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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.03.09

マイナンバー利用拡大へ。法改正案が閣議決定
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!


『マイナンバー利用拡大へ。法改正案が閣議決定』


吉田:政府は7日、個人に割り振られた12桁の『マイナンバー』の利用範囲を拡大するため、マイナンバー法など関連する法改正案を閣議決定しました。今の通常国会で改正案の成立を目指す方針です。


ユージ:塚越さん、早速ですが、改正案のポイントについて教えてください。


塚越さん:いろいろあるんですが、1番のポイントは、“マイナンバーカードと健康保険証を一体化”するということですね。改正案では、現行の健康保険証を2024年の秋に廃止して、『マイナ保険証』になるということですね。メリットとしては、患者の診療情報や薬の情報を病院とか薬局で広く共有可能になるということなので、全体として医療の精度・質が上がるというメリットがあります。一方で、マイナンバーカードはこれまで“任意”、つまり、取っても取らなくてもよかったんですが、“事実上の義務化”になるんじゃないか?ということで批判がありました。


ユージ:最初は、保険証もいかしつつマイナ保険証“も”という話だったんですけども、これまでの保険証が2024年秋に廃止になると?


塚越さん:そうなんですよね。この改正案ではそうなっていますので、じゃあ、マイナンバーカードを持っていない人はどうするの?という話が焦点になったところで、改正案では、カードを持っていない人も保険診療を受けられる『資格確認書』の発行を盛り込んでいるということですね。ただし、この資格確認書の期限は1年間で自動更新ができないので毎年更新手続きが必要になります。さらに資格確認書の場合は、マイナ保険証よりも受診料を高く設定する方針ということで、値段差はわからないんですけれども、suicaなどの交通系ICカードと現金で鉄道の運賃が違うとかそのくらいの差だとは思いますが、変わるということなんですよね。やっぱり、任意と言っていたんですけれども、にもかかわらず、カードを持たない人が不利になるということで、事実上の義務化でしょ?と批判があるという感じですね。


ユージ::個人的にはマイナンバーカードは持っていて、自分も気になっているところなんですけど、“利用範囲を拡大する”って例えばどういうことですか?


塚越さん:今のマイナンバーで利用できるのは、『社会保障』と『税』、そして、『災害対策』の3分野と法律で決められているんですね。改正案ではこれに加えて、『国家資格の手続き』や『自動車に関わる登録』、『外国人の行政手続き』などにマイナンバーが使えるようになります。例えば、美容師や建築士が資格を更新するには、これまでは自治体などで住民票の写しなどが必要だったんですけれども、マイナンバーカードを利用した、書類のいらないオンライン申請が可能になるということで、こういったところに拡大していこうということですね。


ユージ:それはいいかもしれないですね!ほかにも変更点はありますか?


塚越さん:年金などを受け取る金融機関の口座とマイナンバーを紐付ける、『公金受取口座』という仕組みを導入するということです。年金機構から年金受給者に、現在受け取りをしている口座を『公金受取口座』に登録することに同意を尋ねる書類を送るということなんですね。ただ、こちらは回答しなくても同意と見なされます。つまり、自分から「紐付け嫌です」と拒否しなければ自動的に紐付けられることになるんですね。政府としては、コロナ禍で給付金の支給に時間がかかったため、「紐付けると楽になりますよ」とメリットにしているんですけれども、かなりゴリ押しということで、ここもちょっと批判があるという感じですね。


ユージ:マイナンバーの利用拡大が本格的になるわけですが、やっぱり、カードの普及率も問題ですよね?


塚越さん:そうなんですよね。政府は3月末までにほぼすべての人への交付を目指しているんですけれども、3月1日時点のマイナンバーカードの申請枚数は、9400万枚あまりで国民の約74%。ここ1年でかなり増えたなと思いますし、実際、増えているイメージがありますが、あと1か月じゃ難しいかなというところですし、あと、普及に急いでいる政府への批判も多いんですよね。私は、マイナンバーそのものは否定しないし、いいところもあると思います。だけど、最初は任意だったのに、あとあと“事実上の強制”になっているのは、後出しジャンケン感がありますし、こういうのを、『デファクトスタンダード』といい、“事実上の基準”というもので、任意なので使っていないのはいいんだけれども、使ってない・使わないだけで相対的に不利になるということなので、この辺の納得感というのは、個人的には、政府への信頼感に関わるのかなということで、政府が信じられないというところもあって、マイナンバーカードを持ちたくないという人も一定数いるということなので、この辺は説明が必要かなと思いますし、あとはですね、ポイント数万円を与えるといって、ゴリ押ししているわけですけれども、これには、かなりお金が掛かっているわけですよね。去年12月までに普及のために使ったお金の予算がおよそ1.8兆円、マイナポイントとかテレビのCMとかでお金をかなり使っているんですけれども、本当にその金額に合うレベルで便利なの?ということですよね。便利になることは、法との関係もあって、細かく調整していかなければならないんだけれども、お金を使うことと便利さをどうやって両立していくのかが今後の課題で、我々も注視していくポイントかなと思いますね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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