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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.12.05

中国の大規模デモとゼロコロナ政策緩和
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【中国の大規模デモとゼロコロナ政策緩和】

吉田:先週、MORNING HEADLINEでも神庭さんに解説していただいた中国のデモですが、その影響が出始めているようです。中国政府が徹底していたゼロコロナ政策をついに緩和するのではないかという報道もありますが、今朝は気になるデモの影響と今後の中国政府の対応や動きについて、神庭さんに解説してもらいます。改めて、中国の抗議デモのそもそもの要因について、神庭さんはどう見られていますか?


神庭さん:発端は先月24日に新疆ウイグル自治区のウルムチ市の高層マンションで起きた火災で10人が亡くなったことです。ゼロコロナ政策の厳しい規制のせいで、消防車が現場になかなか近づけず消化活動が遅れたとか、ロックダウンの影響で住民の避難に支障が出たのではないか?ということで、怒りの声が広がっていきました。北京、上海、広州など15ほどの都市で抗議行動が行われたと報じられています。もともとは火災の被害者の追悼から始まった運動ですが、上海では共産党や習近平の退陣を求める声まであがったということです。厳しい言論統制が敷かれ、政府批判がタブー中のタブーになっている中国では異例の事態と言っていいと思います。日本や欧米でも、中国人によるデモが開かれています。
また、デモが広がった大きな要因の1つが、カタールで開かれているサッカーワールドカップなんです。観客席に詰めかけた人たちは、ほとんどノーマスクで熱狂しています。その様子が中国にも流れてしまい、「俺たちはこんなに我慢してるのにどういうこと?」と火に油を注ぐことになってしまいました。これはまずいと気付いたのか、中国のテレビ局も途中から観客席の映像を不自然にカットしたり、ボカシを入れたりとあの手この手で対策をし始めましが後の祭りで、中国はサッカーファンも多いので不満が噴出したということなんです。


ユージ:あと、今回のデモで注目を集めたのが若者たちが掲げていた、あの白紙。インパクトがありましたよね。


神庭さん:上海では習近平批判など強い声も出ましたが、特に興味深いなと思ったのは白紙を掲げることで抗議するスタイルでした。「白紙運動」とか「白紙革命」と呼ばれています。この白紙には、言論統制で思ったことも言えない、でもどうにかして自分たちの声を届けるんだ、という強いメッセージが込められています。当然、当局への皮肉もあると思いますが、さらに直接的な言葉を書いたプラカードを掲げるのと違って、何も書いてない白紙であれば規制しづらいだろう、というしたたかさも感じます。なかにはマラソン大会を装ってSNSで呼びかけあって、デモ会場に集合したケースもあったそうです。上手にギリギリのところを攻めているなと思います。明確な中心、指導者を持たず、SNSなどで展開されていく点は、香港の民主化デモを彷彿とさせるところあって、香港の抗議運動では「Be Water」という戦略がとられたんですね。捉えどころのない水のように変化し続けるという作戦です。かつての天安門事件のリーダーはTBSの取材に、「1989年のときは軍隊が出動し、関係者を捕まえれば鎮圧できましたが、今回は鎮圧しようがないのです。共産党にとって、より頭を抱えることになると思います。」と天安門事件と今回のデモの違いを語っています。


吉田:天安門事件と違うという点では、ネット上でも抗議の声が広がっているというところですよね。


神庭さん:「好」「支持」「万歳」などあえてポジティブなワードを投稿して、「ほめ殺し」をするような動きもあります。要は政府に対する皮肉ですが、こういった書き込みもどんどん当局に消されているということです。BBCによると、中国版Twitterの「微博」(ウェイボー)では、「白紙」「A4」といったワードも検閲対象になっているそうです。「A4がダメならA3はどうか?」と検閲をかいくぐろうとするユーザーもいるそうでたくましいですよね。当局のSNS工作は海外在住の中国人たちにも向けられていて、デモの様子を知ろうとしてTwitterで「北京」「上海」と検索をかけるとアダルトサイトや風俗店などのエッチな投稿ばかりヒットするようになってしまったそうです。ワシントンポストによれば、これまでも中国政府の関与が疑われるアカウントが大量のアダルト投稿をすることはあったそうですが、Twitterの大規模リストラのせいで、監視の手が回らなくなってきているそうなんです。


ユージ:イーロン・マスク氏の経営方針の変更が、こういうところにも影響を及ぼしているんですね…。今度、このデモの動きはどうなると神庭さんはみていますか?


神庭さん:中国の副首相はゼロコロナを緩和する方針を示しました。明らかに抗議行動を受けたものですが、口が裂けてもそんなことは言えないので、表向きはオミクロンが弱毒化したからだと説明しています。これは中国経済、日本も含む世界経済にとってはプラスの動きだと思います。ただし、完全に「ゼロコロナ」の看板をおろす、本格的に方針転換するとなるとハードルが高い部分もあるんですね。一番は中国のメンツです。習近平はゼロコロナを金看板にして国内外に誇ってきました。今さら「間違ってました」とは言えないということです。そして、行動規制を大幅に緩和をするには、ワクチンの接種率アップが不可欠ですが、中国では高齢者の間でワクチンに対する忌避感が強く、思うように接種が進んでいないんです。欧米のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンに比べると中国製のワクチンは効果で劣るとも言われているんですが、ここでも自国製にこだわるメンツが壁になってきていると言われています。


ユージ:今後もどうなっていくか、動きを注視していきたいと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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