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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.06.27

文科省が小・中・高向けの指針として原案を作成した生成AIの使い方
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「文科省が小・中・高向けの指針として原案を作成した生成AIの使い方」

吉田:ChatGPTなど生成AIについて、文部科学省が策定する小中高校向け指針の原案が22日、判明しました。神庭さん、原案ではどんなことが指摘されているのですか?


神庭さん:朝日新聞の独自報道で明らかになったところによると、夏休みの読書感想文や各種コンクールに出す作品について、AIに作らせたのに本人が作ったかのように装って提出することは不正行為だとして指導します。定期テストや小テストなど成績に影響する場面で、AIに頼るのも「不適切」だとしています。まあ、そりゃそうだよね、という常識的な内容ですが、「今までもコピペはダメだよ」「ネットは嘘もあるよ」「SNSの使い方は気をつけてね」みたいな話は散々、学校でもしているのですが、その最新版ということだと思います。文科省はAIや教育工学の研究者、学校現場の教員ら有識者からヒアリングをしながらガイドラインを作っていまして、永岡文部科学大臣は「個人情報保護や教育情報セキュリティ、著作権保護の観点も示していく必要がある」と話しています。夏休みが始まる前の7月にもガイドラインを公表する予定だそうです。


吉田:実際、教育現場でAIを活用する場合、どういった課題が考えられますか?


神庭さん:いつも言っているように、生成AIには正確性や著作権などの面で課題があります。加えて教育に関して言うと、AI頼みで基礎学力が落ちないか、批判精神やクリエイティビティーが損なわれないかといった部分が懸念ポイントになってきます。逆に言えば、そうした懸念点をケアしたうえであれば使用を全面禁止しているわけではありません。(文科省のガイドライン案も同様)


ユージ:今回の文科省のガイドライン案ではOKとNGの線引きをどう引いているのですか?


神庭さん:先ほど話した「正確性や権利面も含め、生成AIには限界や課題があるんだよ」ということをキチンと押さえないままに子どもに際限なく使わせたり、詩や俳句のような芸術活動に安易に使わせたりするのはNGになっています。一方では、グループで議論したうえで、足りない視点をAIで探す、高度なプログラミングを学ぶ際に使用、英会話で文法の誤りを指摘させるといった活用方法はOKということになっています。


ユージ:なるほど。生成AIは上手に使えばメリットも多そうですよね?


神庭さん:そう思います。子ども達の中から、思いも寄らないような活用のアイデアが出てきたら面白いと思いますし、先生が忙しすぎて学校のブラックな職場環境が問題化しているので、個人情報の管理を徹底したうえで業務効率アップに活用できそうな部分があれば、そちらの可能性もぜひ模索して欲しいな、と思います。学校ってプリントやお知らせなど資料を作成する機会が多いので、自動化できる部分もありそうだな、と思います。もう1つは、学習を充実させる方向性です。生成AIは「大学生に教えるように教えて」「小学生にも分かるように答えて」とリクエストすると、それに合わせて回答をチューニングしてくれます。この機能をうまく使えば、同じクラスの中でも、生徒の習熟度によって別のプリントを渡して解かせるような、きめ細かい対応が出来るようになるかもしれません。消極的でなかなか手を挙げて質問できない子も、AIになら気軽に聞ける、ということもあるかもしれません。


吉田:教育現場での生成AI活用、神庭さんはどう考えますか?


神庭さん:将来的にAIを活用できる人材がますます必要になってきます。完全に禁止して遠ざけるのではなく、耐性、免疫をつけて距離感の取り方も含めて教えていくことが大切だと思います。生成AIには、「ハルシネーション」(幻覚)といってもっともらしく嘘をつく性質があります。これを逆手にとって、アサガオの育成方法でもダンゴムシの生態でもなんでもいいので、「生成AIを使ってレポートを作りなさい」「そのレポートの中から、AIがついた嘘を最低1つ、できれば3つ以上見つけなさい」「見つけた嘘を正しい表現に訂正しなさい」みたいな課題を出したら、「AIは神のお告げでもなんでもなくて、弱点もあるんだな」ということが身に染みて分かりますし、批判的な思考力も身につけられるのではないか。と思います。


ユージ:生成AIを逆利用するということですね。


神庭さん:ChatGPTもGPT-4で賢くなってきているので、もはやそんなに間違えないかもしれませんが、今年の夏休みか冬休みぐらいはまだいけそうな気がします。著作権や権利について理解を深めたいなら、例えばAIに絵や文章を作らせて、「AIはどこから文章や表現をパクってきていると思うか?予想される出典を探して、参考文献リストを作ってみよう」といった課題を出すことも出来るかもしれないです。国語だったら「3つの読書感想文のうち、AIが書いたのはどれでしょう」英語だったら「AIの翻訳ミスを探しなさい」数学や現代社会なら「統計の数字の読み取りミスを指摘しなさい」ということが出来ると思っていて、AIは数字の読み取りが弱かったりします。あとは、情報だったら「AIに複数のプログラムを作らせて、長所と短所を比較しなさい」道徳だったら「AIのこの回答は倫理的にどんな問題がありますか」などの投げかけ方が出来るかもしれません。一口に使いこなすと言っても、発達段階によって理解度や習熟度は変わってくるので、学年に応じて適切なAIリテラシー教育をしていけるといいのではないかな、と思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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