22.11.30
新型コロナウイルス、感染増加の速度が鈍化。その理由は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺いました。
塚越さんが注目した話題はこちらです。
【新型コロナウイルス、感染増加の速度が鈍化。その理由は?】
吉田:新型コロナウイルスの全国の新規感染者数、増加が続いていますが、一方で、感染が増加する速度は鈍化=鈍くなっています。塚越さん、これはどのような理由が考えられるのでしょうか?
塚越さん:専門家も明確な理由は示していないんですが、考えられる理由はあるということなんです。まず、先々週の土曜~先週金曜の一週間の、全国新規感染者数は約64万3000人。これは前週比1.12倍で、先々週の1.16倍より緩やかになっています。依然として感染者は増えているんですが、「増え方が」思ったより多くないということです。また、全国的に感染者は増えていますが、一部地域では横ばい、もしくは減少傾向にある地域もあります。
この感染速度の鈍化理由として考えられるのは、現在の感染の多くが、今年夏の第7波と同じオミクロン株の「BA.5」であり、一定程度BA.5に免疫を持っている人が多いと考えられています。ですので、夏の時期に感染した人が多かった地域では免疫を持っている人が多く、感染者が比較的少なく、逆にそうでなかった地域は今回感染者が増えていると考えられています。例えば、沖縄は夏には感染者が多かったんですが、今回の8波では全国的にみて低いレベルにあります。逆に、夏に感染者が少なかった北海道や東北地方では、感染者が多くなっています。冬に入りBA5が再燃する中で、免疫の有無で感染状況の地域差に関係しているのではということです。
吉田:この冬は「第7波」のような大きな感染拡大は起こらず、このままピークアウトする可能性があるということなのでしょうか?
塚越さん:11月17日の厚労省の専門家会合の後、脇田座長は「BA.5」による今後の感染のピークは年内にも訪れるのではないか、と述べています。年内にピークということは、それ以降減っていくので、来年になると少し落ち着くということも考えられます。ただし、これはあくまでBA.5が今後も主流の場合だと考えられます。番組でもお伝えしてきたように、欧米ではBA.5の派生である「BQ.1」が、アジアではBA.2由来の変異株が混ざった「XBB」が流行しています。これらはどちらもBA.5より感染力が強いかどうかは不明ですが、コロナに感染して得られる免疫やワクチンによる免疫をすり抜けると言われているので、これらがBA.5と置き換わると、まだまだ感染状況は分かりません。東京都のデータでは、BA.5の感染者は10月では全体の9割でしたが、11月24日時点では約8割まで低下しています。残りの2割はBQ.1やXBB等が増えています。
ユージ:現在の感染状況、塚越さんはどのようにご覧になっていますか?
塚越さん:感染の増加率が鈍化と聞くと安心するかもしれませんが、例えば、鳥取県の平井知事は冬に向けた対策が必要なのに、こういうアナウンス自体が問題だと述べています。コロナも3年近く経っているので、個々人の判断も重要だと思いますが、こうした意見があるということも各自で考え、受け止めてほしいと思います。
個人的に気になるのは、感染症法の「2類」から「5類」への引き下げが検討されていることです。「5類」引き下げは簡単に言えば、インフルエンザ並のレベルに指定することで、「5類」になると発熱外来等を増やすことができます。コロナは現在「2類相当」で、感染者の入院勧告が必要ですが、すでに世の中はコロナでも自宅待機が当たり前になっており、事実上2類相当でもないのでは?と言われています。「5類」に引き下げると、発熱外来等は増えますが、ワクチンや医療費が有料になると言われています。ただ、法の運用で「5類」ではなく「5類相当」ということにして、コロナも「2類」ではなく「2類相当」として、運用で特例など違うことができるようになっているので、もしやるのであれば、個人的には5類相当ということにして医療費やワクチンは無料で良いのではないかと思います。このあたりを柔軟に対応してもらうのが重要かなと思います。いろいろこれからも注意していく必要があります。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 30, 2022
「新型コロナウイルス 感染増加の速度 鈍化」について
だんだんと感染者数が増えていますが、この"増え方”がポイントになっています。全国的に感染者は増えていますが、一部地域では 横ばい、もしくは、減少傾向になっている地域もあります。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 30, 2022
「落ち着いてきたな」「コロナの出口も見えてきたね」と思ってしまいますが、日本全国の感染者数を見てみると、大きな差が出ているところもあり、鈍化と言いつつも、地域によっては、再び増加してしまった場所や、増減を繰り返している場所もあります。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 30, 2022
何度も聞いていることですが、コロナの感染対策は引き続き、「With コロナ」の考えを持ちつつ、普段の行動に気をつけながら、生活を改めて考え直す必要もあると僕は思います。#ワンモ