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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.09.15

鉄道の自動運転、初めて指針公表
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
引き続きコメンテーターは、情報社会学がご専門の、学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


鉄道の自動運転、初めて指針公表

笹川:国土交通省は13日、鉄道で「自動運転」を導入する際の指針を初めてまとめました。これは、運転士が乗務する時と同等以上の安全性の確保を基本に、鉄道での自動運転の導入に必要な技術的な要件を盛り込んだもので、今回の指針をもとに今後、鉄道会社などと具体的なルールを進めていきます。


ユージ:塚越さん、鉄道も自動運転に向けて進んでいますが、その背景には何があるのでしょうか?


塚越さん:人口減少や高齢化に伴い、「運転士」の確保・育成が困難になっています。特に地方の鉄道は経営難です。というのも、運転士は国家資格が必要で、1年近くかけて学んで、資格試験に合格しても、先輩運転士が同乗して訓練する必要があります。一方、運転士ではない「係員」は資格がいらず、短期間の講習などで養成可能です。「係員を車両の先頭に乗務させる」という日本独自の規格で、安全性を確保しながらコストを削減する狙いがあります。


ユージ:今回まとめられた内容について伺いたいのですが、先ほど出てきた「日本独自の規格」とはなんでしょうか?鉄道にも車と同じように国際的な基準があるんでしょうか?


塚越さん:鉄道の自動運転レベルを定めた基準は、「国際公共交通連合(UITP)」が定めるGoA(Grades of Automation)というものがあります。世界基準は、0~4の5つのレベルがあります。
レベル0は自動運転がない状態。レベル1は速度超過などでの自動減速や、事故発生時の自動停止。ただ、基本的な運転は運転士が行います。次のレベル2になると、運転士は必要ですが、ドアの開閉や発車のみ担当で後は自動運転。トラブルが起きた時にのみ運転士が介入します。既に一部の地下鉄で導入されています。レベル3になると、運転士が必要なく、運転資格のない係員が避難誘導などに備えて列車内にいますが、運転はしないです。千葉のモノレール「舞浜リゾートライン」が該当です。最後のレベル4になると、完全無人の自動運転です。東京の「ゆりかもめ」といった新交通システムなどが実施しています。今回発表された指針では、運転士が必要な「レベル2」と運転士がいらない「レベル3」の間に、日本独自の「レベル2.5」という規格が定められました。レベル2.5は、運転士はいないが、資格をもたない「係員」が先頭に座り、出発時の安全確認やドアの開閉操作、緊急停止操作、避難誘導を行うものです。安全に配慮しながら、運転士がいなくても運行できるようにしています。


ユージ:日本独自の「レベル2.5」。何故、日本独自の規格を作ったんですか?


塚越さん:日本の一般的な路線では、踏切で車が侵入したり、線路内に人が立ち入ったりするので、様々な確認が必要。運転士なしは難しいとされています。レベル3の「運転士なし」も、基本的にモノレールなどに限られます。レベル4の「ゆりかもめ」は完全自動化されていますが、これは踏切がなく、駅にホームドアもあるといった無人運転を前提に造られているから出来るものです。


ユージ:線路、レールに立ち入ることが難しい造りになっていますよね?


塚越さん:そこで、踏切などがある一般の路線でも運転士なしで行えるように、「係員」が緊急停止などに対応できるものとして、日本独自の「レベル2.5」が示されています。


ユージ:今、そういった自動運転の話は、どのくらい進んでいるんですか?


塚越さん:日本独自のレベル2.5は、すでに、福岡市などで25キロを走るJR九州の在来線「香椎線」で、2020年から実証運転を開始しました。運転士がおらず、資格のない係員が車両の先頭にいる「ドライバーレス」スタイルです。ですが、現在はまだ資格のある運転士が先頭に乗車しています。香椎線は、踏切があり、ホームドアもないですが、実証運転では、係員による緊急停止ボタンが押されたのは、およそ20回。おおよそ安全性は保たれていて、2024年度末までに、運転士以外の係員だけで運行することを目指します。


ユージ:2024年ということは、割とそんなに先ではないですよね。「ドライバーレス」スタイルにすることによって、利用者にメリットは生まれそうですか?


塚越さん:例えば、香椎線はワンマン運転なので、車椅子利用の乗客対応は運転士の負担になります。2.5レベルの運行であれば、係員は乗客対応がメインの仕事になるので、利用者にとっても便利になる場合があります。いずれにせよ、将来的な人口減少などを前に、出来ることは今しておく必要があると思います。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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