23.08.23
円安進み、一時1ドル146円台 その背景と為替介入の可能性

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「円安進み、一時1ドル146円台 その背景と為替介入の可能性」
吉田:先週木曜の東京外国為替市場で、円安ドル高が進み、円相場は一時、1ドル(146円56銭)まで下落しました。その後は、1ドル(145円台)で推移しています。塚越さん、円安が進んでいるのは、どのような背景があるのでしょうか?
塚越さん:大きな点は日米の金利差です。アメリカはFRB(連邦準備制度理事会)が、インフレを抑えるために高い金利水準にしています。7月には0.25%の利上げを決定し、2022年3月のゼロ金利解除以降、アメリカは5%を超える金利水準となっています。さらに8月16日に、アメリカの金融政策を決める委員会が、7月に会議の議事録を公開し、そこでは追加の利上げ可能性が示唆されていました。金利が高いということは利回りが見込めるので、日本円を売ってドルを買う動きが強まり、円安が進行している原因です。対する日本ですが、日銀は7月下旬に長期金利の上限を0.5%程度から1.0%に事実上引き上げました。この決定直後に1ドル(138円台)まで円高が進みましたが、その後また円安になっています。日銀は基本的には大規模金融緩和を継続するとしているので、全体としては依然として金利が低いままです。なので、日米の大きな金利差が円安の原因になります。
吉田:円安になると、どのようなメリット・デメリットがあるのか、改めて教えてください。
塚越さん:まずメリットは、輸出企業にとって海外に安く製品を売ることができるため、海外での競争力が高まります。もう1つは、海外から人が来やすい、つまり外国人観光客によるインバウンド消費になります。やはり円安の影響で相対的に日本での買い物が安くできるということも、1つのメリットです。デメリットは、「輸入」の価格が高くなることです。大きなところでは原油などのエネルギーと、小麦などの穀物といった原材料価格の値段が高騰してしまうということです。日本で飼育する鶏肉や豚肉の飼料も多く輸入しているので値段が上がります。特にウクライナ侵攻の問題で、そもそもエネルギーや穀物の価格は上がっているところに、円安も価格上昇に拍車をかけてしまうということになっています。製造業で輸出をする企業でも、原材料の輸入の価格が上がると、円安のメリットよりデメリットが多くなってしまう場合もあります。
ユージ:円安の進行によって、「為替介入」への警戒感が強まっているんですよね。この「為替介入」とは何なのか、改めて教えていただけますか?
塚越さん:為替介入を簡単に言いますと、日銀がドルを売って円を買うことで、円安を抑えるということです。去年は9〜10月にかけて、3回の為替介入が行われました。売り方等、細かな点を省いて言いますと、去年秋に行った為替介入の介入額は約9.2兆円です。例えば、去年10月に円相場が1ドル(151円90銭台)まで円安進行した際に為替介入を行い、その後1ドル(144円台)まで円高になりました。専門家の指摘によると、今回も介入を行うのであれば、少なくとも6〜7兆円程度はドル売り、円買いが行われるのでは、と言われています。
ユージ:円安が進んでいること、塚越さんは、どのようにご覧になっていますか?
塚越さん:まず、去年9~10月の為替介入前は、鈴木財務大臣が「明らかに急激な変動で、大変に憂慮している」と発言していますが、今回は「高い緊張感を持って注視している」と、去年に比べると踏み込みはゆるい発言なのかなと思います。また、去年とは円安が進むスピードが違うので、注意はしていますが実際の介入はまだ様子見ではないか、という指摘があります。あと、去年は「悪い円安」という言葉が支持率の低下に繋がったりなど、今年4月からの円安は株高をもたらしたり、今年6月の貿易収支が黒字となるなど、全体として円安メリットがあります。政府は去年よりは為替介入の必要性を感じていないのでは、といわれています。先ほど話したように、インバウンドの影響があり、円安のメリットもあります。ですが、個人的に外国人観光客や一部の輸出企業が好調だったり株価が上がったとしても、一般の生活者である私たちにとって、どれほど恩恵があるかは分かりません。円安はエネルギーの輸入等が上がるので価格も上がり、まだまだ食品等の値上げも続き、私たちの家計のダメージとなっています。さらに言うと、円安で輸出がプラスになったとしても、安いから海外に売れるというよりも、本来は高くても高付加価値のモノが売れないといけません。僕は「もう1度、日本でアイボーンみたいなものを作ろう」と話しているのですが、こういうものを作ると考えた時に円安で競争力が強いとどうなるんだろう。と考えてしまいます。そうなると、円安にメリットがあるとしても、このまま円安が続くと、どうなのかなと思います。企業としてもそうですし、生活者の目線に立つということも非常に重要だと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 23, 2023
『円安進み、一時1ドル146円台 その背景と為替介入の可能性』について
1ドル=146円台になると、円安を抑える為替介入の警戒感が強まると話しましたが、円安の影響は悪いことばかりではなく、輸出企業が海外へ安く製品を売れるメリットもあります。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 23, 2023
また、海外から人が来やすい インバウンド消費で日本での買い物が安くでき、沢山お金を使ってくれるメリットもあります。コロナが落ち着いてきて、みんなの「旅行に行きたい!」という欲が解放されつつある今、旅先に日本が選択肢に入ってくる可能性は強くあります!#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 23, 2023
この機会をうまく利用して、もっともっと呼び込んで、日本でお金を使ってもらうことは、大きなポイントです。そして、為替介入に進まない方法で、徐々にでも適正な価格、もう少し円高の傾向へ振れると良いなと思いました。#ワンモ