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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.03.28

日本の被選挙権の年齢について
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【日本の被選挙権の年齢について】

吉田:神奈川県知事選で、公職選挙法が定める30歳以上の被選挙権の年齢を満たさない若者団体代表が23日、立候補を届け出て、受理されませんでした。これを受け、選挙権を認める18歳以上との間に差があるのは不合理だとして、国を相手取り集団訴訟を起こす方針を示しました。改めてですが、神庭さん、選挙権と被選挙権の年齢について教えてください。


神庭さん:選挙権は2016年に18歳に引き下げられ、高校生も有権者として投票できるようになりましたが、被選挙権の方は戦後長らく変わっていません。被選挙権は衆議院議員が満25歳以上、参議院議員は満30歳以上。地方議会では都道府県議会の議員と市区町村議会の議員が満25歳以上。自治体の首長は、都道府県知事が満30歳以上、市区町村長が満25歳以上、となっています。


吉田:被選挙権の年齢が高いのは、経験などが必要だから、ということのようですね。


神庭さん:毎日小学生新聞が総務省の見解を紹介しているんですが、それによると、選挙権に比べて被選挙権の方が年齢が高くなっているのは、「誰を代表にするかを選ぶより、代表になって実際に仕事を行なう方が、より知識や経験を必要とするため」とのこと。さらに、被選挙権のなかでも参議院が30歳と高いのは、参院が良識の府と呼ばれ、「思慮分別を衆議院よりもさらに求められるため」。都道府県知事が30歳なのは、「扱う地域や事柄がたいへん広く、知識や経験を他の自治体の長や議員より求められるため」だそうです。なんだか、わかるようでわからないような説明です。


ユージ:海外では被選挙権を引き下げる動きが結構あるそうですね。


神庭さん:国会図書館がまとめた調査によると、アメリカは被選挙権年齢は下院が25歳、上院が30歳。イギリスでは、下院の被選挙権年齢が2006年に21歳から18歳に引き下げられています。フランスも2011年の法改正で、下院の被選挙権年齢が23歳から18歳に下げられています。各国、割と近年になってから引き下げているんです。おとなりの韓国もおととしの年末に25歳から18歳に引き下げています。


吉田:神庭さんは、今回の神奈川県知事選をめぐるニュース、どう思いましたか?


神庭さん:経緯を簡単におさらいしておくと、一般社団法人NO YOUTH NO JAPANの能條桃子さん(25)が、被選挙権年齢30歳の神奈川知事選に立候補届を出そうとしたんですが当然ながら受理されず、Twitterで「公共訴訟という形で問題提起をすることを計画中です」と表明しました。能條さんは《「代表なくして、課税なし」と言いますが、今の国会には10代・20代の議員はいないし、地方議会もとても少ない》と訴えています。
これに対してネット上では、受理されないことがわかっていながら、あえて届出を出すのは「当たり屋」のようなものだという批判も出ていましたが、それはちょっと違うんですね。日本の司法は、「付随的違憲審査制」という仕組みをとっていて、「これ憲法違反じゃないですか?」「この法律おかしくないですか?」と問いたい場合、個別具体的な訴訟事件のなかで、必要な範囲で憲法判断をする形になっているんです。なので、訴訟を起こすにしても、当事者として「届出を出したいのに、受理してくれないなんておかしいじゃないか」という形をつくる必要があるわけです。正直、僕は能條さんと政治信条はかなり違いますが、被選挙権年齢を下げた方がいいという問題意識には共感しますし、こういう闘い方もアリなのではないかと思います。


ユージ:「付随的違憲審査制」って初めて聞きました。そういう仕組みなんですね。神庭さんは被選挙権の年齢、下げるべきだと思いますか?


神庭さん:そう思いますね。年金、医療など公的部門を通じた受益と負担を考えると、現役世代と高齢世代の間では、差し引き1億円の世代間格差があると言われています。子育て世代も冷遇されていて、英独仏や北欧諸国では「子ども・子育て支援」に対する公的支出が対GDP比で3%を超えていますが、日本は1.79%しかありません。シルバー民主主義の弊害を緩和していくためにも、若い議員の成り手を増やしていくことが必要です。「自分たちの代表だ」と思える人が増えれば、若年層の投票率も上がるはずです。
年齢だけでなく、供託金の問題もあります。候補者が乱立して泡沫候補が増えるのを避けるために多額のお金を事前に払わなくてはいけないんですけど、それが凄く足枷になっていて、特に若い人はお金もないですし、なかなか立候補ができにくい仕組みになっています。供託金ももう少し引き下げるであるとか、いっそ無くしてしまうとか、そこまでやってもいいのではないかと思います。
被選挙権年齢を引き下げるべきだという声は何も野党に限ったものではなくて、自民・公明も含めて、超党派で存在しています。にもかかわらず、なかなか議論が進まないのは、今の制度で得をしている人たち、既得権を持っている国会議員の人たちがいるので、なかなかそれを手放せないという部分があります。もはや、ゆっくり議論している場合ではなく、実行に向けてスピーディーに動き出してほしいと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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