23.05.11
国産の次世代 半導体企業『ラピダス』

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の城西大学 助教、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『国産の次世代 半導体企業「ラピダス」 』
吉田:次世代半導体の国産化を目指す新会社『ラピダス』の東哲郎会長が共同通信のインタビューに応じ、技術開発関連に2兆円規模の資金が必要との試算を示し、国に支援を求める考えを明らかにしました。国策で作られた企業なので、こうしたリクエストができるということなんですけれども、なぜいま、わざわざ国策で半導体メーカーを立ち上げる必要があったのでしょうか?仮にリクエストに応じて国が2兆円を出したとして、世界的なマーケットで日本産のは戦っていけるのでしょうか?塚越さんに解説いただきます。
ユージ:『半導体』ってよく耳にしますけど、そもそも何なんですか?
塚越さん:『半導体』を簡単に言いますと、電気を通す金属等と電気を通さないゴム等との中間に位置するシリコン等の素材で作られたもので、電化製品の制御等に使われていて、あらゆる電化製品に搭載されています。とりわけハイテク製品に必要なものなので、半導体は産業にとって非常に重要な位置を占めているんですね。
ユージ:身の回りにあるものの何にでもあると思っていいんですね?
塚越さん:はい、何でもあるという感じですね。昨今はAIとかIT分野の発展で需要が増えているんですけれども、世界的に半導体不足の状況で、例えば、自動車などの納品が一年先という事にもなっているんですよね。
ユージ:なんで世界的に半導体が不足しているのですか?
塚越さん:要因はいろいろあるんですけれども、まずはコロナ前に“米中の貿易摩擦”がありました、「中国製品はセキュリティ的に問題だ」とアメリカが指摘したことから、両国の間でいろいろな問題があって半導体の流通が減り、逆に他の国で半導体需要が出たりとアンバランスになりました。そこにきて、一番の打撃となったのがコロナです。世界中の工場の生産力が下がり、輸送コストは上がり、さらに、初期は半導体需要は減ったんですけど、すぐに巣ごもり需要でパソコンとかインターネット回線などのインフラ設備にクラウド関連の需要が増えたりと、半導体の需要が乱高下するので、さらに半導体は製造するのに最低でも数か月かかるので、生産するにも見通しが立ちづらく混乱状態に。さらに、ウクライナの問題が出てきてですね、半導体の製造に必要な素材の一部は、ロシアやウクライナから供給されているということもあって、さらなる混乱が起きました。もっと言いますと、半導体の製造では台湾の企業が大きな立ち位置を占めていますが、いわゆる『台湾有事』の問題が叫ばれるので、とりわけ西側諸国などはですね、「台湾以外でも半導体の製造拠点を作る必要があるのでは?」という問題もあってですね、問題が山積みという感じなんですよね。
ユージ:そうした事情があるなか、日本で作られた『ラピダス』とはどんな会社なんでしょうか?
塚越さん:耳馴染みがないと思うんですけれども、『ラピダス』は半導体不足とその需要を見込んで、2022年8月に設立された日本の半導体会社です。『トヨタ』や『ソニーグループ』、『NTT』など日本の大企業8社が出資し、国も支援しています。ラテン語で「速い」を意味する『ラピダス』は、アメリカの『IBM』と提携し、半導体技術の提供を受けることになりまして、2027年度をめどに最新の半導体の量産を目指しています。政府はすでに3300億円の支援を決定しているんですけれども、『ラピダス』側によりますと、技術開発に2兆円はかかるし、別途工場建設などには3兆円かかるということなので、国に2兆円程度など中長期的な支援を求めているという感じですね。
吉田:仮に2兆円出したとして、それを上回る利益を上げられるのでしょうか?
塚越さん:半導体市場は需要と供給が乱高下すると述べましたが、最近も世界的な景気後退があったりとか、2024年には半導体が供給過剰になる『2024年問題』も懸念されていて、さらに、米中も半導体に力を入れている中でどこまでプレゼンスを持てるかという課題があるのは事実ですね。
ユージ:今後、半導体産業はどうなっていくでしょう?
塚越さん:コロナやウクライナのことだったり、何が起こるかわからない世の中で、市場がとにかく変わっちゃうので、いろんな課題があると言ってもですね、半導体が世界の産業にとって重要なのは事実なので、支援の中身は精査が必要ですけれども、戦う必要はやっぱりあるんじゃないかなと思います。というのもですね、日本は80年代には半導体のシェアが世界で5割程度あり、トップを走っていたんですよね。なんですけれども、アメリカからの関税があったり、アメリカに有利な協定を結ぶ、いわゆる“圧力”みたいなものがあってですね、日本のバブル崩壊もあって、それから半導体の分野が急速に弱くなっていってしまったんですね。簡単に言うと、一度、負けちゃったんですよね。なんだけれども、じゃあ、どうやって盛り返していくんだ?という声もあるんですけれども、元々技術もあったし、今だって全く技術がないわけではないので、やっぱり、もう一回戦う姿勢をみせなければ、世界に遅れに遅れていくだけなので、そういう意味では、戦う価値はあるのかなと思います。ただやっぱり、2兆円…。ただでさえお金がない中で、みんなを納得させられるような投資じゃないと、政治と企業の“癒着”と見られてしまう可能性もあるにはあると思います。が、やっぱり必要だと思います。アメリカの『NVIDIA』という半導体の会社なども注目されていまして、半導体の企業が世界的に注目されているのは間違いないので、やっぱり日本にもここは頑張っていただきたいというのは正直なところですね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①?『国産の次世代半導体企業「ラピダス」』について
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 11, 2023
世界の半導体市場は、かつて日本が高いシェアを誇っていました。
半導体不足が続く現在、ラピダスが2兆円規模の出資を国に求め、もう一度国内の半導体産業に力を注ごうとしているわけです。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 11, 2023
2兆円を投資したとしても日本は戦っていけるのかと思う方がいるかもしれませんが、遅かれ早かれ、日本はもう一度半導体産業に力を注ぐべきだと思いました。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 11, 2023
なぜなら、半導体の需要は乱高下があると言われていますが、半導体が身近になった昨今では需要はますます多くなると思うからです。
仮に乱高下があったにせよ、世界に誇れるとまでは言わなくても、国内で需要を満たせるような半導体企業が必要なのではないでしょうか。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 11, 2023
2兆円という目を見張るような金額ですが、将来必ず必要になる投資だと僕は思います。
2027年度をめどに最新の半導体の量産を目指すとのことですが、2027年度と言わずできる限り早く量産を目指してほしいですし、今後も日本の半導体が世界に誇れるようになることを願っています。?#ワンモ