22.12.29
塚越さんが選ぶ 今年の重大ニュース

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
【塚越さんが選ぶ 今年の重大ニュース】
ユージ:水曜日と木曜日は「塚越さんが選ぶ 今年の重大ニュース」です。昨日は「イーロン・マスクのTwitter買収」と「宇宙開発競争の激化」についてでしたが、今朝は何でしょうか?
塚越さん:今朝も情報社会学の観点から選んでみました。1つ目は、「タイムパフォーマンスに大きな注目」です。
ユージ:「タイパ」!今年話題になりましたね。
塚越さん:動画を1.5倍や2倍で視聴する「倍速視聴」など、時間を節約しながら最大限の楽しみを目指す「タイムパフォーマンス」という言葉を省略した「タイパ」は、三省堂が選ぶ「今年の新語2022」で大賞に選ばれています。タイパが求められる背景には、やはり世の中の動きが速くなっていることがあります。若者の間では「FOMO(フォーモ):Fear of Missing Out」、「見逃したり取り残されたりすることへの不安」 があると言われていまして、友達のインスタの投稿や話題のエンタメ作品など、常に情報をチェックしなければ、という圧力が生まれていて、タイムパフォーマンスが求められているということなんです。耳ではラジオを聞きながら、目は音なしで字幕がついているYouTubeの動画を見るということも当たり前になっているんです。
こうした傾向は若い人に特徴的とも言われていたんですが、例えば本を要約してくれる「flier(フライヤー)」というサービスがあるんですが、ほぼ100万ユーザーが登録されていて、主なユーザーは30~40代のビジネスマン。ビジネス書の要約などで利用しているそうです。昨今は昔の古典作品の内容を短くまとめて教えてくれる「ファスト教養」という言葉も聞かれますが、こうした流れの中にあるのかなと思います。こうした「タイパ」の傾向は若者だけのものではなく、様々な世代に広がっているのではないかなと思います。良い悪いでは簡単に語れませんが、タイパは昨今の情報環境の大きな特徴ですよね。世の中に追いつくため、いろいろ忙しくなっているのでパフォーマンスを求めるんですが、節約した時間で何をするかが本当は重要だと思います。
吉田:今は色んな情報が溢れすぎている、というのもあるかもしれませんね。では「塚越さんが選ぶ 今年の重大ニュース」今朝の2つ目は何でしょうか?
塚越さん:2つ目は「○○生成AI」の大流行です。ジェレネーティブAIとも呼ばれますが、今年の夏頃から「Midjourney(ミッドジャーニー)」や「Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)」など、文章を記入するだけでAIが精度の高い画像を作ってくれるサービスが注目されました。
ユージ:今年、画像生成AIによる水害のフェイク画像も問題になりましたね。
塚越さん:クオリティが高いのでだまされてしまうというのもありますし、特定のクリエイターと酷似したものも描けるので、著作権侵害を引き起こすのではないか、とも言われています。現状、AIが世界中の絵画のデータを学習すること自体は法的に問題はないですが、あまりにも特定のクリエイターに酷似したものを生成し続けるのであれば、AIを利用するユーザー、もしくはシステムを提供している会社が著作権等で訴えられる可能性もあります。
こうした生成系AIは画像だけでなく、文章もできるんですね。11月には文章を生成する「ChatGPT」も発表されました。特定の内容を聞くと答えてくれるもので、ネットからのコピペではないんです。レベルが高く、アメリカでは大学の自由記述問題に合格したものもあります。簡単に言えば、大学のレポートレベルならクリアできてしまうということなんです。非常にレベルが高いので、学生が使ってしまうとか、フェイクニュースが作成できるということで問題になっています。音楽も生成できるというのもあって、いずれにしても非常に高レベルのものをAIが自動でつくってしまうので、人間の創作と機械の境界が曖昧になってしまう危惧もあります。基本的にはAIと協業する社会が重要かなと思います。フェイクや盗作という問題もありますし、生成系のAIというのは、今まで情報を検索して世の中にあるものを探すということだった思うんですが、自分で生成してしまうので、自分が欲しい情報を自分で作りだしてしまうことになるんですよね。そう考えると、世の中を探すというよりも自分にとって都合のいい情報を作り出すことも可能になってしまいます。そうすると世の中のフェーズも変わってくるのではないかと思います。
今年1年を振り返ると「情報技術が人間を凌駕するものになってきた」ということで、タイパにせよAIにせよ、人間がどんどん忙しくなって大変だなということを考えるような1年かなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 29, 2022
『塚越さんが選ぶ「2022年・重大ニュース」』
今朝は塚越さんが選ぶ今年の重大ニュースについて、 2つ挙げて頂きました。 1つ目は「タイムパフォーマンスに大きな注目」、タイパという言葉が今年話題になりました。皆さんも色々な所で耳にしたと思います。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 29, 2022
塚越さんが選ぶ今年の重大ニュース、もう一つは画像生成AIの大流行。必要な情報を入れるとそれに伴った画像を作ってくれるAIで、画像が精密すぎるが故にフェイクニュースとして使われてしまってデマが拡散したりと、いい方向でも悪い方向でも話題でした。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 29, 2022
タイパという言葉は自分自身がタイパを意識する人間なのに知らなかった部分もあり学んだことが多く、僕タイ料理屋でバイトしていて、めっちゃ楽しそうじゃんと思いましたが実際はタイムパフォーマンスの略で聞けば聞くほど僕は意識する方だなと感じました #ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 29, 2022
今の時代、情報コンテンツがすごく多くて進みも早いので知らないと流行に遅れてるみたいに感じる事もあって、それこそタイパを意識して情報収集している人も多いですし、タイパは来年以降も意識する人が目立つ年になるのではと個人的に思っています。#ワンモ