22.09.13
国葬をめぐる岸田総理の説明について

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『国葬をめぐる岸田総理の説明について』
笹川:『安倍元総理の国葬』を巡り、8日、衆参両院の議院運営委員会で閉会中審査が行われ、出席した岸田総理は、国葬決定の経緯や意義を初めて国会で説明しました。
神庭さん、岸田総理の説明は「説明不足」と言う論調が多いようですね。
神庭さん:そうですね、岸田総理は、基本的にこれまでの政府の説明を繰り返したかたちでですね、「なぜ、国葬にするのか?」ということについて、こんなふうに説明しました。一つ目は、“安倍元総理が憲政史上最長となる通算8年8ヶ月にわたって総理を務めた”ということ、二つ目が、“外交や経済で大きな功績を残したこと”。三つめが、“暴力に屈せず、民主主義を守り抜く決意を示す”ということ。四つ目が、“海外から幅広く追悼メッセージが寄せられている”ということなんですね。最後の4つ目に関していうと、岸田総理は「来日する各国要人と集中的に会談し、安倍元総理の外交的遺産を我が国としてしっかり受け継ぐ」というふうに話しました。これは、俗に言う『弔問外交』なんですけれども、僕はこの言葉自体、正直、どうかな?と思っていて、故人を悼むという自然な感情をですね、「これは外交です、海外から偉い人がたくさん来ます。国益にもかなうんです」というロジックにすり替えて、ある意味、政治利用しているようにも見ちゃうんですよね。なので、『国葬』にすることで保守派の支持を取り付けようとか、弔問外交のメリットを強調しておけばいいだろうとか、ところどころ下心というかですね、不純な動機が見え隠れするのが気になるところではあります。
笹川:『国葬の費用』についても大きな関心が寄せられていますがこの説明もありましたよね。
神庭さん:当初は2億5000万円と言われていたんですけれども、政府が6日に16億6000万円になるという見通しを示しました。会場設営費などと別に、警備費に8億円、外国要人の接遇費に6億円、岸田総理は「過去のさまざまな行事との比較においても妥当な水準」というふうに述べたんですね。だとすれば、最初からその数字を示すべきだったんじゃないかなと思います。心理学や行動経済学で『アンカリング』という言葉があるんですけれども、人は最初に示された数字とかデータが強く印象に残って、その後の判断も最初の数字に引っぱられがちになるんですよね。最初に2億5000万円と言われていたら、当然それを基準に考えますから、後から後から数字が膨らんでいくと、「どうなっているの?」と不信感が広がってしまいます。警備や接遇にお金がかかることなどは、最初からわかっていたわけですから、もっと早い段階で概算でもいいから金額を出したほうがよかったんじゃないかなと思いますね。
ユージ:確かにその通りだなと思います。やっぱり、素人の僕なんかでも、2億でおさまらないんじゃないかな!?って思ってたので、後から増えたのは、警備だったり外国要人の接遇費って言われると、それって最初から計算に入ってなかったの?とかって思っちゃいますよ。だから、うまく説明ができなかったのかなという印象になってしまいますよね。
神庭さん:その説明が後手後手になっちゃって、泥縄式な印象を与えてしまったわけですけど、一方でですね、ここまで国葬を推進する側の問題点を挙げてきたんですが、実は、反対派にもちょっといただけないなと思う点があるんですね。
ユージ:どんなところでしょうか?
神庭さん:国葬阻止を呼びかける反対派のデモのチラシがTwitterで流れてきたんですけど、そこには「アメリカ政府や日本政府による対中国侵略戦争を絶対に許すな!」とデカデカと書いてあったんですね。頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになったんですけれども、なんか変なイデオロギーが入ってきちゃっている。先ほど、「弔問外交は死の政治利用だ」というふうに言ったんですけど、実は、反対派も自分たちの主張を広めるために「国葬反対を政治利用しているのではないか?」と…。反対派の中にはですね、ご遺族である安倍昭恵さんのSNSアカウントにわざわざ「国葬反対!」とか「早く国葬を辞退してください」みたいなコメントしにいっている人もいて、悲しくなりました。批判をするならですね、費用の問題とか法的手続きの正統性とかを冷静に淡々と政府に対して指摘すればいい話で、ご遺族に対してぶつけるのは違うんじゃないかなと思いますね。
ユージ:そうなんですよね。そういう言葉をご遺族に対してというのはやめてほしいなと思います。言動とかが過激になっていくと、話し合いもなにもできないですからね。神庭さんは、今回の国葬をめぐる問題はどう感じてらっしゃいますか?
神庭さん:安倍さんの功績をたたえて、盛大に葬儀をすればいいんだというふうに思います。ただし、そこに税金を投入する必然性はあまり感じないんですよね。仮に自分の家族の葬儀だとして、葬儀に列席した人が「なんだこの葬式は!」「いくらかかったんだ?」「寿司がまずいぞ!」と大声で文句を言われたら、「お香典は結構です。お引き取りください」と言って塩をまくと思うんですよ。参加したくない人とか故人を悼む気がない人を無理やり巻き込むから反対の声が増幅するんですね。お金を払ったら一言言いたくなるのが人情ですから、どうしても「俺は香典払ってるんだぞ!」という気持ちになっちゃう。だから、文句を言わせないためにも香典は受け取っちゃダメだったと思うんですね。税金が入れば、当然、できるだけ質素にお金をかけずにやらなくてはいけないので、「何にいくらかかった?」とか、「なんであの業者に頼んだんだ!」とか、どうしてもケチくさい話になっていっちゃうわけですよね。
ユージ:ん~…、これどういったかたちでやるのがよかったのかなと思いますか?
神庭さん:そうですねぇ、僕は、やっぱり、安倍さんを尊敬して、心から惜しむ人たちだけが集まって、静かに追悼するというのが理想的なかたちだったと思うんですね。自民党員の方が全国に112万人いて、1人1万円払ったら112億円、3万円払ったら336億円集まるんですよ。海外から賓客を招いても恥ずかしくない、盛大な追悼式典ができると思います。自民党にも政党交付金のかたちで税金が入っていますけれども、「それにも一切手をつけず、自分たちだけでやります!」と言って、『党員葬』をあげれば、誰も文句は言えないですよね。なので、『国葬』というかたちにこだわったがために、国論を二分する騒ぎになってしまって、“静かに送り出す”という当初の目的と正反対の結果になってしまったのが非常に残念だなというふうに思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 13, 2022
「国葬をめぐる岸田総理の説明について」
国葬反対の声が多い理由として、
僕は、国民の疑問を解決することなく国葬を進めたプロセスに問題があると思います。
#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 13, 2022
岸田総理の説明の中に、国葬に値する基準が示されていない点も
疑問を増やしてしまう形になっているのかなと思います。
金額も当初言っていた金額を大幅に超えていて不信感に繋がります。
本日神庭さんがおっしゃっていた意見にとても納得出来まして、
#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 13, 2022
安倍さんを尊敬し、心から惜しむ人たちだけが集まり、追悼するのが理想で、
自民党員112万人が1人1万円出すだけで112億円になります。
海外から賓客を招いても恥ずかしくない、追悼式典ができるのかなと思いました。
#ワンモ