23.06.15
プレミアムフライデー復活の背景

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「プレミアムフライデー復活の背景」
吉田:新型コロナの感染症法上の区分が「5類」となったことをきっかけにして、全国の飲食店や小売店で「プレミアムフライデー」に絡めたキャンペーンが復活しています!新型コロナの感染が広がるずっと前の2017年、個人消費を喚起する目的で経産省と経団連が旗振り役を務めていましたが、いつのまにかフェードアウトしました。すでに、「どんなサービスが受けられるの?」と忘れている方もいるかもしれません。そこで「プレミアムフライデー」の基礎知識から、復活に至った背景について塚越さんに解説していただきます!
ユージ:そもそも「プレミアムフライデー」は何のことでしょうか?
塚越さん:2017年に経産省と経団連が共同で始めたキャンペーンで、個人消費を後押しするのが目的です。月末の金曜日は午後3時をめどに仕事を終え、買い物や旅行などで“豊かな週末”を過ごそう!というものです。仕事を早めに終えることでプライベートの時間を確保すれば、結果的に消費が伸びることを目的にしています。また、働き方改革も目的にしています。午後3時の退社は実際難しいのですが、ノー残業デーなど、早く退社することを目指したものでして、飲食店や小売店もこの流れに連動して、キャンペーンを行うところもあります。
吉田:実際に効果はあったのですか?
塚越さん:導入直後の2017年のデータでは、そもそも制度を導入している企業も数%レベルだったのですが、積極的に制度を導入した一部の企業では、前の週と比べて20%ほど上がったデータもあるそうです。経産省によれば、認知度は導入から1年経った時点で約9割と高く、早く帰宅する早期退社率も10%ほど。他の日への振替等を含めると20%と、消費喚起だけでなく、働き方改革としても一定の効果があったと経産省は資料で述べています。一方で、金曜の消費が増えても、別の日の消費がその分下がり、トータルでは変わっていないという指摘もあります。NHKの記事によれば、プレミアムフライデーが始まった2017年当初、経産省は広告会社に1億8200万円を出して広報やPR戦略の立案と実施などを委託しました。様々にお金もかけている中で、どれほどの効果があったのかといえば、微妙だなあ、と思う部分があります。
ユージ:なぜ、いつのまにかフェードアウトしてしまったのでしょうか?
塚越さん:認知度自体はかなり高かったのですが、実際に導入した企業は多くなかったことです。そしてなによりの問題がコロナです。プレミアムフライデーどころではなくなったことで、経産省のプレミアムフライデーの告知ページも更新がストップしてしまいました。
ユージ:それがなぜ、今になって復活することになったのでしょうか?
塚越さん:やはりコロナが5類に移行したことが大きく、売上アップに期待しようということです。経産省のサイトでは「普段は行けない2.5日旅へ」「『アフター3エンタメ』を楽しもう」といった言葉が出ています。また、当初からプレミアムフライデーで売上を伸ばした飲食店「串カツ田中」は、プレミアムフライデーに料金を変えず串かつの量を倍にするキャンペーンを復活させています。
吉田:復活させるのも良いですが、アフターコロナの時代に合った新しいキャンペーンもあればいいなと思うのですが…。
塚越さん:個人のライフスタイルに即した「プレミアム」を提案する時代だと思うのですが、そんな中で一律で金曜にはやく仕事を終えるという提案自体が古いですね。そもそもコロナを経た時代にもう一度このキャンペーンをしようと思うこと自体、はっきり言ってナンセンスだと思います。プレミアムフライデー制度を開始して1年が経過した2018年時点で、プレミアムフライデーに早く帰宅したという人は平均11.2%と少なく、大企業だと16.4%、中小零細企業は10.2%になります。余裕のある人が早く帰れるということが出ています。コロナによって経済的に厳しい方もいますし、在宅ワークが普及して、まさに働き方が多様になりました。金曜以外でも、色んな時間に休める社会を後押しするべきだと思います。古いタイプの飲み会キャンペーンが大きくなってしまうので、様々な雇用形態で働いている人のためになるのか?令和の時代にどうなんだろうと思っています。だったら、金曜日は在宅勤務にして、自宅の用事を済ませる方がいいのではないかと個人的に思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①?『#プレミアムフライデー 復活の背景』??コロナ感染症法上の区分が5類になったことで、プレミアムフライデーが復活しつつあります。制度としては良いと思うのですが、少しだけ制度を見直した上で復活させても良かったのではと思いました。#ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 15, 2023
#ユジコメ②?特に、コロナ禍によって働き方は大きく変わりましたし、みんなで金曜日に早上がりして飲みに行くぞ、というは少なくなったように思います。さらに、金曜日だけに制限してしまうと働き方が多様な人たちが恩恵を受けられず、寂しさを感じると思います。#ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 15, 2023
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 15, 2023
そういう意味では、例えば月末の週を“プレミアムウィーク”にしてみるなど少し変化を加えて、尚且つ、幅広い業種の人が楽しめる制度にしてみても良いのではないでしょうか。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 15, 2023
国を挙げて盛り上げたいのであれば、飲食店や小売店へ何か還元できる制度や、会社を後押しできるようなバックアップ体制が整備されればもっと盛り上がると思いました。#ワンモ