23.06.01
北朝鮮による衛星打ち上げ失敗

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
軍事ジャーナリスト、黒井文太郎さんの解説を城西大学助教、塚越健司さんと一緒に伺います。
今回、取り上げるテーマはこちら!
『北朝鮮による衛星打ち上げ失敗』
吉田:昨日、午前6時29分ごろ、北朝鮮は軍事偵察衛星を搭載したと見られる「飛翔体」を発射し、政府は、ミサイルが沖縄県周辺に落下する可能性があるとして全国瞬時警報システムを発令しましたが、Jアラートは解除されました。その後、韓国軍合同参謀本部が発表した情報によると、飛翔体は「正常ではない飛行」を続けたのち、朝鮮半島西方の黄海に落下しました。はたして、今回の衛星の打ち上げが失敗したことが意味するものは何か?軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんに解説いただきます。
ユージ:まずは、今回の衛星打ち上げ失敗の原因は何か?今後、あらためて打ち上げる余力はあるのか?伺いました。
黒井さん:北朝鮮は、「偵察衛星を打ち上げる」と言って、地球の周回軌道に乗せるのを予定していたのですが、それが失敗して黄海に落ちたということです。実際、北朝鮮側が発表しています。おそらく2段式もしくは、3段式のロケットで、1段目の燃焼が終わって切り離し、2段目に点火してブーストかけようとしたのですが、うまく機能せずに失速して墜落したということです。その原因について詳しいことは分かりませんが、北朝鮮側の意見としては、その新型エンジン体系の信頼性の低下と、もう1つは、燃料の不安定さということです。いわゆるチェックのミスや、そういった簡単なものではなく、システム自体に問題があったことを北朝鮮が認めているので、これを改善していくには、それなりの時間が必要かな、と思います。今回5月31日~6月11日までの期間を設けたのは、あくまで今回打ち上げた衛星ロケットが成功する前提のもとです。早い段階でまず目標計画に進めて、天候や最終的なチェックに手間取り、予備日の後半に日数を置いていたということです。そのため、今回の失敗は、1回白紙になります。次に技術的な解決をして、それからもう1度打ち上げが決まれば、日程を予告するという手順になります。
ユージ:では、今回の実験失敗で明らかになったことは何なのか?北朝鮮国内、そして日本をはじめとする国際社会への影響は、どんなことが考えられるのでしょうか?
黒井さん:国際社会への影響は全くないと思います。理由は、今回北朝鮮が打ち上げたのは、他の国が打ち上げてるような普通の衛星と同じですが、過去に核実験とミサイル開発を同時に進めていた時期に、そのミサイル技術を使った発射全体を禁止するという国連安保理決議が通りました。当時はロシアも中国も、北朝鮮は核ミサイルを作っていましたから、それに反対できなかった事情があります。ですので、国連安保理決議違反になるのですが、それに対するさらなるペナルティを国連安保理決議で定義しても、現在はもう、中国とロシアが北朝鮮の肩を持つというのを明確にしているので、その決議は通りません。そのため、新たな制裁強化というのは、国際法的には行われません。アメリカ、韓国、日本は、独自の制裁に動く可能性がありますが、それはあくまでも、国際法に基づかない独自のものです。ある程度行うかもしれませんが、すでに北朝鮮に対する制裁は、もうできることをほとんど行っていますので、事実上北朝鮮は国連安保理決議違反ですが、黙認されて、国際社会でスルーされてしまうことになります。
ユージ:ここまで軍事ジャーナリスト黒井文太郎さんのコメントをお聞きいただきましたが、塚越さん、いかがですか?
塚越さん:ロケット一機を飛ばすのに数億ドルかかると言われているので、失敗はつきものですが、北朝鮮にとって痛いですね。わざわざ失敗を表明するのですから、続けるつもりだと思われます。一方で、アメリカと韓国は5月25日から北朝鮮の「全面攻撃」を想定した最大規模の米韓合同の実弾演習を開始しています。そういう意味では、緊張関係の中で駆け引きが続けられています。こうした状態をどうにかしなければなりませんが黒井さんの話にあるように、難しいことかな、と思います。一方で、私の専門でもある情報社会の領域で言えば、今後Jアラートが発出された時にどうするべきか考えることです。昨日も番組で「適切に恐れましょう」と言いましたが、過度に怖がるのもメンタルにも影響しますし、相手の思うツボになってしまいます。テレビやラジオで公式の情報が入ってきますので、感情的に揺さぶられることにストレスを感じる方は、こういう時こそ情報源を絞ることも大切だと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 1, 2023
『北朝鮮による衛星打ち上げ失敗』
昨日Jアラートが発令され、続報が入るまでやはり物凄い緊張感でした。放送中に警報や可能性として起こりうる事態を説明しなくてはいけないのは非常に心苦しかったですし、聴いているみなさんも不安だったと思います。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 1, 2023
今回の打ち上げは失敗だったとのことですが、北朝鮮としては失敗の原因を追究し、また打ち上げる可能性があるため、私たちは引き続き警戒しなければいけません。ただ、塚越さんも仰っていましたが「適切に恐れる」ことが非常に重要になってくると思います。#ワンモ
#ユジコメ③?インターネット上の情報を見ると、恐怖心を煽るような情報がたくさんあるので心が苦しくなるかもしれません。しかしここは過度に恐怖するのではなく、適切に恐れることが大事になってきます。いずれにしても、このような事態が起こらないことがいちばんの願いです。#ワンモ
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 1, 2023