23.08.16
4月~6月のGDP、3期連続プラス

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「4月~6月のGDP、3期連続プラス」
吉田:昨日、内閣府が発表した国内総生産(今年4月~6月までのGDP)の速報値は、物価変動を除いた実質の伸び率が、前期と比べて+1.5%となりました。これが1年間続いた場合の年率に換算すると、+6.0%で3期連続のプラスです。塚越さん、今年4月~6月のGDPについて、改めて、教えてください。
塚越さん:まずGDPの速報値は物価の変動を除いた実質伸び率が前の3ヶ月と比べて+1.5%でした。これを1年間続いた場合の年率換算すると+6.0%で、3期連続になります。民間の予測は、年率換算3.1%程度でしたので予想以上の数字になります。様々な要因がありまして、まず輸出です。自動車は半導体の不足が緩和したこともあり、輸出の伸びを牽引しました。また、外国人観光客のインバウンド消費が注目されましたが、統計上ですと外国人観光客も「輸出」にカウントされます。こうしたこともあり、輸出は前の3ヶ月と比べて3.2%増加しています。
ユージ:観光客の消費も輸出なんですね。
塚越さん:そうです。逆に「輸入」は原油や携帯電話の輸入が減って、-4.3%です。すると、輸入は減るのですが輸出量は多く、外国からの需要が多い「外需」がGDPを引き上げたことになります。一方、GDPの半分以上を占める「個人消費」は-0.5%と、3四半期ぶりのマイナスになります。こちらは国内需要、つまり「内需」にあたります。5月の新型コロナの5類移行に伴い、旅行や外食といったサービス消費は伸びるのですが、昨今の物価高で食料品等のいわゆる日々の生活に関する消費が減ったり、冷蔵庫等の白物家電の販売も低下しました。また、企業の「設備投資」は、ソフトウェア等への投資は伸びたものの、研究開発費は減ったので、+0.03%とほぼ横ばいになっています。色々な動きがあるのですが、GDPは実額ベースだと年換算で560.7兆円と、データが比較できる1994年以降で最も大きくなっています。
吉田:4月~6月のGDPは、海外も伸びているのですか?
塚越さん:海外との比較も重要です。結論から話すと、アメリカもEUも中国も伸びているのですが、数字だけでみれば1番伸びたのは日本です。アメリカは前の3ヵ月と比べた実質伸び率が、年率換算で+2.4%です。(日本は6.0%)アメリカは、企業の設備投資や個人消費は伸びているのですが、利上げの影響などもあり今後はまだ分かりません。ユーロ圏は年率換算で+1.1%インフレとヨーロッパ中央銀行の利上げが1年にわたって続いている影響で、企業の景気見通しも悪化しています。先行きは不透明ということで、プラスですがそのような状況です。中国は、内閣府の試算では年率換算で+3.2%です。ゼロコロナ政策が終わって、飲食などは回復しつつも人々の節約志向だったり、不動産産業が長期低迷化、企業の輸出も減少傾向にあり、こちらも先行きは不透明です。というよりも、実体はかなり厳しいという予測もあります。こうした問題もあり、日本の7月〜9月のGDPについても、どこまで輸出が伸びるかがポイントかなと思います。4月〜6月期は円安もあって輸出が伸びているのですが、最大の貿易相手国である中国が減速していることで、長期的に日本経済にも影響します。中国の貿易比率が大きい日本企業の中には、中国向けの売上が減るなかで、最終的にインドへの販路拡大を目指す企業も出ています。
ユージ:今年4月~6月までのGDPについて、塚越さんはどのようにご覧になりましたか?
塚越さん:GDPが伸びたことは良いのですが、外需(輸出)が大きく、内需(個人消費)が減っているのがポイントです。円安がおさまったり、他国の要因によっては今後の輸出が減るという、外需の懸念点があります。大きな問題は、国内需要である「内需」の問題です。給料の伸びより物価の伸びの方が高く、実質賃金が下がりっぱなしの状況があるので、内需が弱くなっています。GDPが伸びても、私達の日々の暮らしがキツイ感覚があるので、ここから来ています。日本経済の根本的な問題は大きく変わっていないので、GDPが伸びることは手放しでは喜べない状況かなと思います。あと、日銀総裁が植田さんに変わって、10年続く異次元の金融緩和からの脱却、つまり事実上の利上げの道を探り始めている見方もあります。これには様々な議論がありますが10年続いた金融緩和をやめた時に、どのくらいの日本経済に影響があるのか、様々な角度から考えつつ我々も注目する必要があります。
そして、今日の#ユジコメはこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 16, 2023
『4月~6月のGDP、3期連続プラス』について
内訳を見ていくと、数値的には上がっていますが、重要なのは外需と内需で見ていくことです。外国人観光客が日本で消費をすることは外需にカウントされるため、現在、外需の部分が非常に調子が良い状況です。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 16, 2023
一方、我々が国内で買うものだったり、生活に使うお金など、内需の部分がマイナスになっています。全体的に見ると数値は上がっていますが、中身を細かく見ると、日常生活の中では感じづらい部分が見えてきます。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 16, 2023
働く方々の賃金の増やすなど、個々の消費を促すことができれば、内需も上昇し、日本のGDPはもっと上がる可能性があります。そのためには、企業も政府も含め、国内全体で内需を上げるために取り組んでいく必要があると思います。#ワンモ