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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.07.10

話題の新SNS「Threads(スレッズ)」
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【話題の新SNS「Threads(スレッズ)」】

吉田:日本時間の6日(先週木曜日)から提供が始まったMeta社SNS、Threadsが早くも登録者数7000万人を超えたことが大きな話題となっています。神庭さん、さっそく、このThreadsの特徴を教えてください。


神庭さん:テキストベースのSNSで、使用感はTwitterにとてもよく似ています。ほとんど一緒ですね。


ユージ:ハッシュタグが無いですよね?


神庭さん:そうですね。ちょいちょい違うところがあるのですが、逆にTwitterと違う部分を説明していくと、今のところすべて無料で広告が入っていません。Twitterは無料だと140文字、有料のTwitterBlueだと1万字以上の投稿ができるのですが、Threadsは上限500字となっています。無料だとThreadsの方が多く投稿できます。写真や動画が投稿できるのはTwitterと同様ですが、Threadsの方が同時投稿できる写真の枚数が多く、Twitter4枚に対して、Threadsは10枚アップできます。基本スマホの利用が想定されていて、PCでは閲覧だけです。Twitterに比べて圧倒的に投稿のキラキラ度が高いです。Instagramのアカウント情報を引き継いで始められることもあり、Instagramで人気の芸能人やインフルエンサーがどんどん参入しているような状態です。1番のセールスポイントは、これだけ一気に利用者が増えても、安定していて簡単に落ちない(障害が起こらない)ところです。というのも、Threadsの大成功はTwitterの身から出たサビ、という側面も大きいです。


ユージ:というと?どういうことでしょうか。


神庭さん:Twitterが今月に入って無料だと1日600投稿しか見られないよう閲覧制限をかけたことで、ユーザーの間で不安視する声が広がっていました。そこに当初の予定を前倒しして、MetaがThreadsをぶつけてきました。ポストTwitterの候補として、元TwitterCEOが作った「BlueSky」や、与謝野晶子が人気の「Misskey」など色々な名前が取り沙汰されてきたのですが、Threadsが驚異的な成長スピードで一気に最有力候補に名乗りを上げました。機を見るに敏というか、Twitterからすると非常に痛いタイミングです。


吉田:Threadsの方がTwitterより優れているのですか?


神庭さん:一概にそうとも言えなくて、弱点もあります。検索機能がなく、アカウント名のみの検索なので、災害や電車の遅延、事件、事故やトラブルがあった際に真っ先にTwitterを開いて状況確認する人が多いですが、Threadsはそういう使い方ができません。現段階ではライフライン、情報インフラとしての機能はあまり期待できません。そして、ハッシュタグがないので、テレビで「ラピュタ」が放送されてる時に、みんなで「#バルス」ってつぶやこうぜ、とか「#ワンモ」で番組を実況して、感想を書き込むといったことができません。スポーツの大きな大会やドラマの最終回などもハッシュタグで盛り上がったりするのですが、そういうリアルタイムで繋がりを創り出す力はTwitterに比べると弱いかもしれません。ただ、Metaの幹部が検索機能やハッシュタグ機能の開発に「取り組んでいる」とThreadsに投稿しているので、のちに実装されるかもしれません。


ユージ:時間の問題かもしれませんね。


吉田:Instagramにはありますよね。


ユージ:Instagramにはあるから、できるかもしれないですね。他にはどうでしょうか。Twitterと異なる点はございますか?


神庭さん:トレンド機能が無いです。ネットで今何が流行っているか、話題になっているか手早くキャッチしたい時に、Twitterのトレンド機能は便利です。ハッシュタグがないこともあって、Threadsの世論を喚起する力、世の中を動かす力は今のところTwitterに比べると大きくない印象です。ただ、これはプラス、マイナスがあって、そのぶん炎上やバッシング、デマや誤情報が広がりづらいとも言えるかもしれません。
ユージ:客観的に見ても、Twitterとの対立構図っていうのはみんな感じていると思うのですが、実際にTwitterがThreadsを運営するMetaの提訴を検討しているという報道も出ていますが。Twitter側は、MetaがTwitterの元従業員を雇って企業秘密を盗まれたと主張しています。Meta側はThreadsのエンジニアリングチームにTwitterの元従業員はいないと反論しています。イーロン・マスクは「競争はいいが、不正はダメだ」とツイートしています。一方のマーク・ザッカーバーグも11年ぶりにTwitterに投稿しました。2人のスパイダーマンがお互いを指差しあって「お前は偽物だ」と言い合っているシーンなんですね。これは何を意味しているというと、ここから僕の想像ですが「Twitterは当初の牧歌的な言論空間から変わったのではないか。Threadsが『Twitterを真似した』と言っているけど、偽物はお前の方じゃないのか?」というマーク・ザッカーバーグの皮肉と読めないこともないかなと思います。イーロン・マスクとマーク・ザッカーバーグの間では、先月から冗談めかして金網デスマッチしようぜ、という話が出ていますので、Twitterは冗談抜きで創業以来、最大のピンチですからバチバチ感が強まってきたな、という感じです。


ユージ:僕、ちょうどこの話題のときハワイにいたので、ハワイでもネット上でイーロン・マスクとマーク・ザッカーバーグの顔をはめたアイコラの様な対立プロレス動画がいっぱい出回っていました。アメリカでも相当話題になっていて、本人達もそれを笑いに変えられるような対立構図にしていったらどんどん盛り上がると思います。


神庭さん:プロレスならいいですね。


ユージ:神庭さんが気にしている今後の注目すべきポイントはありますか?


神庭さん:InstagramやFacebookという莫大な富を生むサービスがあるからこそ、MetaはすぐにThreadsで儲けられなくても「収益化は億単位のユーザーを得てからでいいや」という強気な勝負ができるわけですが、一方で、Metaは過去に支配的な地位を利用して競争を歪めているとして、EUから独占禁止法違反の疑いで警告を受けたことがあります。つい最近も、個人データの保護規則に違反したとして、アイルランド当局がMetaに1800億円の制裁金を科すと発表しています。日本はこういった対策がガバガバなので、Metaからしたらやりやすい市場かもしれないですが、InstagramやFacebookに加え、短文投稿までできると大きな権力になってしまうので、そこは注意ですね。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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