22.12.27
神庭さんが選ぶ重大ニュース

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんには、昨日に引き続きこちらを取り上げていただきます!
『神庭さんが選ぶ重大ニュース』
吉田:昨日は主に『ロシアによるウクライナ侵略』と『安倍元総理の銃撃事件』でした。
ユージ:今年1年の中ではかなり印象深い出来事ではありますけれども、今日は、何でしょうか?
神庭さん:昨日は、教科書に載るくらいの大きな話を取り上げましたけれども、今日は、もう少し、生活・暮らし寄りのニュースを振り返りたいと思います。
まず1つ目は、やっぱり、『インフレ』ですよね。
ユージ:やっぱり、『インフレ』はね、今年の話題ですよね。
神庭さん:電気代は過去1年で2~3割上がって、月に2000円弱の値上げだと年間では2万円を超えます。ガスも同じように上がっているので、非常に大きな出費です。食料品からタクシー代まで、ありとあらゆるものが上がっていて、まさに値上げラッシュの様相ですけれども、1月に『うまい棒』が1979年の発売以来初めて値上げされるということがありまして、「ついに来たか!」ということで、インフレの1年の始まりを強く実感したことを強く憶えています。
ユージ:「10円から12円だったら、いいんじゃないか」という声もある中で、「パーセントで考えると20%の値上げなんだよー」とかね。
神庭さん:ちょっと驚きましたよね。
吉田:神庭さんに今年は、値上げ・インフレの背景についても何度も解説して頂きましたが、改めて、お願いします。
神庭さん:ロシアのウクライナ侵攻の影響というのは1つにあります、ロシアは世界有数の資源国ですから、戦争とそれに対する制裁を受けて、石油や天然ガスの流通が滞り、エネルギーが高騰したというのがまず1点目。これで『プーチンフレーション』というふうに言われたんですけれども、インフレの原因が全部が全部、ウクライナ侵攻のせいかと言えば、そういうわけでもなくて、ここ数年、脱炭素シフトでエネルギー価格が高騰する『グリーンフレーション』が加速していますから、ウクライナ情勢の悪化が最後のダメ押しになったというのが正確なところかなと思います。
ユージ:『いいインフレ』と『悪いインフレ』というお話もしていただきましたよね。
神庭さん:景気が良くなって需要が拡大して、モノやサービスが値上がりして、給与とか賃金にもしっかり還元され、そうやって緩やかに物価が上がっていく『いいインフレ』というのが本来望ましいものなんですけれども、今年、世界で起きたのは、ただ単にコストが上昇するコストプッシュ型の『悪いインフレ』だったんですね。インフレと景気後退が同時に起こる『スタグフレーション』まで現実味を帯びてきているということで、加えて、日本に関して言えば、さらに『円安』もインフレに拍車をかけているんですね。
吉田:円安に関しては、『悪い円安』という言葉もよく耳にしましたよね。
神庭さん:日米の金利差が広がると円安に繋がっていくということで、アベノミクス以来、日銀は市場にじゃぶじゃぶとマネーを流し込んで、低金利政策をとって、景気を刺激するための金融緩和路線を維持しています。対照的に欧米は、インフレ退治のために今年から金融引き締め、金利の引き上げに踏み出しました。アメリカは引き締めで通貨ドルの価値が高まる一方、じゃぶじゃぶ緩和を続ける日本は、相対的に円の価値が薄まっていきます。すると、円安ドル高が加速するという仕組みなんですね。
ユージ:10月には、32年ぶりの円安水準、1ドル151円台後半まで円安ドル高が進んで、これは結構大きなニュースになりましたね。
神庭さん:円安は、製造業など輸出企業には有利と言われたんですけれども、工場などの拠点の国外移転が進んだことで、そのメリットは薄まってしまったと…。一方で円の価値が目減りすることで輸入品の価格は上昇して、輸入企業にとっては打撃となると。こうしたことから、『悪い円安論』が叫ばれました。というのが、10月末までの話で、11月以降、アメリカの利上げペースが落ちて、日米の金利差が縮まるという見方が広がりまして、今度は一転して円高ドル安の流れになりました。足もとでは1ドル132円台で推移しています。また、日銀は今月20日、金融政策を修正して、事実上の利上げに踏み切りました。あくまで微調整で抜本的な政策変更とまではいかないんですけれども、一時期のような極端な円安ムードは一服するかもしれません。
吉田:神庭さんが選ぶ重大ニュース、今日の2つ目は何でしょうか?
神庭さん:子どもをめぐる悲しい事故・事件が相次いだことです。9月に静岡県牧之原市の認定こども園で、保育園の送迎バスに3歳の女の子が5時間にわたって置き去りにされて、熱中症で亡くなるという痛ましい事件がありました。5月に新潟で、11月には大阪で、親が保育園に預け忘れて亡くなってしまうという事件も起きています。「気をつけよう」と呼びかけるだけでは限界があるので、海外のように幼児置き去り検知システムを導入すべきだよとこの番組でも何度かお話ししましたが、世論の高まりを受けて、政府は来年4月から幼稚園・保育園の送迎バスに安全装置の設置を義務付けることを決めて、ガイドラインも取りまとめました。
ユージ:保育現場で言いますと、虐待事件をめぐる報道もありました。
神庭さん:そうですね、静岡県裾野市で園児への虐待行為があったとして保育士3人が暴行容疑で逮捕された事件も気になるところなんですが、昨日、静岡地検が3人を処分保留で釈放しましたので、ここは慎重に注視していきたいと思います。待機児童を減らすためにどんどん保育所をつくる一方で、保育士不足で人材の質が低下したり、コロナ禍の労働強化で職場環境が悪化していないかというのはですね、今一度、立ち止まって考える必要があるのではないかなと思います。現状、4歳児・5歳児の保育士配置基準は、子ども30人につき保育士1人だけなんですね。この基準は、70年以上変わっていません。現場の保育士さんのゆとりがなくなると、事件とか事故のリスクも増しますので、予算は余計にかかってしまいますけれども、基準を見直ししてもいいんじゃないかなというふうに思います。
改めて、今年1年を振り返ると、インフレなど、世界の動向と私たちの暮らしが直結していることが今まで以上に露になった1年だったというふうに思います。いろいろ暗いニュースもありましたけれども、来年は明るいニュースを、たまにはほっこりできるような話題を届けられるといいかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 27, 2022
「神庭さんが選ぶ重大ニュース」について
今年は、子どもをめぐる悲しい事故・事件が相次ぎました。
バスの中に園児が置き去りにされ熱中症で亡くなった事件や、保育士による園児への虐待行為などをめぐる事件などが起きました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 27, 2022
ニュースでは保育士への信頼失墜が大きく取り上げられがちでしたが、僕自身も親として、保育現場はすごく大変だということがよく分かります。ひとりの保育士が10~20人の子どもの面倒を見ることもありますし、小さな怪我などの不慮の事故はすべて保育士の責任になりかねません。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 27, 2022
保育士や介護士などの”人が人をみる現場”は負担が大きい割に、事故が起こるリスクが大きすぎると思います。
そこで給料を上げることで人手不足を解消し、保育士一人当たりの負担を減らすなどの早急な見直しが必要だと思いました。
今後の対応の変化に期待したいです。#ワンモ