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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.10.04

岸田総理の所信表明演説
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『岸田総理の所信表明演説』


吉田:昨日の『臨時国会』で行われた、岸田総理の『所信表明演説』、様々なポイントがあると思いますが、神庭さん、まずは注目された『電気代の負担軽減』についてお願いします。


神庭さん:電気代に関して総理は、「家計や企業の負担増を直接的に緩和する、“前例のない”思い切った対策を講じる」というふうに話したんですね。『ウクライナ情勢』とか、温暖化対策のための『グリーンフレーション』などを受けて、この1年で電気代は2~3割上がっているんですよね。ウクライナ情勢は泥沼化してますので、来春には、さらに急激な上昇のおそれもあります。2021年度の国内の電力販売額が14兆円でしたから、仮に10%の値上がり分を補うとすると、1.4兆円の国費負担が必要となる計算です。


ユージ:負担を軽減してくれるなら、ありがたいですけど、どこまでやってくれるんでしょうね…。


神庭さん:そこですよね。確かに、ありがたいんですけれども、「いくらまで下がったら支援をやめるのか」という、出口戦略もきちんと描いておく必要があるんですよね。今年1月に導入した『ガソリン補助金』の場合は、延長に次ぐ延長で、12月末までの期限を来春まで延長することが検討されています。12月末までで3兆円を超える予算がすでに費やされておりまして、3ヶ月延長するんだったら、さらに1兆円以上が必要になると…。“緊急”というふうに銘打って始めたはいいんだけれども、反発を恐れてやめ時を見失ってしまうと、血税をだらだらと垂れ流し続けることにもなりかねません。また、『ガソリン補助金』は、石油元売りへの補助で、「ちゃんと消費者に還元されているんですか?」という疑問の声が出ていましたけれども、今回もまったく同じ構図で、“直接緩和”というのであれば、電力会社だけが潤うんじゃなくて、消費者にも還元される仕組み、きちんとチェックが働く仕組みが必要じゃないかなと思います。


吉田:電気代に関して、他に課題ですとか、懸念していることはありますか?


神庭さん:“イギリスの二の舞は避けなければいけないな”と思っています。イギリスの新首相のトラス氏は、7兆2000億円を超える大型減税を発表したんですね。さらに、『インフレ対策』として、“半年間の電気・ガス料金の凍結”という大胆な策を打ち出したんですけれども、これによって9兆6000億円を超える財政負担が発生しました。財源の裏付けがないままに大盤振る舞いを乱発する『トラスノミクス』を市場は警戒して、財政への不安からですね、国債価格が下がって、通貨ポンドも暴落。さらに、株まで下落してしまう“トリプル安”に見舞われたんですね。批判を受けて、減税の一部を撤回する事態に追い込まれているわけですけれども、すでに日本も、“大幅な円安”、“株安”に陥ってますので、まったく他人事ではないんですよね。岸田総理は、電気代の軽減も含めた『総合経済対策』というのを指示していて、自民党内ではですね、「補正予算の規模は30兆円以上だ」という声も出ています。ただでさえ、当初予算に加えて、補正予算はタガが緩みがちですから、もちろん、必要な対策は躊躇するべきではないですけれども、バラマキというふうに思われてしまうと、信任を失ってしまいますので、市場に不安が広がらないような、優先順位を付けた対応が求められているんじゃないかなと思います。


吉田:岸田総理が昨日表明した内容で、他に神庭さんが気になったポイントはどこでしたか?


神庭さん:『外国人観光客の誘客』ですね。岸田総理は演説で「円安のメリットを最大限引き出して、国民に還元する」というふうに発言しました。10月11日から外国人の個人観光客の受け入れを始めるなど水際対策を大幅に緩和することで、“年間5兆円を超えるインバウンド消費を目指す”ということなんですけれども、外国人旅行者による消費額は、コロナ前の2019年に4兆8000億円あったんですが、昨年は1208億円まで激減してしまいました。円安ということは、海外から見たときに「日本がお買い得だよ~!」ということですから、この点を逆手にとって観光客を増やそうということですね。あわせて、海外から半導体とか蓄電池の工場誘致も進めるということで、「安いよ!安いよ!日本大安売りだよ!!」というバーゲンセールと言ってみてもいいかもしれません。円安をですね、絶対の動かしようのない前提とするのであれば、理に適った施策というふうに言うことはできると思います。中国進出していた日本企業でもですね、円安が進みすぎて、中国より日本の方が安くつくれるということで、生産拠点を国内に戻す動きが広がっているんですね。みなさん、薄々気づいてらっしゃるかもしれないんですけれども、日本はもはや、悟空とかベジータではなくて、ヤムチャくらいまで戦闘力が落ちてきちゃっているんですよね。「円安のメリットを最大限に」という岸田さんの言葉をドラゴンボール語に翻訳すると、「身の丈にあったヤムチャ国家として生きようよ」ということなんですよ。頭では理解できるんですけれども、僕も子どもの頃、“バブル経済の残り香”くらいは吸ってますから、一抹の寂しさがあるのも確かですね。


ユージ:まぁね…、確かにヤムチャは好きなんですけど、そんなに強くないからねぇ…。(笑)


神庭さん:そうなですよね。(笑)


ユージ:他には何かありますか?


神庭さん:はい、『バス置き去り対策』ですね。静岡の3歳の女の子が子ども園のバスに置き去りにされて亡くなった事件がありましたけれども、それを受けて、安全装置の義務化をやるよということで、岸田総理は打ち出しました。これは、非常に評価できるんじゃないかなと思います。車の後方にブザーを付けたり、センサーを付けたりという、いろんな技術がありますし、アメリカとか韓国ではですね、そういった置き去り検知システムを導入する法律、法整備も進んでいますから、日本も続いて欲しいなと思いますし、野党の方でもですね、立憲と維新も、この置き去り問題について取り組むというふうに合意していますから、これは超党派でですね、右左関係なく、スピーディーに対策を進めていただけたらいいなというふうに思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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