network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.08.18

およそ6年ぶり、日米韓ミサイル対処訓練
null

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
引き続きコメンテーターは、情報社会学がご専門の、学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


およそ6年ぶり、日米韓ミサイル対処訓練

吉田:防衛省は16日、海上自衛隊と米韓両国の海軍がハワイ沖でミサイル対処の共同訓練をしたと発表しました。日米韓がミサイル防衛の訓練をしたと公表するのは、2017年12月以来、およそ6年ぶりのことです。


ユージ:塚越さん、今回の共同訓練の狙いについて教えてください。


塚越さん:基本的には、核・ミサイル開発を進める「北朝鮮」に対して、日米韓が連携して対処することが主な狙いですが、「戦後最悪」と言われるまで冷え込んだ日韓関係の改善という意味もあります。もともと近年の日韓関係は悪く、2018年12月、韓国軍の艦艇が海上自衛隊の哨戒機という航空機に火器管制レーダーを照射した事案を受けて、さらに悪化し、共同訓練が実施されてこなかったです。日韓は文化では密接な関係ですが、政治は冷え込んでいます。一方、今年の5月に新大統領となったユン・ソンニョル氏は、日韓関係改善を重視していることもあり、その一歩として、今回の共同訓練が再開されることになりました。ユン・ソンニョル大統領は、今年の8月15日、日本の統治から脱して主権を回復したことを記念する「光復節」の演説で、韓国国内では批判も大きいですが、「日本は今や共に力を合わせて進むべき隣人だ」と述べています。今回実施された訓練は、もともと6月に実施が決まっていて、その当時、岸田総理、バイデン大統領、ユン・ソンニョル大統領の三者による「首脳会談」が、およそ5年ぶりに行われました。日本としても、実施は決まっていたとはいえ、岸田総理は内閣改造の際にも「防衛力強化に取り組む」と述べていることから、日本の立場を示すこととなります。またアメリカとしても、自国のためにも日韓関係の改善を働きかけていて、今回の共同訓練は歓迎すべきことだと思います。


ユージ:日韓関係の改善の意味もあったんですね。訓練は、具体的にどのような内容だったんですか?


塚越さん:ハワイ沖で、弾道ミサイルの探知や追尾の訓練を実施しました。また、3カ国の通信システムをつないで、部隊間の情報伝達や戦術的なデータも共有しました。有事の際は、特にミサイルの場合、データ共有と分析が重要です。ウクライナ侵攻をめぐっても、米軍が情報提供することでウクライナに有利な情報がもたらされたことは記憶に新しいです。


ユージ:実際、北朝鮮から発射されるミサイルは増えているのでしょうか?


塚越さん:北朝鮮は1993年から弾道ミサイル発射実験を繰り返しています。2010年代後半からは、特に弾道ミサイルの発射数が増えていて、2022年には合計33発の弾道ミサイルが発射されています。例えば、6月5日には、北朝鮮が一度に8発の弾道ミサイルを大量発射しました。いずれも日本海に向けて発射されました。ミサイルというと「Jアラート(全国瞬時警報システム)」を覚えている人も多いと思います。特に2017年には、北朝鮮のミサイル発射に際して、Jアラートで警報が鳴りました。ただし、Jアラートで警報が鳴るのは、日本の領土・領海に落下する可能性、または領土・領海を通過する可能性がある場合なので、必ず毎回というわけではないです。EEZ(排他的経済水域)への落下では鳴りませんが、船舶や航空機に対しては警報が発令されます。北朝鮮は経済危機が叫ばれていますが、それでもミサイル開発は進めています。不測の事態が生じる可能性もあるので注意は必要です。


ユージ:今回の共同訓練を受けて、どのようなことを期待しますか?


塚越さん:北朝鮮について色々な対処ですが、裏テーマとしては日韓の関係を改善することが焦点にあったと考えられます。国と国を考えると、なかなか難しいことはそれぞれの政府と、それぞれの国民の意見が分かれていることがあります。例えば韓国政府が考えていることと、韓国国民が考えていること。日本政府が考えていることと、日本国民が考えていること。この4つのバランスがあります。韓国の政府がOKと言っても、国民はNGと言ってちょっとねじれてしまう。日本でも同様のことがあると思います。民主主義国なので、国民の民意が重視されるので、ユン・ソンニョル大統領の支持率によっては、また日本への対応が変わる可能性もあると思います。なかなか難しいことではあるんですが、今回に関してはまた再開されたということなので、日本としても歓迎すべきことだと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。



過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top