23.08.22
レゴランド・ジャパンが導入する週休3日制について

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「レゴランド・ジャパンが導入する週休3日制について」
吉田:テーマパーク「レゴランド・ジャパン」の運営会社は17日、育児や介護を目的として希望する従業員を対象に、9月から選択的週休3日制を導入すると発表しました。神庭さん、レゴランド・ジャパンの週休3日、具体的にはどのような制度ですか?
神庭さん:LEGOLAND Japan合同会社によれば、育児・介護を目的として希望する従業員を対象に、通常120日のところを年間の休日数を156日とし毎月所定の休日を付与する制度です。レゴランドの制度を説明する前に、世に言う週休3日について簡単に解説します。一口に週休3日と言っても、大きく3つに分かれます。1つ目が、「給与維持型」で、給料がそのままで労働時間が減ります。社員にとって1番おいしいパターンですが、日本ではほとんどありません。アイスランドやスペイン、イギリスなどで試験導入の例があります。2つ目が「総労働時間維持型」で、給料そのまま労働時間もそのまま、休日の分を出勤日に働きます。たとえば8時間×週5日で週40時間労働の会社なら、10時間×週4日もOKにしよう、という形です。3つ目が「給与減額型」で、働く日が減るけど給料もその分減るというものです。今回のレゴランド・ジャパンの週休3日は「総労働時間維持型」と「給与減額型」を選べる制度となっています。
吉田:導入する狙いはどこにあるのでしょうか?
神庭さん:レゴランド・ジャパンは「育児・介護を行う社員により働きやすい環境を提供することを目指す」としています。従業員を対象に実施したアンケートで、時短勤務よりも週休3日を望む方が65%に達したため、この制度の導入を決めたということです。
ユージ:日本で週休3日が広がっているのでしょうか?
神庭さん:厚生労働省の調査によると、完全週休2日制よりも休日の日数が多い制度を採用している会社が8.6%あるそうです。この中には、週休3日以外に3勤3休、3勤4休なども含まれているのですが、8.6%という数字は意外に多いなという印象ですかね。
ユージ:確かにそうですね。例えば、どんな企業が導入しているのでしょうか?
神庭さん:有名どころだと、ユニクロを展開するファーストリテイリングやZOZO、リクルート、日立などは「総労働時間維持型」を採用しています。労働時間をキープしたうえで、給与も維持しています。Yahoo!や、みずほフィナンシャルグループ、JTB、SOMPOひまわり生命は「給与減額型」です。ノーワーク・ノーペイ型とも言いますが、労働時間が減ると給料もその分の賃金が減ります。「給与維持型」は、日本でほとんどないと言いましたが日本マイクロソフトで2019年に1ヶ月限定で試験導入されたケースがありました。あとは広島にある、精米機メーカー「サタケ」が閑散期の夏季限定で給与維持型の週休3日を実施しています。従業員からしたら非常にありがたい話です。
吉田:週休3日、働く方としては良いことのように思いますが、メリット・デメリットはどういったところにあるでしょうか?
神庭さん:従業員側のメリットは、子育てや介護、副業などに対応した柔軟な働き方ができるようになることです。給与が下がる場合は、それが最大のデメリットとなります。従業員の裏返しで給与減額型の場合、会社側は固定費、人件費の削減が最大のメリットとなります。リモートワークしかり週休3日しかりですが、優秀な人材ほど柔軟な働き方を求めて、どんどん転職するきらいがあります。人手不足に各社悩まされているなかで、優秀層を引き留めたり、逆に採用したりする際に「週休3日」は1つのセールスポイントになると思います。あとは、空いた時間でリスキリングや副業に励んで、新たなスキルを身につけることができれば、従業員と会社にとって共通のメリットとなります。週休3日によって「ありがとう、会社さん大好き」と愛社精神が高まるか、勤務日が減って会社への帰属意識が薄まるかは、両面あると思います。
吉田:そういった中で、課題は何でしょうか?
神庭さん:従業員の不安をどう払拭するかということです。マイナビ転職の昨年の調査によると、週休3日で収入が減るなら利用したくないという人が78.5%、1日の労働時間が増えて収入が変わらない場合でも53.9%が利用したくないと答えています。「労働時間が減っても収入が変わらない」という条件がついて初めて、ようやく「利用したい」が77.9%となるのですが、当たり前の話です。従業員の間に「どうせリストラの言い換えだろ」「選択制とか言いつつ、そのうち強制になるんじゃないのか」みたいな警戒心が根強くあるうちは、なかなか普及しないと思います。会社側も人事制度の刷新やシステムの更新などそれなりに準備が必要になるのかなと思います。
ユージ:週休3日について、神庭さんはどう思いますか?
神庭さん:まずは、しっかり今ある有休を消化させて欲しいというのが大前提です。あくまで「選択的」である限りは、選択肢が増えるだけなので特に問題はないかなと思います。過去にフリーターや非正規労働者を増やす時も「夢を追いかけるための自由な働き方」「新しい時代の柔軟な働き方」みたいな美辞麗句で散々持ち上げてきた歴史を忘れてはいけないかなと思います。国や会社が聞こえのいいことを言っている時は要注意です。働き方改革と言っていたけど、実際はただの「働かせ方改革」でした、「事実上のリストラでした」みたいなオチにならないように、しっかり監視していく必要があります。そこが守られたうえであれば、週休3日のおかげで会社を辞めずに済んだとか、会社の生産性が上がったとか、ポジティブな面もたくさんあるのではないかと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 22, 2023
『レゴランド・ジャパンが導入する週休3日制について』
週休3日制と言うと、単に休みが増えるだけだと思う方もいるかもしれませんが、「給与維持型」「総労働時間維持型」「給与減額型」など様々な形があるので、それぞれ中身を見極める必要があります。#ワンモ
#ユジコメ②⁰レゴランド・ジャパンの場合は「総労働時間維持型」と「給与減額型」を選ぶことができますが、育児の観点では、週休は3日にしなくても良いので1日の労働時間を短縮してくれた方が、育児をしている身としては助かる部分が増えるのではないかと僕は思いました。#ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 22, 2023
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 22, 2023
理想を言えば、給与を維持したまま週休3日になる方が良いと思います。
実質賃金が低下している現在、せめて給与はそのままで良いので休みを増やすなど、実質賃金を向上させる方法を考えた方が良いのではないかと思いました。#ワンモ