22.08.31
夏休み明けに増える子どもの自殺。コロナ禍の悩みの傾向は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
引き続きコメンテーターは、情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
夏休み明けに増える子どもの自殺。コロナ禍の悩みの傾向は?
吉田:夏休みが明けて、学校が再開する時期は、子どもの自殺が増える傾向にあります。この問題について、けさは、全国の18歳以下の子どもから、電話やチャットで悩みの相談を受け付ける「チャイルドライン」を運営している、認定NPO法人、「チャイルドライン支援センター」の常務理事、高橋弘恵さんにコメントをいただきました。コロナ禍で、子どもたちの悩みに変化はみられるのでしょうか?高橋さんに伺いました。
高橋さん:昨年度、チャイルドライン、全国68団体あるんですけれど、そこで受けた電話と、チャットで会話が成立した件数が大体4万7000件なんですが、最も多いのが「自分の心に関すること」になっています。その次に多かったのが「人間関係」に関することです。新型コロナが流行して以降は、学校がお休みになったり、という関係で、「人間関係」がストレスであった子たちからの「人間関係」に関する困りごとというのは減ったんですけれど、その分、外に出られなくて、一人で家にいるとか、友だちと触れ合うとかという時間が減った分、自分に向き合う時間が増えたというのがあって、「自分の心に関すること」というのが増えたのかな、と思います。思春期特有の「なんで生きているんだろう」とか、「これから自分はどうなっていくんだろう」とか、「何をしていくんだろう」みたいな不安が、学校に行っていたりすれば、友だちと話してつぶれていた時間がなくなった分、自分のことを考える時間が増えて、ちょっと、うつ傾向が増えたとも言われていますけど、心が弱ったかな、という印象は受けています。
吉田:今日は、8月31日なので、明日が夏休み明けで、学校に行きたくない、と悩んでいる小学生、中学生、高校生、いらっしゃるかと思います。今まさに悩んでいる子どもたちは、どうすればいいのでしょうか?
高橋さん:まず、ひとりで抱えずに、ひとりでモヤモヤ考えて、ぐるぐるしているよりは、一度吐き出してみる、ということをしてほしいなと思っています。チャイルドラインは電話してきてほしいなと思うのですが、ハードルが高ければ、オンラインチャットで文字でやりとりもできますし、ホームページに「つぶやく」という、書き込むだけのページがあります。まず、そこで気持ちを吐き出してみる。自分がどんなことにモヤモヤしているのか、困っているのか、というのが文字で見ることができるので、それで一旦、落ち着いて、誰かに相談してみる。答えがなくても、話をするだけでいいので、雑談でもいいので、誰かとコミュニケーションをとるということをしてほしいです。ひとりで孤独に考えていないでほしいなと思います。
ユージ:夏休み明け、子どもの自殺が増える傾向にあること、塚越さんはどのようにご覧になっていますか?
塚越さん:昨今の悩み相談で注目されているのが「LINE」等を利用したチャットです。若者にとっては、匿名であっても、電話=声を利用したコミュニケーションにもハードルが高いと感じる人は多いです。チャットであれば、そのハードルが下がります。例えば、長野県が2017年、中高生向けにLINE専用の悩み相談アカウントを2週間開設したところ、1500件ほどのアクセスがありました。その前年の一年分の電話相談が259件だったのと比べても、敷居が下がるので、効果は高いです。相談員としても、チャットならログが残るので、別の相談員でもログさえ読めば対応ができるという点も大きいです。そこから信頼を高めて、場合によっては電話や対面といった手段に繋げることもできます。次に、チャイルドラインさんで行っている「つぶやく」というページです。Twitterの鍵垢のように、自分だけが見えるつぶやきです。自分だけのつぶやきは、いわば自分のためだけに書かれた「日記」のようなものです。日記を書くというのは「自己相対化」行為になりますし、言葉を挟むことで、自分をある意味で他人のように見ることができます。書かれている言葉から自分の気持ちを改めて確認するだけでなく、おかしいと思ったら修正するきっかけにもなります。日記は昔から、古くは古代ローマから実践が確認されている方法です。大人も含めて、よい実践だと思います。また、「つぶやく」のページでは、他人のつぶやきを見ることもできます。他人のつぶやきを見ることで、自分に固有の悩みは自分だけのものではないと感じることもできます。ネットやSNSの世界はとにかくめまぐるしく動くので、気づくと、自分の気持ちをないがしろにしがちです。かといって一人で自分の気持ちを考えすぎると、そこから出られなくなるので、チャイルドラインのようなサービスを適切に利用することでバランスをとって欲しいです。未だ、こうしたサービスの利用を躊躇する空気もあるように思われるので、みんなで空気を変えるアクションも必要だと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ワンモ #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 31, 2022
「夏休み明けに増える子どもの自殺。コロナ禍の悩みの傾向は?」
今回、子どもにフォーカスしましたが、誰でもそうだと思いますし、いろんな悩みごとへの対処の仕方はいろいろあります。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 31, 2022
人に相談した方がいいとよく聞くけど、いざ本当につらい時に言えないことはありますよね。僕ももちろん、人に言いづらいことや、どこまで弱みを見せていいのか悩むことがあります。
#ワンモ #ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 31, 2022
僕は、人に打ち明けにくい気持ちは紙に書きます。書くことは、人に相談するのと近いところがあって、自分の中の「つらい」という気持ちが可視化されて出たように感じます。自分のネガティブな感情を書くというのは、自分の中から吐き出す一つの方法としていいのかなと思います。
#ワンモ #ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 31, 2022
最近では、LINEなどで自分の顔や名前、声も出さずに文章を送って誰かが相談に乗ってくれるという方法もあるので、そういったツールに頼るというのも一つです。つらいこともあるかもしれませんが、上手く吐き出す方法を見つけてほしいなと思いました。