23.03.22
「#学童落ちた」がツイッターのトレンド入り、学童保育の現状と必要な対策は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんが注目した話題はこちらです。
【「#学童落ちた」がツイッターのトレンド入り、「学童保育」の現状と必要な対策は?】
吉田:今月10日、ツイッターで「#学童落ちた」がトレンド入りしました。4月から「学童保育」に子どもを受け入れてもらえなかった保護者が「子どもは生んでください、でも学童は入れません。どういうこと?」など、嘆きや怒りの気持ちを投稿しています。塚越さん、この「学童保育」とは何なのか、改めて教えてください。
塚越さん:学童保育は、「放課後児童クラブ」や「学童クラブ」等とも呼ばれるもので、放課後、家に保護者がいない小学生を預かる場所を指します。祖父母と暮らしが別の核家族で、親が共働きなどの世帯が多く利用しています。学童保育には主に2種類あり、自治体等が管轄して、月額数千円程度と比較的料金の安い「公営」と、企業等が運営し、習い事なども行う「民間」があり、こちらは月額数万円程度。公営の場合は時期にもよりますが大体19時までのところが多い一方で、民間の場合は遅いところだと21時まで開いているところもあります。どちらの学童保育も、学校の宿題をしたりおやつが出たり、昼寝や支援員と遊ぶといった、家庭の延長線上にある活動を行います。また平日だけでなく、土曜や夏休みといった学校の長期休業期間にも開いているのが特徴です。
吉田:待機児童が出ているのは「公営の学童保育」ですよね。こちらは今、どのような状況なのでしょうか?
塚越さん:共働き家庭の増加で、学童保育の利用率は右肩上がりで増えており、厚生労働省によれば、2022年5月時点で利用者は139万人。待機児童は1万5180人で、過去8年間で1度も1万人を割っておらず、施設不足が問題のひとつです。もうひとつの問題は、児童を相手にする支援員。全国学童保育連絡協議会によれば、週20時間以上勤務する支援員のうち、6割が年収200万円未満。人材を確保するには、保育士の問題と同じく、待遇改善が必要です。また、厚労省は待機児童解消のため、2019年度から5年間で学童の受け皿を30万人分増やす計画を進めていますが、昨年5月の時点で達成率は5割程度。さらに、先程の協議会の2022年度の調査によれば、受け入れ基準の40人を超えている「詰め込み学童」は全国で1万2000クラスと、全体の36.3%。児童の怪我や事故といったリスクも増えるので、待機児童も問題ですが、質の面にも課題があります。ここまで話しただけでも、学童保育については問題が山積みということがわかります。
また、学童保育に関する運営ルールや職員の資格や定員といった枠組みが決まったのは2010年代以降と遅いんですね。小中学校についても問題がある中で、どうしても優先度の問題で対応が後手に回ってしまうということです。一方で、共働き家庭や1人親家庭では、特に小学校に子供が上がる際に、育児と仕事が両立できずに仕事をやめる「小1の壁」というものがあり、これを回避するためにも学童保育は非常に重要なんですね。つまり、働き方改革をするならば、安心して親が働くための土台である学童保育が重要になると考えられますね。
ユージ:学童保育の現状を踏まえ、塚越さんは どのような対策が必要だと思いますか?
塚越さん:学童ではないですが、「保育園落ちた日本死ね」というブログで待機児童問題が騒がれたのが2016年=7年前です。その頃の子どもたちが小学生になって、今度は学童問題になったとも言えるので、根底でいろいろな問題が繋がっていると思います。問題は支援員の不足や、簡単に言えば予算を増やすということですが、どれだけできるのか。政府が支援すると言いますが、「支援アピール」ではなく、実際に資金を回せるのか。また今後は外国ルーツの子ももっと増えると思いますので、言語の壁の問題などまだまだ課題もあります。一部では学童が無理だったら、子どもが1人で留守番する練習しましょうと言った、という事例もあります。すこし昔は「鍵っ子」と言って、親が外に出ていて1人で留守番するということも実際ありましたが、厳密に言うと、これは今だと場合によるとネグレクトに該当されるケースもあります。これからも学童は重要ですし、大きい問題なのでこれからも注視していく必要があると思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#ワンモ #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 22, 2023
『「#学童落ちた」がツイッターのトレンド入り 学童保育の現状と必要な対策は?』について
トレンド入りしたということは、それだけ賛同する方がいたことになりますが、実は、私の長女も学童に落ちたため「#学童落ちた」は僕自身も関心の強いハッシュタグです。
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 22, 2023
長女にとって学童は、ものすごく楽しいところで「友達、誰がいるかな?」と話していて、先生とも仲が良かったため、僕らも「行かせてあげたいな」と思っていましたが、これから僕と妻がいない時に どうやって子供の面倒を見るかを考えています。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 22, 2023
「どういう先生がいるの?」と聞くと、「遊びに付き合ってくれている!」と言っていて、夏休みなどで学童にアルバイトに入ってる学生が面倒を見てくれていたそうです。「将来も働きたい!」という方が多くいたので、金額面での補助がもう少し手厚くなれば良いなと感じました。#ワンモ