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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.04.03

4月から変わる子育て
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集委員の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【4月から変わる子育て】

吉田:4月1日から新年度が始まり、子育て支援や教育、雇用など暮らしに関わる制度が大きく変わります。なかでも、子育てに関しては、4月1日にこども家庭庁が発足、先週金曜日には、「異次元の少子化対策」のたたき台が発表されています。そこで今朝は、これから「子育てに関する制度」がどう変わっていくのか、金曜日に発表された異次元の少子化対策について、神庭さんに解説していただきます。


神庭さん:多くの方に影響がありそうなのは、児童手当の所得制限撤廃です。児童手当は0歳~3歳未満の子ども1人つき15000円、3歳~小学生の間は10000円、そして、中学生は10000円が支給されています。一定以上の所得がある場合は「特例給付」といって、月5000円が支給されてきましたが、昨年10月から、夫婦のうち収入が高い方が年収1200万円を超える場合、特定給付の5000円も受け取れなくなってしまいました。この児童手当打ち切りで、全体の4%にあたる約61万人が影響を受けたと言われています。政府はこれで浮いたお金を待機児童対策や保育所の整備にまわすと言っていたんですが、子育てが大変なのは高所得世帯も同じですし、子育て世帯同士でお金を奪い合ってもしょうがないということで批判が出ていました。そういう意味で、いま所得制限撤廃を打ち出したこと自体は評価できると思います。さらに、これまで中学生までだった支給期間を高校生まで延長することや、子どもが多い世帯の手当を増額することも掲げています。


ユージ:他にもありますか?


神庭さん:育休の際の給付金を引き上げるという話が出ています。現状ですと、給付や社会保険料の免除などでおおむね手取り収入の8割ほどになるんですが、これを最大28日間、10割、100%にするということです。育休は取りたいけれど、収入ダウンになってしまうので、日数を減らそうとか取るのをあきらめようという人も少なくないので、ぜひ実現できるといいと思います。また、大学の授業料減免や給付型奨学金についても、低所得世帯だけでなく中間層や子どもの多い世帯に拡大していくということです。このほか、検討レベルではありますが、小中学校の給食費の無償化や、いまは自由診療扱いになっている出産の保険適用ができないか、といったことも検討項目として盛り込まれています。


吉田:こうやって聞くと、結構な大盤振る舞いだなぁという印象ですね。


神庭さん:注意しないといけないのは、今回発表された異次元対策は、あくまでも叩き台に過ぎない、ということです。「あんなこといいな できたらいいな」が全部詰め込まれた四次元ポケットみたいな政策集になっているんです。統一地方選を前に、華々しく打ち出したけれども、財源の裏付けがあるわけではないので、数ヶ月後か1年後に「お金が足りなくてできませんでした」「スケールダウンしないといけなくなりました」となっても、全然おかしくない状況です。児童手当だけでも、兆円単位の追加支出が見込まれているので、これからどのように財源を確保するのか注視していく必要があります。今はまだ「これから3年かけて頑張るぞ!」という意気込みを示した段階といえると思います。


ユージ:課題や気になる点はありますか?


神庭さん:国民に増税や負担増を求める際の「煙幕」として少子化・子育て対策が便利に使われやしないか、という不安は常にあるんですね。自民党の甘利議員は1月、BSテレ東の番組で、子育てに絡んで、「将来の消費税を含めて、地に足をつけた議論をしていかなきゃならない」と述べました。これには当時、自民党内からも反発の声があがったんですが、つい最近の国会質疑で「異次元の少子化対策の財源として消費増税はあるのか」と岸田総理に質問が出たんですが、岸田さんは「今この時点で申し上げることは控えなければならない」と明言を避けました。ここは「消費増税なんてするわけないでしょ!」とキッパリ否定して欲しかったですが…。


ユージ:なるほど、財源をどう捻出するかがネックになっているわけですね。


神庭さん:その通りです。仮に消費税アップがないとしても、ほかの形での負担が増すこともあり得ます。毎日新聞の報道によると、政府は少子化対策の財源確保のために、社会保険料を引き上げることを検討しています。具体的には、公的医療保険の月々の保険料に上乗せする案が有力視されているということです。このほか、介護保険料を増やす案も出ているとのこと。社会保険料も負担という点では税金と似たようなものなので、それを聞いちゃうと児童手当が増える、嬉しい!と手放しでは喜べないですよね。若い人たちは、いま現在や将来の経済不安にかられて、子どもを産むことをためらっているわけです。子育てがお金のかかる「贅沢品」になっている実情があります。そんななかで、若者にさらに負担を押しつければ、「やっぱり結婚、子育て無理です。やめておきます」となるのは目に見えています。いつも言っているように、お金を余計に集めてまた配り直すくらいだったら、最初から若者の社会保険料を下げた方がいいような気がします。給付と負担をトータルで考えて正確な情報を伝えて欲しいと思います。


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