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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.06.05

ネット銀行の預金量急増
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「ネット銀行の預金量急増」

吉田:日経新聞によると、2023年3月期決算をもとに集計した結果、楽天銀行をはじめとするネット専業銀行の主要6行の残高はおよそ29兆円です。5年前に比べて倍増していることが分かりました。そこで今朝は、ネット銀行の人気の理由とリスクについて神庭さんに解説していただきます。まずは、ネット銀行の魅力について教えてください。


神庭さん:最大のメリットは簡単に口座開設できて、振り込みもATMや銀行窓口にわざわざ行かないでネットで完結できるところです。メガバンクに比べて金利も高く、例えば「auじぶん銀行」だと、色々な証券サービスのアカウントと連携することで最大年利0.2%になります。これはメガバンクの普通預金の金利の200倍の水準です。「楽天銀行」も楽天証券の口座と連携することで金利が0.1%、メガバンクの100倍まで金利が上がります。「楽天銀行」だったら楽天ポイント、「auじぶん銀行」ならPontaポイントという具合に、色々な手続きのたびにちょこちょこポイントが貯まるのも、ポイ活勢にとっては嬉しいところだな、と思います。


ユージ:ネット銀行のデメリットはあるのでしょうか?


神庭さん:怖いのは、安全性の部分です。メールやショートメッセージを通じて偽サイトに誘導して、IDやパスワードを盗んで不正送金するフィッシングが増えてるそうなので、気を付けてください。


ユージ:冒頭でも、吉田さんから5年で2倍という紹介がありましたが、ネット銀行は、そんなに好調ですか?


神庭さん:吉田さんからお話あった通り、主要6行の預金残高は3月末段階で合計約29兆円となり、5年前の2倍に増えています。1行あたりの平均でみても、もはや地方銀行並の規模に成長していて、2行目、3行目のサブ的な使い方ではなく、給与受け取りのためのメイン口座にネット銀行を使う人も増えてきています。


吉田:そもそも、ネット銀行はなぜ高金利を実現できるのですか?


神庭さん:メガバンクや地銀に比べて、運営コストを安く抑えられるのが大きいです。リアルの店舗がないので家賃や人件費もかかりません。そのぶんの余力を預金の金利を引き上げたり、住宅ローン金利を抑えたりといった方に振り向けることができます。大手銀行も支店の統廃合、リストラを進めていますが、既存のお客さんがいますので、一気に全部なくすような乱暴なことはできないということです。


ユージ:確かに、店舗として構えるのはコストかかりますからね…。


神庭さん:少し前に日本の自動車メーカーがEVになかなか踏み込めない背景として「イノベーションのジレンマ」があると話をしましたが、銀行業界にもまったく同じ構図がありまして、これまで成功してきた大手ほど、ドラスティックな改革に踏み出しにくいです。それでも3月に、三井住友フィナンシャルグループがキャッシュカード、クレジットカード、ポイント払い、証券、保険といった機能を一本化したアプリ「Olive」を出すなど、メガバンクの中でもネットユーザーを意識した動きが出ています。セブンイレブンやローソン、マクドナルドなどでのタッチ決済で、ポイント還元率が最大5%、7月からは7%と大盤振る舞いでして、「この時代に7%はすごい」と話題になっています。大手もいよいよ本気出してきたな、という印象です。他にも銀行関係で気になるトピックは、異業種からの参入が相次いでいることです。ダイヤモンド・オンライン、松崎のり子さんの記事《ドコモ、JR東、第一生命…異業種が「銀行」設立ラッシュ!参入の思惑とは》によると、昨年12月に、NTTドコモが三菱UFJ銀行と組んで「dスマートバンク」をスタートし、来年にはJR東日本グループが楽天銀行と「JRE BANK」の開業を目指しています。住信SBIネット銀行は「NEOBANK」というブランドで金融畑ではない異業種のパートナー企業に、ネット銀行機能を提供していてます。高島屋、ヤマダ電機、JALといった企業がNEOBANKサービスを展開しています。このやり方を「BaaS(バース)」といいます。


ユージ:バースとは?


神庭さん:バースといっても最強の助っ人外国人ではなく「Banking as a Service」の略称でして、銀行の免許は無いけど、金融サービスを活用したいというニーズは大きいので、銀行が「助っ人」になるBaaSのような形は今後も広がっていく可能性があります。異業種参入でいうと、Appleが4月にアメリカで始めた預金サービスが最近、注目されています。ゴールドマン・サックスと組み、年利4.15%という高金利を実現しました。あくまでもガンガン利上げが進むアメリカでの金利で、超低金利の日本からすると別世界の話ではありますが、将来的に「黒船」になって日本に上陸する可能性が大いにあります。Appleは本業で十分に稼いでいるので、こういった戦い方ができます。ユーザーからしたら金利が高くて嬉しいサービスですが、今後GAFA級の大手ITプラットフォームが本気で金融に乗り出してきた場合、日本の地方銀行は太刀打ちできるのか不安になる部分があります。黒船襲来に備えて、今から一層の金融のDX化、フィンテック領域の強化を進めていく必要があると思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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