22.08.22
位置情報共有アプリ

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【位置情報共有アプリ】
吉田:利用者が増えている位置情報共有アプリですが、今月13日に北九州市で発生した母親と娘が男に刺された事件で、容疑者の10代の男性が被害者の住居特定に、この位置情報共有アプリを使ったのではないかと言われていて、改めて注目されています。そこで今朝は、中高生の間で広がっている理由と、そのリスクについて神庭さんと考えます。
まずは、今回の事件でも使われたとされるアプリとは、どんなアプリなんでしょうか?
神庭さん:友人や交際相手、家族との間でGPSの位置情報を共有することができるアプリが使われたと報じられています。子どもの見守りアプリの場合、親→子どもで「監視」の目は一方向ですが、共有アプリの場合は、お互いに今どこにいるのか分かります。滞在時間も分かってしまうので、行動が相手に筒抜けになるということです。一番有名なZenly(ゼンリー)というアプリの場合は13歳未満は使えないので、その点も見守りアプリとは異なるところです。一応、Zenlyにはゴーストモードというモードもあって、位置情報をぼかしたり、1箇所から動かないように一時的に固定することもできるようにはなっています。
ユージ:どれくらい浸透しているんですか?
神庭さん:ITツール比較サイト STRATE(ストラテ)の調査によると、交際相手のいる10代・20代の約23%が恋人やパートナーとアプリで位置情報を共有しているそうなんです。特に10代はその割合が高く、30%に達しています。交際相手に限らず、親しい友人や親など家族も含めれば利用者はさらに増えるのではないかと思います。
吉田:中高生など若者に人気ということですが、なぜ中高生に人気なんでしょうか?
神庭さん:1つは便利ということで、待ち合わせの際にいちいち「今どこ?」と聞かなくて済むとか、スマホをなくしてしまった時に友達のアプリから逆探知して見つけることができたとか、細かな利便性の部分が理由に挙げられることが多いですね。あとは、部活やバイトで外出している時は連絡を控えて、家に長くいるような時に「遊びに行かない?」と声をかけるとか、そういった用途なんですが、それはそれで便利ですが、僕は人気の本質を読み解くキーワードは「常時接続」だと思っています。若い子たちはLINEを繋ぎっぱなしにして一緒にゲームをしたり、恋人同士で寝落ちするまで通話したりとオンラインでつながっている状態の方がデフォルトになってきているんです。位置情報という究極の個人情報を共有するアプリも、常時接続カルチャーの延長線上で理解できるのかなと思っています。「時間」だけでなく「場所」という密度の濃い情報を24時間共有しあうことで、より深くつながり合いたい、という願望の表れのような気がします。
ユージ:どうしても危険な面がありそうですね…。
神庭さん:事件に巻き込まれるきっかけになったり、ネットストーキングに使われてしまう恐れはあります。試しにアプリをのぞいてみたところ、位置情報の共有範囲を数人から十数人くらいで設定している人が多かったんですが、なかには50人を超えるような人もいて、大丈夫?と心配になりました。TwitterやInstagramで自らIDを晒して、「追加して」と呼びかけている人もいます。駅前で自宅住所の書かれたポスターを持って突っ立っているようなものですから、本当に気を付けて欲しいと思います。
ユージ:共有範囲を仲のいい人に限定すれば、問題ないってことですか?
神庭さん:仲のいい人、親しい人に限定すれば大丈夫かといえば、そうとも限りません。その人がいつ裏切って悪意を抱くか、あるいはストーカーに豹変するか、誰にも分かりません。警察庁の犯罪白書によると、年間約2万件あるストーカー事案の相談のうち、交際相手(元交際相手)が40.8%、配偶者(元配偶者)が7.4%、知人・友人が12.6%と合計で6割弱を占めているんです。「面識なし」の7.8%に比べると、恋人・夫婦・友人知人といった濃い関係の方がずっと多いわけです。本人的には「親しい」「仲がいい」と思っているケースの方が実はよっぽど危ないんじゃないかとも言えるんです。
吉田:どんな対策が考えられますか?
神庭さん:共有する人をできるだけ少なくする、家の近くではGPSを切る、ゴーストモードにするなどの対策はあるんですが、本質が位置情報の共有にある以上、対症療法的なものでしかないです。それでも使うなら、いま申し上げたようなリスクをしっかり認識して、保護者や学校からも中高生の子どもに強めに伝えた方がいいと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 22, 2022
「位置情報共有アプリ」について
最近10代を中心に利用者が増えているそうです。
相手の居場所を知るツールというと、安心する部分もあれば、先日、北九州市で発生した母親と娘が男に刺された、というような「事件」につながってしまうケースもあります。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 22, 2022
非常に怖いと思うのは、親の家で暮らす10代の子どもが親の知らないところで位置情報を共有すること。
これは家族の位置情報を共有していることと同じです。
10代だからこそお互いの居場所を知りたいという声もありますが、親としてはどこまで監視すべきなのかも問題です。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 22, 2022
議論になったのは、何歳まで親が子どもを監視すべきか。
我が家も家族で位置情報アプリを利用していますが、19歳の息子には了承も得ていて、自ら共有をオフにすることもできます。
僕は、家族でしっかりと話し合いができていれば、年齢に関係なく監視して良いのかと思います。#ワンモ