22.11.07
節電ポイントが付与される節電支援策「節電プログラム」について
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
「節電プログラム」について
吉田:政府は先週金曜日、全国の家庭や企業を対象とした冬季の節電要請を正式決定しました。要請の期間は12月1日から来年3月31日まで。全国規模での冬の節電要請は2015年度以来7年ぶりとなります。
神庭さん:3月の電力需給逼迫警報、6月の逼迫注意報と、立て続けに電力不安が起こっていますけれど、これから寒くなっていくと再び、需給が厳しくなると予測されているんですね。ピーク時の電力需要に対して、供給側にどれぐらい余裕があるかを示す「予備率」という指標があるんですが、電力の安定供給には3%は必要だと言われているんですね。来年1月、仮に10年に1度の寒さがきたとしても、東北・東京エリアの予備率は4.1%で、一応3%は上回る見通しではあります。ただ、この3%はあくまでも必要最低限の数値であって、これで絶対安心か、と言われるとそんなことはないんです。ロシアのウクライナ侵攻もあってエネルギー価格は高騰しており、予断を許さない状態が続いている訳です。
そこで政府は、12月1日から来年3月31日の終日、明確な数値目標までは設けてはいませんが「無理のない範囲で」節電をしてほしいと呼びかけている訳なんです。
吉田:それほど逼迫はしていないものの、「大丈夫」「まったく問題ない」ともいえない…そんな感じなんですかね?
ユージ:うーん。そんな節電要請が出されているなか、政府が打ち出しているのが「節電プログラム」なんですが、改めて、どういったものなのか教えていただけますか。
神庭さん:はい。政府は予備費1784億円を投じて、節電プログラム促進事業を展開しているんですが、まず家庭向けでは、電力会社のキャンペーンに登録すると2000円分のポイントがもらえます。これはもともと夏からやっていたもので、期限は12月31日までになりますので、忘れないようにご注意ください。で、今回はこの節電プログラムを拡充して、電力の使用量を前年同月比で3%減らした家庭に、1~3月の3ヶ月間、最大3000円分のポイントを上乗せすることが決まりました。必ずもらえる2000円に加えて、3%節電に成功した場合の3000円もゲットすると、合計5000円分のポイントになるわけです。
また、企業の場合は、もともとプログラムへの参加を表明するだけで最大20万円相当の節電ポイントの付与があったんですが、前年同月比3%の節電を達成することで、さらに月2万円分のポイントが上乗せされることになりました。
ユージ:この「最大5千円分のポイント」については、神庭さん的にどう思いましたか?
神庭さん:正直、ちょっとしょぼいかな、と思ってしまいました。電気代は去年から2~3割上がっていて、来年の春にはさらにもう2~3割上がると言われているんですよね。やらないよりやった方がいいかもしれませんが、大幅に負担が増えていることを考えると、ちょっと“焼石に水”の感もある、と。しかも、この節電ポイントとは別に、政府は「総合経済対策」と銘打って、電気代・ガス代を2割下げるとぶち上げているんです。2割と聞くと嬉しくなって飛びつきたくなりますが、これはこれで問題があるんですよね。
吉田:どういった問題ですか?
神庭さん:一方で「節電しなさいよ」と言いながら、もう一方では無条件で「電気代お安くしときまっせー」とやれば、「じゃあ、遠慮なく使おう」という風になって、節電効果が打ち消されてしまうんですよね。「節電」と「物価高対策」で、政策目的が違うと言えばそれまでですが、あまりに矛盾したちぐはぐな対応なので、やっぱり、その場その場での場当たり的な対応をしているからこういうことになってしまうのかな、と思いますよね。例えば、節電量に応じたポイントバックの方を充実させるとか、もう少し整合性のとれた形にした方が良いんじゃないかと。
イギリスのトラス政権は、大型減税や電気・ガス代支援の大盤振る舞いを掲げて財政不安を招き、わずか44日で退陣しましたけれど、同じようなことにならないように、ばら撒きにならないよう出口戦略を考えておくことも大切かな、と思います。
ユージ:この問題の背景にあるのは世界的なエネルギー危機ですが、どうしたらいいんでしょうか?
神庭さん:ロシアのウクライナ侵攻がエネルギー危機の原因と言われていますが、実はその前から危機は始まっていて、化石燃料の消費を減らして再生可能エネルギーを増やそう、という世界的な潮流のなかで、石炭に比べれば環境負荷の小さい液化天然ガスが「当面のつなぎ役」として注目を集めて、国際的な争奪戦が起こっていたんですよね。そういった「グリーンフレーション」の中でエネルギー価格が高騰していましたので、「ウクライナが落ち着いたら元に戻るだろう」というのは甘い見通しで、今後も続いていく可能性はあるわけですね。
ユージ:これはなかなか厳しいですね。
神庭さん:「暑いぞ!節電しよう! 」「寒くなってきた…節電だ!」みたいな、毎度毎度の節電頼みには限度がありますので、中長期的な電力政策やエネルギー安全保障について考えていかないと。
「CO2削減のために火力を減らそう」「原発は動かすな」「電気料金は上げないで欲しい」これら全部を満たすのは難しいので、何をあきらめて、何をあきらめるべきではないのか、という議論を尽くしていく必要があるな、と思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 7, 2022
テーマは、ポイントが付与される節電支援策「節電プログラム」
電力会社のキャンペーンに登録していれば2000円分、
さらに昨年の同じ月と比べて3%節電できていれば、
1〜3月の3ヶ月間で最大3000円分、
合計5000円分のポイントがもらえるという仕組みです。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 7, 2022
それでもまずはポイント以前に、
今回の節電要請を受けて、改めて節電を意識していく必要があると思いました。
もちろん、寒さに耐えきれない時などは命を優先しましょう。
生活の中で必要ないと思える部分があれば、
そこから節電につなげていけばいいのではないでしょうか。#ワンモ