など、保証は誰がするのかといった問題もあります。これも海外で問題となっていますし、さらに言うと、既存のタクシー業界との軋轢が生じて問題となる国もあるので、バランスが必要かなと思います。様々な提案があるのですが、1つはマッチングを行うプラットフォーム(アプリ会社)を登録制にしてドライバーも登録制にして、無登録には罰則することです。プラットフォーム側にも事故等での責任を一定程度もたせることなどあります。色々アイデアがあると思うのですが、タクシーと共存共栄できるサービスになれば良いと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 24, 2023
『ライドシェアサービス解禁』について⁰⁰今朝は多くの方からライドシェアについて意見を頂きました。賛同の声もある一方、「ハードルがまだまだ高すぎる」などの意見もたくさんあり、かなり極端に分かれた印象です。僕はどちらの意見にも共感しました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 24, 2023
日本のタクシーは世界で評価されることが多いです。ハード面も素晴らしいですし、海外のドライバーと比較すると接客態度も良く土地勘もあるので、世界に誇れるほどだと思います。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 24, 2023
ただし、タクシードライバーは誰もができるわけではなく、二種免許の取得など努力が必要です。ライドシェアサービスは、二種免許がない一般の人も送迎ができるようになりますが、やはりある程度のハードルは必要だと思います。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 24, 2023
他にも、万が一事故を起こした場合、誰が責任を取るのか、保証は誰がするのかをクリアにしない限りライドシェアは普及しないと思います。このようにサービスの見直しをしなければいけない部分がたくさんあるので、まだまだ多くのハードルがあるのではないかと思いました。#ワンモ