22.12.08
防衛費、歴史的な増額。財源はどうなる?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『防衛費、歴史的な増額。財源はどうなる?』
吉田:岸田総理は5日、来年度から5年間の防衛費について、総額およそ43兆円にするよう、防衛大臣、財務大臣に指示しました。これは、現行のおよそ1.5倍以上の増額となります。
ユージ:塚越さん、改めて『防衛費』とは何なのか教えていただけますか?
塚越さん:『防衛費』とは、国防、安全保障に関わる費用のことでして、具体的には自衛隊の人件費や装備品の購入・維持、あるいは、研究開発費やサイバー領域の防衛なども含まれています。
ユージ:今回、さらに増額されたのは何故なのでしょうか。
塚越さん:安倍元首相が防衛費の増額を主張しておりまして、現政権でも防衛費の強化が目標として述べられてきました。理由としては、中国の軍事的な台頭、北朝鮮のミサイル性能の向上などがありまして、現行の日本のミサイル防衛システムでは撃ち落とすのが難しいということなどで、東アジアの安全保障環境が変わってきたということです。また、自民・公明が合意しまして、年末までに文書にも記載される見通しの『反撃能力』という言葉。この『反撃能力』の保有に向けた、長距離ミサイルの開発などが盛り込まれたことで、予算額が非常に大きくなったと考えられています。ミサイル開発計画は、抑止力を高める目的で、現行のミサイルを改良したり、音速の5倍以上で飛ぶ極超音速誘導弾など、10以上の開発が考えられています。もちろん、開発には時間がかかり配備までには数年やもっとかかるところもあるので、“すぐに”というのは難しいので、それまでの間にアメリカからミサイルの購入なども検討されているということですね。
吉田:その『反撃能力』についてですが、以前は『敵基地攻撃能力』と呼ばれていたものですよね。日本はこれまで『専守防衛』、つまり、攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使するという姿勢だったわけですが、その辺り塚越さんはどう思われますか?
塚越さん:『反撃能力』という言葉を使うのは、ある意味で、日本としては“決意の現れ”で大きなインパクトがあります。憲法9条との兼ね合いもありますが、これまでも歴史的に運用の見直しなど、少しずつできることが増えてきたんですけれども、この『反撃能力』という言葉のインパクトは、周辺国に大きく影響する『方針転換』でして、国民的に議論されていないまま、なし崩し的な決定というのは、やっぱり、問題かなと思います。確かに、国民の間で安全保障に関する不安だったり、関心が高まっているのは事実で、考えることは重要だと思うんですよね。より詳細に言うとですね、他国との軍拡競争になってしまうのではないか?という懸念もありますし、実際に反撃しようとしても、現在は相手国の司令部は地下にあったりして破壊が難しかったり、ミサイルも移動式の車両からが発射されることもあるので、有事の際に下手に反撃したことで、相手が何倍ものミサイルを発射した場合には迎撃はかなり難しいと言われています。なので、それも含めて、「だからミサイル開発が大事なんだ」という言い方もあります。それもわかるんですけれども、たくさん発射されたミサイルのどれか一つでも原発に当たってしまうと大変なことになります。だとすれば、防衛費増額に賛成の人も反対の人もいると思うんですけれども、ミサイル技術の詳細とか、それにかかる費用、あとは、反撃のタイミングの議論などは、詳細に分析・検討する国民的関心が必要なので、他人任せ、政治任せにしてはいけないのかなと思います。社会学的な視点で言うとですね、『リスクの社会学』という言葉があって、リスクをいろいろ勘案しないといけないんですね。“反撃能力を持つこと”とか、“ファイティングポーズを取ること”の意味を他国も含めていろいろな観点が考えられるんですよ。そのリスクを国民全体で決定するということが重要なのかなと思うんですけれども、今、なかなかなされていません。もちろん、日本国民全員の合意というのは、なかなか難しいんですけれども、少なくとも国民的な議論をしたという上での決定でなければ、どのような道を選ぶにしても、私たち自身が自分事として引き受けられないということなので、有事の時にますます混乱すると思うので議論は必要だと思います。
ユージ:あと、やっぱり、気になるのが財源の確保だと思うんですけど、『増税』の可能性はあるのでしょうか。
塚越さん::昨日行われた自民・公明の幹部による協議では、財源の確保について、「歳出改革や決算剰余金の活用などを優先すること」で合意しました。けれども、それでも不足する分については「増税により賄う」としたんですね。ただ、「来年直ちに増税することはない」となっています。来週からいろいろと議論を始めるということで、与党の『税制調査会』で議論が行われることになっています。来年の増税はないということになっているわけなんですけれども、この先は、『法人税』や『所得税』ほか、様々なところで負担が増えるということにもなっているんですね。これから議論があって、どうしても私たちに何かしらのかたちで関わってくるというのは間違いないので、この辺りも国民全員が関心を持ってですね、あるいは、政治家の方も逃げずに、ここは正面から議論してほしいと強く思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 8, 2022
『防衛費、歴史的な増額。財源はどうなる?』について
僕が気になったのは反撃能力の部分です 。
日本は防衛に力を入れていたと思うのですが、反撃と言ってしまうと今まで自衛と言う話だったのに反撃の可能性があると他国に思われてしまう。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 8, 2022
日本が反撃するのだったらこちらも反撃を、といった応酬になってしまうのは怖いので、ここは慎重に進めていくべきポイントなのではという事が1つ 。 あとは金額の面で財源の確保、費用はどこから来るのかということで、可能性として高いのが増税。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 8, 2022
増税というのは直接国民に影響してくる部分で、1人の声は届かないだろうと思いがちですが、自分が学んだことの知識を使って政治、ひいては政策に関心を持っていく事や、この増税の中身、やり方への意見として声を上げていく必要があるのかなと思いました。#ワンモ