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22.10.10

明日からスタート!「全国旅行支援」
nullネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。

今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


「全国旅行支援」あすスタート

吉田:神庭さん、まずは基本的なところからご説明をお願いします。


神庭さん:はい。「全国旅行支援」では、旅行代金の最大40%が割引になるんですね。期間は明日10月11日から12月下旬迄ですが、予算がなくなり次第早めに終了になる可能性もあります。
1番割引率が高いのが、新幹線やバス、飛行機、フェリーなどの交通機関と宿泊がセットになったパックツアーで、この場合は1人1泊最大8000円が補助されます。自分でレンタカーや新幹線、ホテルをバラバラに予約した場合や日帰り旅行の場合は、補助の上限が少し下がって5000円となります。
それに加えて、行き先の都道府県内で使えるクーポン券ももらえまして、平日は1泊3000円、休日は1泊1000円。つまり、平日に交通もセットになったツアーを予約した場合が一番お得で1万1000円の補助を受けられることになります。


ユージ:これは大きいですよね!これまでに行なわれた「GoToトラベル」や「県民割」との違いはなんでしょうか?


神庭さん:気になりますよね。GoToトラベルは国の事業で、窓口が全国で1本化されていましたが、全国旅行支援の事業主体は各都道府県になります。各県ごとに判断が任されていますので、今回も、東京都は準備が間に合わないということで、スタートを10月20日に遅らせました。なので、明日スタートするのは、東京以外の46道府県ということになります。
県民割との大きな違いは「エリア」ですね。県民割は自分の住んでいる県や近隣県が対象でしたが、全国旅行支援は名前の通り、全国への旅行が対象になります。そして県民割は最大7000円の割引でしたが、全国旅行支援は最大1万1000円なので、旅行商品によっては旅行支援の方がお得、ということになります。


吉田:1万1000円は大きいですよね。具体的に何かお得な情報ってありますか?


神庭さん:そうですね。札幌市の「サッポロ割」といった感じで、各自治体が提供しているキャンペーンがあるんですけれども、これと組み合わせて活用するとさらにお得になります。例えば、鹿児島県は県内の離島に宿泊する場合に最大4000円の割引を上乗せ。奈良県も県独自の上乗せ施策を用意しているんですね。東京も1泊5000円割引の「都民割」と併用することで、最大1万6000円の割引を受けることができる、ということなんです。


吉田:組み合わせでお得になるのはいいですね!ほかには何かありますか?


神庭さん:はい。先ほど、クーポン券が平日1泊3000円、休日1泊1000円で、平日の方が優遇されているとお伝えしましたが、全国旅行支援の「休日」の定義がちょっと特殊でして、日帰りの場合は文字通り「土日祝」なんですが、宿泊旅行の場合は「宿泊日とその翌日がともに休日」という場合のみ、休日扱いになるんです。で、10月11日から12月下旬までの期間中だと、この条件を満たすのは、実は土曜日だけなんです。つまり、金曜泊や日曜泊は「平日」扱いでお得になる、ということでなんです。「複雑でわかりづらいよ~」という方は、宿泊の場合「土曜以外は平日扱いでお得」ということだけ覚えておいて頂ければ良いかと思います。


ユージ:お得だということはわかりましたが、何か注意点はありますか?


神庭さん:これに関しては、早くも便乗値上げを疑う声が出ているんですね。「お得だ」「〇%割引だ」と言っても、値引き前の価格が引き上げられてしまったら意味がないですよね。「かえって高くついた」とか、ただただ混雑して「全然くつろげなかったよ」ということも起こり得ると思います。周辺のほかのホテルの相場とか、去年の同時期の価格などもネットの口コミ情報などで調べておいた方が良いかもしれません。
朝日新聞によると、観光庁は県民割に際して、支援の趣旨を逸脱した販売が確認された場合は「厳正に対処する」という要綱を定めています。埼玉県でも便乗値上げをしないよう、宿泊施設に誓約書をとっているということなんですが、とはいえ、繁忙期に値段を引き上げる「ダイナミックプライシング」は宿泊施設では当たり前ですので、どこまでがセーフな商行為で、どこからが不当な「便乗」になるのか、非常に曖昧なところです。なので、よっぽど悪質なケース以外は、行政が指導するのもなかなか厳しいのではないかという気がしますね。


ユージ:他に、神庭さんが考える課題はありますか?


神庭さん:はい。47都道府県で窓口がバラバラなうえ、見切り発車のままバタバタと進んでいるので、事業者側も混乱しているんですね。星野リゾートは11日からの実施を断念して、10月25日宿泊分からの実施を検討していると発表しています。今後、宿泊施設に問い合わせが殺到したり、トラブルが起きないか、というのが心配なところです。
また、この「全国旅行支援」がそもそも必要なのか?という部分でも賛否両論あります。これまでずっと我慢をしてきて、旅行したくてウズウズしている人は多いですし、歴史的な円安で海外旅行がままならないいま、行き先は必然的に国内旅行になりますよね。つまり、補助金などをつけなくても、旅行に行きたい人は勝手に行くんじゃないか?という考え方もできる訳です。コロナで観光産業が大きなダメージを受けたのは確かですが、傷ついたのは観光業だけではないので、それでもやるのであれば「どうせ利益誘導でしょ」とか「需要の先食いじゃないの?」といった疑念を振り払えるだけの、経済効果なり政策効果なりをしっかり示して欲しいと思います。
GoToをめぐる不正受給などもありましたけれど、調査が難航していて、不正に関与したとされる企業の刑事告訴や行政処分が困難な見通しだという報道も出ていますから、そういうことが繰り返されないようにして欲しいですね。



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