23.03.30
110番映像通報システム、来月1日から本格導入

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『110番映像通報システム、来月1日から本格導入』
吉田:110番通報をした人と警察がスマートフォンなどで現場の映像などを共有できる『110番映像通報システム』が、4月1日から本格的に導入されます。これによって迅速な初動捜査が期待される一方、システムの利用には注意点もあります。
ユージ:塚越さん、来月から始まる新しい通報システムということで、どういったものなんですか?
塚越さん:この通報システムは、警察に通報する際に、音声だけではなかなか伝えづらい事件や事故の現場状況をスマホやタブレットから動画や画像で送り、リアルタイムで状況を伝えられる警視庁のシステムとなっています。やり方としては、通報を受けた職員が映像が必要と判断した際に、通報者の同意を得てスマホなどのショートメッセージに専用のURLを送り、通報者はそこにアクセスして映像を送る。という流れになってます。あくまでも職員が映像が必要と判断した時ということで、いつもというわけではないんですよね。また、動画などを送る際には、通報者に事前の同意が求められ、そして、映像や画像は、原則として、取得から7日後に自動消去されるということになっています。
ユージ:なるほど!動画や画像を撮ったら、好き勝手にバンバン送るというわけではなく、向こうから送ってくださいと求められたら、指定のURLから送る。ということなんですね。どうですか?この通報システム、期待できそうですかね。
塚越さん:事件や事故に遭遇した時は、やっぱり、冷静ではいられないので、かつ、誰でもスマホで動画を撮れる時代なので、状況を伝えるという意味では、非常にわかりやすいかなと思います。実はこのシステム、去年10月から試験運用されてまして、今年の2月末までの5ヶ月で受理した件数は、映像・画像あわせて、およそ2300件となっています。その内訳は、行方不明者の捜索など『保護・救護関係』が48%。不審人物や車などの『各種情報』が18%。事故や違反といった『交通関係』が16%というふうになっています。実際に、行方不明になった子供の画像を母親が送ったことで子供が発見されたり、当て逃げの車の画像から犯人の割り出しにつながるなど、非常に効果はあったということです。特に迅速な対応が求められる場合などは、写真の方が圧倒的にわかりやすいかなと思いますよね。
ユージ:そうですよね。ただ、システムの利用の上では、注意点もあるそうですね。
塚越さん:そうですね、いくつか注意が必要になっていまして、まず、送信にかかる通信費用は自己負担になっているということです。また、警視庁のHPでは、動画撮影では公の場所から肉眼で見える範囲に限定して撮影するなど、肖像権やプライバシーへの配慮を求めているんですね。例えば、変な音が聞こえるからといって、他人の家の敷地内に勝手に入って撮影する…みたいなことになっちゃうと、状況によっては、逆に通報者の問題になってしまう可能性もあります。
ユージ:より良い状況証拠を…という気持ちもわかりますけども、その一線は超えてはいけないですよね。
塚越さん:そうなんですよ。その一線は超えないように注意が必要です。あと、虚偽通報ですよね。例えば、嫌いな人を不審者として通報し投稿するみたいないたずらも含めて、そういったものは処罰の対象になる可能性があると警視庁のHPには記載されています。あと、大きな問題としては、手続きが煩雑ということですよね。最初に通報して、ショートメッセージが送られて、そこからURLに飛んで映像を送る。ということですけれども、事件現場というのは緊迫していて、余裕がないんですよね。なので、プライバシーの問題などもあるんですけれども、今後、簡略化できるシステムの構築が課題かなと思いますし、例えば、スマホの緊急通報システムがありますので、場合によっては、最初からで動画で通報できるシステムなども運用によっては今後は考えられるかなとも思います。あともう1つは、やっぱり、『野次馬問題』ですよね。これはスマホ時代の1つの問題でもあります。事件を撮影するのも大事です。けれども、状況によっては、目の前の被害者を救済する方が大事な場合もあるわけですよね。事件・事故を撮影するのも大事なんですけれども、なんでも撮影して送るシステムに依存し過ぎちゃうと、自分で助けようみたいな判断ができなくなってしまう。これは本当にバランスの問題なんですけれども、通報なのか?その場で行動するのか?はですね、各自が考える必要があるかなと思います。
ユージ:110番通報にも映像などが使えるようになるとのことで、今後、スマホの機能や通信システムなどの進化が“犯罪の抑制”にもつながっていくのでしょうか。
塚越さん:こうしたシステムが普及・周知していきますと、人さえいれば『全国どこでも監視カメラ』状況みたいなふうにも言えるのかなと思うんですよね。今でも何かあれば撮影されるんじゃないか?と多くの人は考えていますが、これがより強くなるということなので、一定の抑止にはなるかもしれないですよね。ただ、やっぱり、先ほど申し上げた通り、「不審だ」という理由でなんでも通報できちゃうと、プライバシーの侵害になるので、善意からの通報でも他人に迷惑をかける可能性もあります。例えば、他人の敷地内の入りすぎるとかですね。状況にもよると思うんですけれども、運用のあり方も含めて、今後、警視庁の方でもいろいろ実態を見て、やり方を変えるといったことも必要かなとも思いますし、これも先ほど申し上げましたが、“今、これは通報して動画を送るべきなのか?助けるべきなのか?”とかですね、選択肢が増えるので、迷っちゃったりしますので、大変だと思いますがその辺の判断というのは、これからみなさんと考えていければなと思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 30, 2023
『110番映像通報システム、来月1日から本格導入』
110番での通報が映像や画像で可能になるシステムが4月1日から本格的に導入されます。通報を受けた職員が必要だと判断し同意を得た場合にURLが送られ、そこに動画や写真を貼り付けるという形になります。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 30, 2023
僕は映像や動画というのは通報の際にすごく大事な手がかりになると思うので、システムやセキュリティがもっとスマートに、スピーディかつ簡単にできるように今後も研究・開発が進んでいくとよりいいのかなと思いました。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 30, 2023
一方で、映像や写真があると状況判断がしやすくなりますが、このようなシステムの懸念点は、例えば警察を装う電話がかかってきて、その後送られてきたURLが詐欺サイトだった、というような形で悪用されたりしないかという点だと思います。#ワンモ