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23.01.24

新型コロナウイルス、2類相当から5類への引き下げについて
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【新型コロナウイルス、2類相当から5類への引き下げについて】

吉田:岸田総理は現在2類相当の新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを、原則としてこの春に、季節性インフルエンザと同じ「5類」へ引き下げる方針を表明しました。改めて神庭さん、2類と5類について整理していただけますか?


神庭さん:新型コロナは、感染症法の分類で2番目に危険度の高い「2類」に相当する措置が取られています。結核やSARSなどに準じた扱いで、知事の判断で入院勧告や就業制限もできます。2類相当と言いましたが、一部はエボラ出血熱やペストなど「1類」並みの部分もあって、無症状者であっても入院勧告の対象となります。外出自粛要請については本来1類にもない部分で、ある意味「1類以上」とも言えます。ウイルス感染の拡大を防ぐための厳格な措置なので、医療機関や保健所の側からするとかなり負荷が大きいです。季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げた方がいいのではないか?という議論が1年以上前から活発に交わされてきました。


ユージ:それはずっと議論になっていて、神庭さんにも取り上げていただきましたよね。


神庭さん:番組でも何度か取り上げさせていただきました。これに対して政府は、正面から分類を変えることはせず、
・無症状や軽症者は自宅療養で対応する
・全数報告をやめる
・患者や濃厚接触者の待機期間を縮める
などなど、分類上は2類相当のまま、実態として5類に近づけ、運用面で少しずつ骨抜きにしていくような対応をとってきました。オミクロンの特性や、重症化リスク、致死率の低下などを踏まえて、グラデーション的に緩和してきたわけですが、いよいよ機が熟したということで「5類」への引き下げを打ち出したということですね。


吉田:5類への引き下げはメリット・デメリット両面あると思いますが、いかがでしょうか?


神庭さん:大きなメリットとしては、コロナの扱いが「普通の病気」に一歩近づき、社会・経済を回していく環境整備が進むことだと思います。また、届出などに伴う保健所や医療機関の負荷が軽減されることが挙げられます。デメリットは、医療費の3割が患者負担になることです。コロナ治療の治療薬には9万円を超えるものもあるんです。3割負担でも3万円ですから負担を嫌がって受診を避ける人が出てきてもおかしくありません。あと、これはメリットと裏腹の関係ではありますが、政府が緊急事態宣言を出して国民の行動を制限するようなことはできなくなるので、その結果として感染が広がることはあり得ると思います。


ユージ:あと問題はマスクですよね。どうなるんでしょうね。


神庭さん:マスクに関しては、5類の話と直接関係があるわけではないですが、岸田さんは「マスク着用の考え方など感染対策の在り方についても見直していく」と話しています。現状では屋外で距離が保たれている状態であればマスク不要としていますが、屋内でも原則不要にしていく方向で検討しているそうです。ただ、もともと「マスクをつけろ」と法律に書かれているわけではないので、緩和というのも少し変な話です。箸の上げ下ろしまで政府が指示しなくても、各自の判断でつけたい人はつければいいし、外したい人は外せばいいと思います。ちなみに、FNNが最近実施した世論調査によると、屋内でのマスク着用に関して「原則、不要とすべき」が31.9%、「今のままでよい」が64.4%だったそうです。


ユージ:やっぱりそこはまだまだ賛否両論ありそうですね。タイミングを逃してしまったような気もしますけどね。


神庭さん:かなり賛否が大きく割れているので、実際に「脱マスク」に至るまでには、もう少し時間がかかるかもしれません。昨日、美容室に行った時に美容師さんに「マスクを外そうかと考えているんだけどどう思う?」と相談されたんです。客商売だと、自分の意向とは別に、お客さんにも配慮しないといけないから大変ですよね。


吉田:5類へ引き下げる意向の今回の政府の方針、神庭さんはどう思いますか?


神庭さん:昨年中くらいに実現するかなと思っていたんですが、結構時間がかかったなという印象です。さっき言ったように、実態としてすでにかなり緩和されているので、「節目」としての象徴的な意味合い、心理的な面も大きいようにも思います。この心理的な側面というのは意外にあなどれなくて、日本では強硬なロックダウンをせずに、欧米に比べれば少ない死者数でコロナ禍を乗り切ってきました。それ自体はいいことですが、「同調圧力」「世間体」というチート技を使ったからこそ、感染対策が結果としてうまくいったという面もあるわけです。その副作用として、欧米に比べて経済の回復が立ち遅れてしまいました。なので「心のロックダウン」を解除して、社会・経済・教育の平常化に一歩踏み出すにあたって、5類移行がある種のシンボル的な役割を果たす部分もあるのではないかと思います。


ユージ:今後に向けて課題はありますか?


神庭さん:「5類にすれば万事解決」みたいな甘い幻想を振りまくべきではないと思います。依然としてコロナの感染力はインフルエンザより高いですし、感染者や死者が増えるリスクはあります。これはあくまで「社会として一定のリスクを受け入れましょう、甘受しましょう」という話であって、「きれいさっぱりリスクがなくなりました」という話ではありません。感染対策上すべての病院やクリニックがコロナ対応できるわけではないので、5類になったからといって受診できる医療機関が増えるとは限りません。政府からの補助金がなくなったら、コロナ対応から手を引く病院も出てきてもおかしくないんですね。医療費の患者負担の話もそうですが、一気に変えると混乱が予想されるので、うまくソフトランディングしていくことが大切かなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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