23.05.24
日経平均株価、“バブル景気”後の最高値を更新

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちらです。
「日経平均株価、“バブル景気”後の最高値を更新」
吉田:一昨日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、3万1086円82銭。先週金曜に続き、「バブル景気後」の最高値を更新しました。塚越さん、日経平均株価が上昇している要因は何なのか、教えてください。
塚越さん:昨日の午前中は、さらに上がって高値更新したのですが、午後に反発して、終値は、3万957円77銭と少し下がりましたが依然として少し高いということです。国内外の様々な要因があるのですが、まずはアフターコロナの経済回復への期待があります。今年3月期の企業決算でも好業績の企業が多くあり、今後も個人消費やインバウンド(訪日外国人)の回復が見込まれています。また経団連が発表したデータによれば、定期昇給とベースアップを合わせた賃上げは3.91%です。1992年の4.92%以来の高水準ということもあり、市場の期待をしているということです。物価高と企業の業績が好調ということで、「賃金と物価の好循環」に期待があるということです。とはいえ、世界的な物価高に対応した結果でもあり、実質賃金は減っているという声もありますので、あくまで「経済市場」の期待ということです。次に、株価上昇をけん引したのは半導体関連です。先週木曜日、岸田総理が海外の半導体大手企業の幹部を首相官邸に招いて日本への積極投資を呼びかけました。その際、アメリカの半導体大手「マイクロン・テクノロジー」は日本国内に5000億円の投資をすると表明しました。政府も財政支援の方針を打ち出していることもあり、海外のマネーが流れ込むという期待もあります。これに関連して、海外からの投資も株価上昇の大きな要因です。欧米はコロナ禍からの景気回復が日本より早く生じて、現在は金融引き締めで景気後退が懸念されている状態です。その点、日本はいわば出遅れて今まさにインバウンドなどの回復期にあるので、先行きが期待できるとして海外投資が起きている状態です。消去法で日本株が選ばれているという指摘もあり、いいんだか悪いんだか、という感じがあります。もっと言えば、投資の神様とも呼ばれるアメリカの投資家ウォーレン・バフェットが4月に来日し、総合商社をはじめとした日本株に積極的に投資する姿勢を見せたことも、海外からの投資を呼び込む要因となっています。また、日銀は4月9日に植田総裁が就任しましたが、基本的には前任者の黒田元総裁の方針を踏襲し、金融緩和を続けることで、投資家が安心し、株価上昇につながっています。
ユージ:日経平均株価が上がると、私たちの生活には、どのような影響があるのでしょうか?
塚越さん:株高の恩恵は投資する余裕のある人に偏りがちで、株を持つ人は1割・2割と言われています。とはいえ、最近は少額から株をはじめる人もいますし、また、株高は長期的に私たちの暮らしに関わっています。例えば、年金です。公的年金を運用する独立行政法人のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は約190兆円を運用していますが、資産の25%を国内株で運用しているので、株価が上がれば年金財政にプラスとなり、より安定します。また、報酬を自社の株価と連動している企業もあるので、そういった企業は賃金が上がります。さらに、また株価が高ければ、企業は資金調達しやすくなります。そもそも株価は景気の先行きに対する投資家の期待を反映していまして、「景気の気は気分の気」とも言われていて、先行きが良いと思えば株価が上がるので、やはり株価が高いと、新規に投資して工場をつくったり、人を雇おうという気持ちが生まれます。そう考えれば、やはり株価が高いこと自体には良い面があります。
ユージ:日経平均株価が上昇していること、塚越さんは、どのように受け止めていますか?
塚越さん:株価が上がること自体は良い面もあるのですが、現在の株価上昇は、単純に日本という国家の国力が上がったから、というわけではない部分があるのかな、と思います。一般国民にとっては、昨今は、賃金は上昇しても、「実質賃金」は減少しており、恩恵を感じにくい点があります。理由は伝えてきたとおり、世界的な景気後退の中で、欧米に比べてコロナ禍からの回復期が遅かったので、日本株に期待できるということもあります。逆に言えば、今後は欧米のように景気後退が生じるかもしれません。日本株の期待がどこまで上がっていくのか、というところがあります。これが政府主導の「官製相場」、つまり、政府が実態以上に株価を上げているとも言われているので、実態と国力の高さというのは、国力にどれだけ見合っているのか考えておかないといけないと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 24, 2023
『日経平均株価、“バブル景気”後の最高値を更新 その要因は?』について
すごいことですが「景気が良いな」と実感することは少ないと思います。物価が上昇していますが、賃金が上がることは少ないため、良い印象を持ってない方も多いと思います。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 24, 2023
そんな中、"投資の神様"とも呼ばれるアメリカの投資家 ウォーレン・バフェット氏が日本株に積極的に投資するなど、日本を評価しているのは嬉しいことです。変化がすぐにやってくる訳ではないですが、海外からの投資を呼び込む要因になっているのは良いことだと思います。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 24, 2023
この先、日本経済にとってどのようなプラスなることがあるのか気になります。世界的な投資家に評価されているため、今後の日本の経済に期待したいと思います。#ワンモ